サガン鳥栖は今日中にコスモクリーナーが必要。

現場無視の泥沼・・・。

なんて寒いタイトルにでもしなければならないほど、深刻な状況にあるサガン鳥栖
まず6月28日の記事。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/jtoto/headlines/20040628-00000052-kyodo_sp-spo.html

●クラブ存続の最終局面に 混乱続くJ2鳥栖
経営難にあえぐJリーグ2部(J2)のサガン鳥栖が、生き残りの最終局面に追い込まれた。Jリーグから子会社化して支援する条件とされていた100%減資を、期限の6月末までに実現するのは不可能な状況。鈴木昌チェアマンは「もうJリーグで救いようがない。(このままでは)シーズン終了後に除名を決断しないと」と苦渋の胸中を吐露した。

鳥栖の予算は約3億円で、関係者によると累積赤字は約1億円。親会社を持たず、市民クラブを標ぼうして169人の株主がいる。現経営陣と、旧経営陣を含む一部株主との対立は根深く、この株主の一部が独断でオーナー企業を招致しようとしてJリーグから却下されたり、人事や選手起用に口を出したりと、混乱を生んできた。累積赤字を相殺し、一部株主の動きを封じるのが100%減資の目的だ。

双方に言い分はあるだろうが、Jリーグ側はともかく混乱を収拾するために現経営陣に、現在の株主をゼロにして出直すことを要求している。

会社側の古賀照子社長は無給でクラブ立て直しに奔走しているが、減資については「増資した当時の取締役が、減資も説得するのが筋だ」として、元役員らで構成する「改革委員会」に旗振り役を任せている。地縁や職業のつながりで株主を募った経緯から、当時の取りまとめ役に同じ人脈で再び説得をしてほしい、という理屈だ。

先兵になるはずの改革委だが、期限の6月に入って「100%減資の意味が分からない」と言い出す元取締役も。期限まで残り1週間の時点でも「説得に行く先のリストもなく、どこに行けばいいのか」という状況で、株主への説明責任は果たされていない。株主からは「今まで文書が1枚来ただけで、納得いかない」との声も噴出している。

組織が組織として機能していないことが判ってしまう。報道によれば、169人のうち65%は減資に応じてくれているのだから、残りの株主のリストだけでも作れないのだろうか。また、今までクラブに協力してくれていた地元の人々の株券を、ろくな説明もなしに紙クズにしてしまった後に、何が残ると云うのだろうか。地域密着・地域の理解と賛同を得て、そのバックアップによって成立する組織としては、既に失格なのかもしれない。監督・選手は健闘し、変わらずサポーターとして活動されている方々がいるだけに、やりきれないものがある。

Jリーグは経営諮問委員会の指導や再建計画の提示などで、手は尽くしたという立場だ。鈴木チェアマンはあきれ顔でこう話す。
「毎年毎年、株主が社長を代えろと大騒ぎするチームが、存続できるわけがない。足の引っ張り合いばかりで、これが鳥栖の悪いところ」

地域でクラブを支える理念に反し、内部で泥仕合を続ける鳥栖に、Jリーグは規約の「倒産による除名」で対処する方針だ。適用されれば初のケースとなる。7月以降の「ロスタイム」に、クラブ存続の大逆転劇は見られるのか。

この記事の翌日、昨日29日に鳥栖の社長とJリーグのチェアマンが会談を行った。
http://www.nikkansports.com/ns/soccer/p-sc-tp0-040630-0012.html

●減資100%ダメなら…鳥栖きょう再生期限
J2鳥栖が今日30日、Jリーグから経営支援を受ける条件となる100%減資の株主同意取り付け期限を迎える。実現しなければ救済措置を白紙撤回するとJ理事会で決定しているが、ある株主は「減資についての説明責任が不十分で、同意できない。他にも十数人が反対だ」と話し、実現は不可能な情勢になってきた。

