高崎競馬、廃止へ。

本日の上毛新聞の1面トップ。まだネット上にアップされていないので、とりあえず記しておく。県競馬組合議会が審議し「議会の総意」として「本年度で高崎競馬の運営終了」を県知事に伝えるのだとか。累積赤字が改善しないのは困り者だけど、それだけを理由に廃止を決定してもよいものかな。

県知事は存続の意向のようだが、競馬場のある高崎市と市長は都市再開発の目玉として、駅前にあるこの施設をどうにかしたいのが本音。競馬関係者は存続に向けて署名活動などしていくそうだけど、トレーニングセンターが高崎市から離れた堺町に作られ、競馬関係者が軒並み「高崎市民」でなくなってしまったことも今思えば大きいか。記事では国での地方競馬振興予算が通らなかったことも要因のひとつとして挙げている。

以前の記事は以下のところに。
http://d.hatena.ne.jp/SH77/20040328#p1
http://d.hatena.ne.jp/SH77/20040403#p1

高崎市の「高崎競馬場廃止」の本気度は以下の「市民の声」の担当者の回答からもうかがい知れる。昨年8月のもの。
http://www.city.takasaki.gunma.jp/koe/miru/0308/0308-06.htm

●質問(抜粋)
累積赤字問題で存続が揺れているとのことですが、私は、赤字問題だけでの廃止には反対です。
競馬を、一つの事業としてみた場合、現在の経済状況では累積赤字を解消する見込みはないかもしれませんが、法律上の問題がなければ、 非開催日は、馬事公苑と同様に乗馬とかそういったことが行えればすばらしいと思います。
競馬を単に賭け事の対象ということでなく、文化や地域の交流の場として役立てていくというのであれば、存続も可能ではないのでしょうか?

高崎市担当者の回答
これまでには、群馬県及び高崎市等に配分金を拠出するとともに、売上げの一部は地方競馬全国協会を通じて、畜産及び馬事文化の振興に貢献してきました。

しかし、平成4年度以降は赤字が続き、平成14年度の単年度収支は8億5千万円の赤字となり、累積赤字は44億3千万円もの巨額となっています。

群馬県では、今後の高崎競馬のあり方を検討するため、有識者による「高崎競馬検討懇談会」を設置し、今年4月に報告書を取りまとめました。それによると、今後も赤字が続けば、群馬県民、高崎市民に大きな負担を強いることになりかねないとし、今年度から2年間に収支均衡の見通しが得られないときは、速やかに廃止の決断をすることが必要であるとの提言を行いました。

高崎市としても地方の財政状況が厳しい中で、毎年10億円近くの赤字を出している競馬事業を続けていくことは、後の世代に大きな負担を残すことになるので、早期に廃止する必要があると考えています。

このような状況から、高崎市は、県に対し、競馬場の早期廃止とこの地域の恵まれた都市機能を生かし「群馬の玄関」としてふさわしいまちづくりを進めるため、具体的な取り組みに着手するよう働きかけているところです。

したがって、ご提案いただいた件について、高崎市としては実施する考えはありませんので、ご理解いただきたいと思います。

とりつくしまなし、な回答だ。確かに周囲の競馬好きな友人数名に話を聞いても「中央競馬の場外馬券場」の機能しか利用していないのが実情で「高崎競馬に魅力がない。中央競馬の馬券が買えなくなるのが一番困る」とそれぞれが口にした。あれやこれやと「裏取引」みたいな話が流れてた時期があって、ギャンブルとして公平感がなくなり魅力を急速に失った、とかもそれぞれが別々に話してくれた。こんな話が本当か嘘かどうかも自分には判らないが、あくまでウワサなだけにかえって性質が悪いとは感じた。

公営ギャンブル4種競技を全て揃える「バクチ大好き群馬県」でもいまだ盛況なのは前橋競輪くらいで高崎競馬と桐生競艇、伊勢崎オートもなかなか苦しいらしい。パチンコ屋の廃業もそこかしこに見えるし、どうもギャンブル関係は明るい話題が少ないのが県下の実情。