今日のアネクドート。

今日はスターリンとニキタ・フルシチョフの物語。歴史的には、スターリンの死後にいきなり「スターリン批判キャンペーン」を行ったことが有名なソビエトの指導者。

●切手
ある日、スターリン肖像画入りの切手が売り出された。
スターリンは発売日に郵便局を視察する。
「同志郵便局員、私の切手の売れ行きはどうかな?」
「ええ、同志スターリン。売れ行きは好調ですが、みなさんノリのつきが悪いとおっしゃいますね」
スターリンはためしに一枚をなめてハガキに貼ってみた。
「そうかな? ちゃんと貼りつくぞ」
「いいえ、同志スターリン。みなさん表にツバを・・・」
●テーブルマナー
クレムリンの晩餐会。がさつ者のフルシチョフはステーキを手でちぎって食べている。
それを見ていたスターリンがたしなめた。
「ニキタ、ナイフを使え」
フルシチョフはあわててナイフをつかみ、立ち上がりながら云った。
「誰を? 同志スターリン
●困った約束
フルシチョフが訪米から帰国した。ミコヤンが空港に出迎える。
フルシチョフはうかない顔。
「どうしたんだ?」ミコヤンがたずねる。「なにかあったのか?」
「エライことになった。ケネディホワイトハウスのパーティで、アメリカの医者を自慢してな、なんでもその医者は注射一本で死人を生き返らせるんだそうだ。オレはムッとして、つい『ソビエトには一時間で100キロ走るランナーがいる』なんて云っちまったんだ」
「バカだなあ、それで?」
「二週間すると答礼訪問でケネディがモスクワに来るんだ。ヤツにその時、一時間100キロのランナーを見せてくれって云われたらどうしよう・・・」
「心配いらないよ」とミコヤン。
「そうなのか? 一体どうするんだい?」とフルシチョフ
ケネディが来るならその医者も連れてくるだろうよ。その医者をクレムリンの壁に連れて行って、スターリンの墓を開けるんだ。スターリンに注射しても生き返らなかったら、そりゃ大いにけっこう。その話はそこでオシマイさ」
「ス、スターリンが生き返ったら?」
スターリンが生き返ったら、その時はきみが一時間100キロのランナーになるだろうよ」