ニューヨークジェッツ、新スタジアム建設へ。

NY JETS

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3月25日、マイケル・ブルームバーグニューヨーク市長とジョージ・パタキ同州知事は同市マンハッタン西部に7万5000人収容のスタジアムを建設することを発表した。このスタジアムはジェッツの新本拠となる予定で、さらに現在招致活動が行われている2012年の夏季五輪でメイン・スタジアムとして使用される計画になっている。

NFL・JAPANのビジネスリポート、久々の更新。まあシーズンオフですからね。ニューヨークを本拠とするのは、AFC東地区のジェッツとNFC東地区のジャイアンツ。その両チームのホームスタジアムは、河向こうニュージャージー州にあるジャイアンツ・スタジアムでした。これでジェッツは念願のホームスタジアムを手に入れることになりそう。しかもニューヨーク州内で。*1

リトラクタブル方式(開閉式)の屋根が設置される見込み。建設費はNFL史上最高の14億ドルで、チームから8億ドルが、公的資金から6億ドルが投入される見込み。チームは6億ドルを金融機関からの融資で、さらに1億5000万ドルをNFLのスタジアム建設金融プログラムから調達するものと見られている。

日本円に換えると、ジェッツが880億円、州から税金が660億円。チームは660億円を金融機関から、165億円をリーグのスタジアム用金融プログラムからですか。ピッチの広さや座席数を云々しているのとは別次元ですな。

莫大な放映権料&各チームの販売利益をほぼ一括管理し、積み立てて様々な用途に使用するのは知っていましたが、新スタジアム建設の後押し&コミュニティに理解を求めるために、165億円を融資できるまでこのプログラムを進めていたとは。一時期のスタジアム建設ラッシュとそれに関わる様々な問題からNFL側が学んだな。相変わらず問題への取り組みと改善にはソツがない。

同スタジアム建設はマンハッタン西部の再開発の一部となっており、隣接するコンベンション・センターのリノベーションや地下鉄延長なども計画されている。チームとしては来年にも着工し、2009年にはオープンを目指している。ただし、環境検査の結果や交通環境などの悪化を嫌う地元コミュニティから反対訴訟などによっては建設に待ったがかかる可能性も依然ある。

住民投票となる場合は「目的税をスタジアム建設に使うことに賛成か反対か」が多い(「税金を使うことの賛否」は漠然とし過ぎているためあまりテーマにならない。「ある目的のために徴集される目的税(たばこ税とか)をスタジアム建設に使うことの賛否」と絞ったほうが議論が集約されるから、らしい)。訴訟も条件闘争で和解を図ることになると思われる。

90年代の最悪時期だったら住民運動や投票の行方も怪しかったと思うけれど、*2ビル・パーセル政権での躍進と、後継問題のごたごたも影響されずに好成績を残してきたハーマン・エドワーズHC(昨季はけが人多すぎ)下での現状と成績ならば、コミュニティの理解も得られるのでは、と考える。

*1:同じスタジアムを本拠としながら、ジャイアンツは収容人数を80,242人とし、ジェッツは79,466人としている。この謎は謎のまま終わるのだろうか。

*2:1勝15敗のシーズン最後には「JETS=Just End The Season(やっとシーズンが終わったな!)」と横断幕が出されていたのを思い出す。