NFLのテレビ放映権交渉が一段落。放映権収入の50%増を実現し、新たな試みも続々。

ちょっと前のニュースなんですが、NFL JAPAN公式より。
http://www.nfljapan.co.jp/column/business.html

NFL、サンデーナイトとマンデーナイトのテレビ放送契約をNBCESPNと締結
18日、NFLは2006年からのサンデーナイト・ゲームとマンデーナイト・ゲームの全米テレビ放送権についてNBC、およびNBCと契約を結んだと発表した。

なんで2度云うねん。(笑) NBC及びESPNですよね。

スポーツ専門のケーブル・チャンネルであるESPNは2006年から2013年までの8シーズンに渡り、マンデーナイト・フットボールを放送する権利を得た。マンデーナイトはESPNと共にディズニーの傘下にある地上波ネットワークのABCが35年間に渡り放送してきた。今回の新契約で、同グループ内で地上波からケーブルへと移動したことになる。ESPNは1年間に約11億ドルの放送権料をNFLに支払うと見られている。これは2006年から6年契約を結んだFoxの年7億1250万ドルを上回る内容。また、試合開始時間はこれまでの米東部時間夜9時から8時40分に繰り上げられる。

元々はABCの社長さんがNFLに持ちかけた「マンデーナイト・フットボール(MNF)構想」が発端。そのMNFが35年間で一区切りして今は同一グループとはいえ、他社に移る日が来ようとは。オープニングはあんまり変えないで欲しいなあ。ESPNは毎年約1100億円を今後8年間NFLに支払うことになったそうで。試合時間も深夜にまで放送が及ぶ東部時間を意識して微調整されることに。
ちょっとだけ説明しておきますと、USAのアメフト試合&中継放送は、金曜日は高校、土曜日は大学、日曜日がプロとなるのが基本的な流れ。MNFはこの流れにアレンジして、金曜は高校、土曜は大学、日曜はプロ(地元チーム)、月曜はプロ(全国注目カード)を観て下さいね、としています。

NBCは2006年から2011年までの6シーズンに年16ゲームのサンデーナイト・ゲームと木曜夜のシーズン開幕戦、ワイルドカード・ウィークエンドの2つのプレーオフ・ゲーム、さらに3つのナイター・プレシーズン・ゲームの放送権を得た。また2009年の第43回と2012年の第46回スーパーボウルとその年のプロボウルの放送権も獲得している。

NBCは頑張った。前回の交渉に負けてNFL放映権を失い、対抗リーグXFLに協力したものの、惨敗。ふたたびNFL放映権を得るべく、大金を積み上げて良いカードの放映権を得ましたね。

さらに今回の契約では、レギュラー・シーズンの最終7週に関して、NBCは日曜午後のゲームを夜に移すことができる”フレキシブル・スケジューリング”の権利を獲得している。これはシーズン終盤のナイトゲームが不調チーム同士の対戦となり、視聴率が下がることの対策。これまでポール・タグリアブー・コミッショナーは何度かフレキシブル・スケジューリングの可能性を示唆していた。

遂に実現しました、フレキシブル・スケジューリング。記事の説明どおり、放映権を獲得した対戦カードがシーズン終盤に注目の対戦かどうか、は開幕前には判らないこと。その注目度をテレビ局が判断して試合開始時間をテレビ局自身で変更できる権利です。 スタジアム観客よりも大勢であるテレビ視聴者に重点を置いたNFLらしい発想であり、チーム自身がスタジアムを保有していたり、地域の全面的なバックアップを受けてスタジアムの使用権を得ているNFLの強みでもありますね。

NBCの推定放送権料は年6億ドル。これは現在サンデーナイトを放送しているESPNと同額と見られている。今回の2つの契約によって2006年以降NFLが得るテレビ収入はこれまでより50%以上増えて年37億3500万ドルに達すると見られている。

新たな試みでテレビ局にも配慮した権利を条件に組み込むことにより、年間放映権料を従来の50%増につなげたNFL。年間の放映権料収入は約3750億円を見込むそうですから、全32チームには均等分配で年間120億円くらいの収入を約束したことに。ポール・タグリアブーコミッショナーは、ピート・ロゼールに並ぶ功労者になりそう。