ヒデら移籍なら超裏技、契約に「代表早期招集条項」

http://www.sanspo.com/soccer/top/st200404/st2004040902.html

今夏に移籍する可能性が高いMF中田英寿ボローニャ)、中村俊輔レッジーナ)ら欧州組について、日本協会が「早期招集条項」を契約に盛り込む“ウルトラC”を検討していることが8日、明らかになった。
現在、代表招集に関しFIFAで定められている拘束ルールは「キックオフ48時間前」。主力欧州組が直前合流となる現状にジーコ監督は以前から改善を求めていた。
田嶋技術委員長は、早ければ4月下旬にも欧州クラブを訪れ、中田ら選手本人、事務所関係者と会談。移籍の現状や契約条項盛り込みについて話し合う予定。

変なヤル気ださないでください田嶋委員長さま。どの選手(&代理人)であっても、交渉時にクラブ側と契約事項の綱引きは当然だけれど、「早期召集条項」なんて常軌を逸しています。
理由その1。クラブでのプレー機会を減らす直接的な条項である以上、よほどの戦力&集客力を持つ選手でもない限り、クラブ側が無条件に諾する可能性は低い。またそこまでのレベルの選手と考えられる日本人は、現状中田英と小野くらいではないだろうか。彼ら二人でも厳しい、と捉える方もいるだろう。また現在ベンチ入りも厳しい選手では「日本でプレーした方が君も協会も都合がいいのではないのか?」なんて云われかねない。
理由その2。仮にその条項をクラブ側が諾するとしても、条件をつける可能性が高い。クラブ不在時期を確実に増やす条項なので、クラブ側としては基本サラリーを抑え、オプション条項(ボーナス)を増やす契約を考えるだろう。出場試合や出場時間、ゴール数など条件達成でボーナスを払う形。なにが述べたいか、と云うと契約した日本人選手のサラリーが減る可能性が高い(代表戦に召集されればされるほど)。サラリーに影響を与える状況を発生させる権利をサッカー協会は持っているのか? 協会は減少サラリー分を保障でも出来るのか?*1
理由その3。日本サッカー協会の主導で「早期召集事項」を指導すれば「日本人選手は協会が早期帰国を要求してくる」と獲得に二の足を踏むクラブもあるだろう。欧州などにクラブ移籍を模索する日本人選手のいらぬハードルをつくることになる。
能力のある選手たちの欧州移籍で日本代表チームの編成と強化が難しい、というのはなにもジーコ監督だからではない。たしかに何か対策が必要な問題だが、このような「選手の契約に盛り込ませよう」などと云う安易かつ当事者(大事な能力ある日本人選手ではないか)の不利益を招かねない方法には反対する。真剣に取り合う代理人がいるとは思えないが。まず代理人とスタッフは選手を守れ。守ってくれ。

*1:普通の代理人ならば、これくらいの質問は出るはず。どう答えるのだろうか。