JFL前期第12節、84分間の最高と6分間の最低。

運営スタッフ親切でした。

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栃木SC 3−3 ザスパ草津 
(6月6日13:00/栃木県足利市総合運動公園陸上競技場/3,321人) 
ザスパ草津スタメン:サブ
−−−高須−−佐藤−−−:堺、フラビオ
−寺田−−山口−−佐田−:
−−小久保−−鳥居塚−−:山崎
−小川−小田島−久保田−:籾谷
−−−−−小島−−−−−:北

栃木SCスタメン:サブ
−−−茅島−−若林−−−:佐野、大石
−石川−−伊奈川−只木−:高秀
−−−種倉−−堀田−−−:
−−高野−横山−遠藤−−:松本
−−−−−−原−−−−−:星

●得点経過
17分:佐藤正美(草津)
45分:高須洋平(草津)
47分:山口貴之草津)
84分:高秀賢史(栃木)
86分:佐野智洋(栃木)
89分:若林学(栃木)

●交代
45分:只木→佐野(栃木)
55分:伊奈川→松本(栃木)
60分:高須→堺(草津)
63分:茅島→高秀(栃木)
75分:佐藤→フラビオ(草津)
83分:山口→山崎(草津

∩( ・ω・)∩ 快心のゲーム運びバンジャーイ&_| ̄|○ 残り6分間で3失点て。

本日は両毛線足利駅下車でスタジアムまで徒歩。休日とは思えない駅前通りの閑散ぶりで、下車してスタジアムまで歩くザスパサポたち以外の人影はほとんどなし。群馬でも同様の風景はあるので、今の日本の地方都市はどこでもこんな感じなのかな。スタジアムには15分弱で到着。道が駅からまっすぐで助かる。観客は3千人を超えるが県境の足利市での開催ということもあり、ザスパサポが少なくとも6割は来ているようで、アウェイながらホームのごとし。

草津はMF小久保純が負傷から祝・復帰で先発、フラビオも同じく負傷から帰ってきて今日は控えから。またDF久保田祐介が今季初先発。高校卒業後にアルゼンチンやパナマのクラブを渡り歩いて現在は草津に。188cmの長身がひときわ目立つ。*1ザスパハイボールの競り合いでやや不利な場面があるから、その対策か?

さて、ゲームは序盤からザスパが優勢。山口・高須・鳥居塚が中盤を支配し、復帰した小久保が走り回りプレスを掛けて相手の攻撃起点をつぶす。ボールを主に左に集めてサイドから攻撃を展開。前半17分には左右に揺さぶりをかけて栃木DF陣のマークを崩し、最後は左サイドでDFをかわしたMF寺田のクロスに、FW佐藤が合わせて先制点。その後も押し気味にゲームを進めるザスパ。時折、栃木の反撃を受けるもGK小島のナイスセーブもあって前半は0−1で終了した。

後半開始から、ザスパDF陣で並びが変更。3バックの中央に位置する小田島が右、中央は久保田に。これは前半たびたびゴール前でチャンスを作っていた栃木の長身FW若林(身長は久保田と同じ188cm)への対策だろう。また、主に左サイドで攻撃の起点になっていた山口が後半からは右へ位置を変えた。

後半は山口と佐田が右サイドから攻撃を組み立てる。前半とはポジションを変えたこの攻めが奏効し、栃木SCの守備が修正できていない。後半開始早々に山口のクロスにゴール前に走りこんだ高須が合わせて2点目。その2分後には鳥居塚のクロスにゴール前に切れ込んだ山口が合わせて3点目を得点した。

後半も中盤を支配し、サイド攻撃で優位に試合を進めるザスパ。ここ2戦はピリッとしないゲーム展開で、相手に先制されてからなんとか追いついて引き分けだったザスパだが、小久保の復帰や前節での小島の「喝」からの反省でチームは好調時の姿を取戻し、前期中でも快心のゲーム運びを展開できた。その中で徐々に疲れが見え始めた高須、佐藤、山口とこの試合の得点者を順番に交代していく。そして山口が下がった1分後の84分。栃木MF高秀が右サイドからあげたヘディングが、クロスのようなシュートのようなパスミスのような浮き球がループシュートとなってザスパゴールのサイドネットに吸い込まれた。観客も、( ゜Д゜) アレ? ゴール?

ところがこのゴールが栃木の反撃の狼煙となる。ザスパは交代枠を使いきってしまっており、高須・山口・佐藤といった前線でボールをキープしてサイドの上がりを待てる選手をことごとくベンチに戻してしまったことが完全に裏目にでた形。寺田・佐田の両サイドは試合全般でサイドでイニシアティブを取れていたが、上がるタイミングを失い防戦一方でサイド攻撃は勢いづいた栃木のものに。失点の2分後、86分にザスパゴール前の混戦からFW佐野に押し込まれて2失点目。 

1点差に迫られて攻撃の形を失い、さりとて守備を固めるわけでもなく攻守どちらかに意思統一できないザスパ。栃木は当然、パワープレーのために交代枠を使っており「攻撃」で自然に意思統一されてザスパを押し込む。前線のキープレイヤー達を無くしたザスパは、失点するまでのザスパとは別のチームになってしまっていた。流れを引き戻すことも出来ず89分に同点に追いつかれ、ホイッスル直前にも決定的なピンチを迎えたがこれは小島の神セーブでかろうじて防ぎ、3−3と痛恨のドロー。たった6分前には0−3だったのだが。

ここで勝ち点3を逃したのは痛恨だが、終了6分前まではゲームプランとおりに試合を支配し、強さをとり戻したザスパ。小久保やフラビオも復帰し、久保田の高さと強さも戦力になると判った試合だったので、ショックはショックだが次節への明るい材料は多い。それにしても「内容は悪くても追いついて引き分け」を2試合した後「内容は会心だが追いつかれて引き分け」とは、サッカーとは恐ろしく、また面白いものだとつくづく感じた。次節は久々のホーム敷島でYKKAP戦。勝利&3位死守で天皇杯のシード権を。*2

*1:GK小島さんも187cmあるので、近くで見るとかなりデカイ親父さんである。

*2:公式サポHPまで「怒」なんて書いていて掲示板でもお祭り状態。実際にゲームを見ていないサポの不安も観ていたサポの怒りも解る。しかし最後の6分間は残念だけど、それまでのプレーは今季加入の山口・佐田・小久保・佐藤らと昨季の主力の鳥居塚・高須・寺田・小田島・小島らがひとつのチームとして完全に機能した記念すべき試合なんだよね。決して弱くない栃木相手にゲームをほぼコントロールしていたし。3得点目のあと、トリさんと山口さんがガッチリ抱擁するところなんて初めてみたよ。ショックな結末だったけれど、負けたのでもないわけで、悲観的になりすぎたり選手個々を攻撃したりは止めて欲しいもの。選手が一番ツライのだしね。