柳沢敦、プロキャリアの正念場。

http://www.nikkansports.com/ns/soccer/japan/p-sc-tp3-040702-0014.html

●柳沢は代表入り困惑…メッシーナ優先
メッシーナ移籍が決まったFW柳沢敦(27)もアジア杯(中国)を見据えた日本代表のキリン杯(9、13日)招集に困惑している。

報道陣から同監督の話を伝え聞くと「エッ、ホントですか。でも最終決定じゃないでしょう。アジア杯メンバーはまたあらためて発表するんでしょう。代表行って聞いてみます」と驚きの表情を隠せなかった。

個人的なプランとしてキリン杯を戦った後、イタリアに渡り入団会見と18日からのチーム合宿に参加する予定だった。6月30日の移籍会見でも「チームの最初の合宿は非常に重要で、そこにいないのは僕にとってはマイナス。代表に呼ばれてる状況ではない」。メッシーナのピエトロ・フランツァ会長も「ヤナ(柳沢)には最初の合宿からきてもらう」と明言していた。代表のことを一時忘れてチームのレギュラー取りに専念するつもりだが、チャレンジする前に思わぬ壁にぶつかってしまった。

柳沢のキリン杯の召集に関してのジーコ監督の言は以下のとおり。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/kaiken/200407/at00001250.html

――メッシーナ(イタリア)への移籍が決まった柳沢選手ですが、チームの始動時期が、この代表の活動時期とまさに重なっていますが、柳沢選手とお話になって、そのあたりのことはクリアになったのでしょうか

向こうのシーズン開幕の時期(9月12日)と照らし合わせると、ちょうど彼が実際に新しいチームで活躍できるような内容のものを、アジアカップの中でも十分に、チームと離れていても実戦でやれると考えていますので、私はあまり心配していません。

ここで判るのは「柳沢との話し合いはまだ」「アジア杯にも召集する予定」「アジア杯で良いパフォーマンスを見せれば、メッシーナへのアピールになる」と云うこと。柳沢の思惑や予定とは異なり、このままだとアジア杯にも帯同することになる。

これがオフィシャルな大会ではなく、単なるフレンドリーマッチであれば自分としても考慮しましたけれど、日本にとって歴史的にも非常に大切な試合ということで、こちら(アジアカップ)の方を優先してもらいたいと。ただし、優先した結果、彼に後々悪い影響がないような形でやっていくという自信はあります。いい形で大会を終えてチームに合流した場合、逆にコンディション的にも非常にいい形でチームに合流できると思います。

ここで述べられている「悪影響を与えない自信」とは、あくまでコンディションについてだろう。ジーコ代表監督が柳沢敦のプロキャリアのマネージメントをしているわけではない。また、いちいち気を使う立場ではない、との主張も通ると思う。だからこそ、柳沢は自身で自らのプロキャリアを真剣に考え、行動してもらいたい。今こそ、そうしなければならない時だろう。