集客のためのイベントとJクラブの内在化。

以前、J−KETでちょっと話題となったこのテーマ。そこからの思いつきです。
この問題は「地域社会(以下コミュニティ)でのプロサッカークラブの役割」まで視点を拡げられるテーマなのではないか、集客企画の賛否は、地域密着を謳うJの方針まで考慮に入れてよいのではないか、と思います。
またもやアメフト話で恐縮ですが、USAカレッジアメリカンフットボールに「ボウルゲーム」*1なるゲームがあります。これは全国リーグではなく各地域ごとに分かれてリーグ戦を組んでいる大学アメフトの各リーグの上位チームが、招待されておこなわれます。日本で喩えれば、六大学野球の優勝校と東都大学野球の優勝校が招待される、みたいなものです。
特に「4大ボウルゲーム」と呼ばれるローズ、オレンジ、シュガー、フィエスタの各ボウルゲームは、他にもパレードやイベントが催される複合巨大イベントであり、その年の全米王座が決定する重要なゲームになっていますが、開催当時「イベントの添え物」はボウルゲームの方でした。
最古のボウルゲーム「ローズボウル」は1902年にカルフォルニア州パサディナ市恒例のイベント「バラの品評会&お祭り」のイベントの一環として企画、「オレンジボウル*2フロリダ州の観光都市マイアミのスポーツを用いた集客イベント「オレンジボウル・フェスティバル」のフィナーレとして開催されています。*3各地のボウルゲームも地元のお祭りの盛り上げに一役買う形で始まった、始められたものがあります。
話をJリーグに戻すと、サッカー単体で集客を求める形・地道な努力は当然存在する一方で、コミュニティのあるイベントの中心であったり、並列する複合イベントの一つに「地元Jクラブのホームゲーム」があってもいいのではないか、と思えます。
既存の古くからあるお祭りにJのゲームを絡めるのは難しいと思いますが、近年はじまっているようなイベントに「地元Jクラブのホームゲーム」は組み込めそう、いっそやる気まんまんの神戸では、ヴィッセル神戸のゲームを中心としたイベントを定例で立ち上げて(もちろん神戸コミュニティの協力を得て)みても良いのではと思えます。もしくは毎試合でなくても、地元神戸のイベントと絡める時期のホームゲームでは大々的に、でも。

4大ボウルゲームはこの時期に30〜50万人の観光客を呼び込む大イベントです。そこまではいかなくとも、コミュニティの活性化に、コミュニティに属するプロサッカークラブとして貢献できる。集客も見込める、コミュニティでの認知度も上げられる施策として考慮しても良いのではと思えます。
NFLデトロイト・ライオンズは「サンクスギビング・デイ(勤労感謝の日)はホームゲーム」と決まっており、そのとおりにリーグ側もスケジューリンを毎年組んでいます。これは工業都市デトロイトは各地から労働者が集まってくる場所であり、せっかくの祝日に故郷に帰れない労働者のおじさん・お兄ちゃんたちに、せめてアメフトを見て楽しんでもらおう、という主旨のゲームが現在まで続いているからです。
コミュニティのイベントに、ホームゲーム開催で花を添え、リーグ側もスケジューリングに配慮する。クラブもJリーグも立ち上げから10年あまり。まだまだコミュニテイへの内在化・日常化に様々な努力をすべきだと考えます。

*1:なぜボウルかというとアメフトの競技場がサラダボウルみたいな形だから。

*2:サッカーファンにはご存知「マイアミの奇跡」の場所ですね。

*3:他にはプロ体操競技会やワールドジュニアテニストーナメントなど。