29日、東京・本郷のJFAハウスで鈴木チェアマンと会談した古賀照子社長(48)は「30日にきちんとお話ししますから」と、同意の進ちょく度は明かさなかった。

100%減資は「経営の足を引っ張る不良株主」(鈴木チェアマン)の排除と累積赤字の相殺を狙った救済策。全株主が株式を放棄した後、関連会社のJリーグフォトが最低資本金の1000万円を出資して一時的に株主となり、経営の安定化を図るもので、古賀社長も「鳥栖再生のラストチャンス」と認識する。

鈴木チェアマンは「(30日の)最後の最後まで待つ。1人でも反対がいるなら、Jリーグフォトからの支援はない」と強い姿勢を示した。

一部の株主は、もうこのまま現経営陣と刺し違えるつもりなのかもしれない。クラブ・選手・監督らスタッフを支えてきた人々に、この期に及んでもクラブの存続を危うくする意志を固めさせてしまったのは、全ていままでのツケなのだろうか。また、この日に鈴木チェアマンにインタビューした西日本新聞の記事。
http://www.nishinippon.co.jp/media/news/news-today/news011.html

サガン鳥栖問題 「減資延期認めない」 事実上の最後通告
鈴木チェアマンが同日、西日本新聞社のインタビューに答えた。Jリーグは今年2月、鳥栖の救済策として資本金の100%減資を条件にJリーグ関連企業が出資する「特例措置」を決めていた。減資については6月末までの期限が付いていたが29日現在、達成できていないという。

鈴木チェアマンは「Jリーグとしては思い切ったことをやったのだが、条件を満たしていなければ(出資には)応じられない」と従来通り減資期間延長は認めない姿勢を示した。

一方で「(株主の)99%は善良な市民だが一部の株主に問題がある。その問題をなくすために減資を求めた」と再建に向けて一丸になれないクラブ経営陣の状況を批判した。

●チェアマン一問一答 行政の出番ほしい
Jリーグの鈴木昌チェアマンとのインタビューは次の通り。

―資本金減資の狙いは。

鈴木:株主の一部に問題があるので100%減資し、経営をゼロから再スタートするということだ。減資できたらJリーグ関連企業が1000万円を出資。さらに1年以内に地元の鳥栖市長、佐賀県知事が推薦するスポンサーをみつけてくれば、お渡しする考えだった。

―減資の延期はできないのか。

鈴木:Jリーグ理事会の同意でやっていることだから、私の一存では決められない。出資そのものに反対する理事もいたほどだ。

―出資がないと鳥栖の経営は厳しいが。

鈴木:Jリーグのクラブには地元自治体の首長がリーダーシップを執っているところもある。サガン鳥栖も行政の出番がほしい。鳥栖市佐賀県が出資できればやれる。今のままでは債務超過になるので、秋に(Jリーグからの)退会勧告をすることになる。

●100%減資
企業が株主から預かった資本金を減額することが減資。ゼロまで減らすことを100%減資という。減資は経営が悪化した企業が資本金を取り崩して損失を穴埋めするのが目的。100%減資は債務超過の企業が株主にも責任を負担させるために行われ、株主の権利は消滅する。同時に新たな資本金の投入が行われ、出資企業が経営権を握る。多くの場合は旧経営陣が退陣するが、サガン鳥栖の場合は社長らの人事には踏み込んでいない。

Jリーグ側は、ダメならダメで仕方ない、クラブ再建には行政が動いてくれれば、まだ可能性はある(今の鳥栖には行政の支援が必要だよ)、だろうか。もし適うのならば、地域密着の理想からは、今の運営組織の消滅→新体制・新スポンサー下での新・サガン鳥栖の再生→減資に応じてくれた株主にもなんらかの誠意を見せる形、なんじゃないかな。

混乱と金銭・感情のもつれまで入ってしまったサガン鳥栖の存続問題。現場を抜きにした争いはどこで止まる、止めるつもりなのだろうか。昨日の沖縄かりゆしのスポンサー撤退といい、こういうニュースはとてもツライ。選手と監督らスタッフに安心を、サッカーに専念できる環境を与えて欲しい。もう今日一日しかないのだけれど。