ザスパ草津の今月末にJ加盟申請と、ホームタウン設定について。

SH772004-09-16

昨日15日の上毛新聞の1面トップ記事にて。地元紙最大手がスポンサーに名を連ねるのは、こういう時ありがたいですな。普段サッカーに関心のない層の人と話をしていても「草津にJリーグを目指しているクラブがある」くらいは最低認知されている。

ザスパ Jリーグ入会30日申請へ
 日本フットボールリーグ(JFL)に参戦しているザスパ草津は十四日までにJリーグ事務局(東京都内)にJ入会のための申請申込書を三十日に提出する方針を固めた。Jを目標に掲げ発足から三年。本県初のJクラブ誕生に大きく前進する。ザスパを運営する草津温泉フットボールクラブの賢持宏昭社長は「期限内に申請ができれば、J昇格は成績次第」とみている。JFLは十八日に再開。現在、「原則二位以内」とする昇格圏内の二位につけるザスパ。残る九試合に夢の実現を懸ける。

残り9試合の対戦相手は首位独走の徳島ヴォルティスこと大塚製薬を筆頭に4位のYKKAP、さらに上位進出を狙う中位勢が目白押し。最終節はアウェイのホンダFC戦と楽な相手はどこにもいない。ただザスパ草津がJリーグ加盟を目論むクラブである以上、これらの強豪と対戦して、なおかつ勝ち点を積み上げねば、文字通り「加盟の資格」はないのだ。浮かれる段階でないのは明白。さらに応援だ。

Jリーグ入会にあたっては、J側が七月に来季からのJ入りを標ぼうするザスパに対して予備審査を実施した。八月には、審査結果に基づいて運営会社の経営基盤強化、Jの規約を満たしたホームスタジアム確保などの改善点を指摘した。

ザスパはこれまでに、運営会社の資本金を増強。県は前橋・県営陸上競技場をホームタウンとし、改修費を予算化する考えを示すなど、昇格を見据えた動きが活発化している。

改善点がクリアされていくなかで、二十七日に開く運営会社の臨時株主総会を経て入会申請期限となる三十日に申込書を提出する日程で調整を進めている。

Jリーグはクラブ経営や選手の育成、観客動員、スタジアムなどについて入会申込書の内容を確認。戦力を考慮し十一月末までに入会の可否を決め、各クラブに結果を通知する。

ホームタウンに前橋を含むことはスタジアム問題から致し方なし。ただ事前審査でJリーグ側から「草津を大切にするように」との主旨の指導もあり、草津町との縁切りはクラブも町もJリーグも望んではいない。前橋市のスタジアムを使用し対外的な営業拠点としてだろう事務所を設けたが、これは地理的・時間的な利便性を考えてのこと。練習場などは現状どおり草津に置かれるだろうし、積雪ある冬場は草津以外の県内あちこちで今までも練習していた。

規約を厳密に適用すれば、審査を通らないかもしれないホームタウン設定「ザスパ草津ケース」だが、Jリーグが「草津を大切に」とわざわざ指導する理由は、今後も見据えてのものと考える。日本のどこかで草津のように「数十億円かかるスタジアムは用意できないが、クラブ運営やクラブハウス・練習場などで支援を行い、地域住民も積極的なサポートをしてくれる町村部」が生まれる可能性はこの先にもあるだろうし、そういう盛り上がりもJ100クラブを目指すならば必要と云える。

そういった動きがあっても「でもかつてのザスパ草津のように、いくら支援・応援してもJリーグに加盟するときにスタジアムのある都市部に移転しなければならないなら、うちの町&村はただの腰かけに過ぎないのでは」という反論や懸念も生まれてしまう。やや変則的な「ザスパ草津ケース」だが、今後もあるだろう「地方町村部からのJクラブ誕生」の先鞭・先例と云えるケースとなるかもしれない。とにかくあと9試合で勝ち点を積み上げていかないと先例もへったくれもないんだけど。