群馬FCホリコシ、来季からのJ加盟申請を断念。
上毛新聞より。
●来季のJ加盟は断念 ホリコシ
日本フットボールリーグ(JFL)に参戦している群馬FCホリコシは二十九日、「現段階のリーグ成績(六位)、態勢の準備不足」を理由に来季からのJリーグ入会申請を見送ると発表した。J入会の申請期限は三十日。ホリコシの小池大哲代表は「今回は残念ながら断念するが、来年の申請に向けて準備に入っている」とコメント。引き続きJに挑戦していく考えを示した。
ホリコシに対しては八月、入会の予備審査をしたJ側が「全般的に準備が不十分。中長期的な視点でじっくり取り組むのが得策」と、今年の申請の再考を促した。昇格条件となるJFL通算成績は原則二位以内。現在、ホリコシは八試合を残し六位につけている。
学校法人を主体とした少数スポンサーでチームを支え、現在の体制になってからは県2部・1部、関東2部・1部の全てを昇格1年目で優勝&昇格→地域リーグ決勝大会初出場で準優勝、JFL入れ替え戦出場権獲得→FC京都BAMB1993との入れ替え戦をH&Aで2連勝→JFL昇格1年目で現在6位(16チーム中)。
Jの予備審査の指摘どおり、不足している部分や、時折あった監督や選手陣の交代など紆余曲折はありながらも、全国の「目指せJ」と比べたときには順調かつ大健闘と云えるチームと成績を作ってきたことは賞賛に値する。
こうなった以上、来年を見据えた体制づくりの整備に取り組んでいただきたい。最近では学校側に頼らない自発的なサポーターグループも出来てゲーム中の応援コールも良い感じになってきてるし、入場口で本日以降の主催ゲームや天皇杯の案内(チケット購入方法など)のチラシを配るなど、ちょっとづつながら前進している。
ザスパ草津が「草津町と前橋市を中心とした群馬県全域」をホームとし、全市町村から了承を文書の形でいただけたそうだが、現実的にはザスパ草津のクラブとしての具体的なアピール活動範囲は今後は前橋以北の群馬県北部(北毛と呼ばれる)が中心となるだろう。
群馬FCホリコシの運営母体は高崎市に構えられ、練習場は隣接する吉井町や安中市にある。早ければ来年にJ加盟申請となるが、申請時のホームタウン指定は「高崎市を中心とした〜」で問題ないだろうし、主なアピール活動範囲は群馬県西部(西毛・高崎市を生活・経済的中心にした地域)が考えられる。両クラブの住み分けという縄張りというかは自然に線引きがされているのが、県下の現状だろう。もちろん、どちらのサポになるかは個人個人の判断なのは当然だしね。ちなみに上記のような線引きになると、自分は群馬FCホリコシのホームタウンの人なのですよ。*1
あとは、現実的な話しながら「スポンサー&お金」の問題。(県下の有力企業を続々とスポンサーにしている)ザスパ草津のサポの自分がいうのもなんだが、この部分の強化は必須。J2運営レベルの資金を出すには、やはりもっとスポンサーがつかないと大変だろうし。「ベイシア」がザスパ草津のスポンサーについた今、家電部門の最大ライバル企業「ヤマダ電機」(これも群馬県の企業。本社は前橋市。)が群馬FCホリコシのスポンサーになってくれないかな。
個人的な印象ながら、群馬FCホリコシの地域や県下へのアピール活動はようやく端緒についた程度である。*2逆に言えばまだまだアピールできる広大な余地があるわけで、これは今後のアピール活動次第。
同じ敷島をホームとしながらザスパ草津との観客動員でケタがひとつ違ってしまうのは、このクラブがピッチで繰り広げているサッカーがザスパ草津の10分の1しか魅力がないわけではなく*3、認知度の差による部分が大きい。スポンサー獲得と同じく(また大いに関連して)、認知度の向上も今後の命題だろう。
ザスパ草津と群馬FCホリコシのホームタウン設定に関して、大変有名なサッカーコラムサイト「蹴閑ガゼッタ」さん(http://gazfootball.com/)が28日付のコラムで触れられています。以下に抜粋。
そして、J加盟申請の時期もいよいよ迫ってきたわけですが、申請に向けての懸案だったザスパ草津のホームタウンが、群馬全域という方針で固まったようですね。予備審査の時に、J側から「草津町に対する最大の配慮を求める」と注文された件については、チーム名に草津を残す事で対応したというところでしょうか。ただ、ザスパが群馬全域だとFCホリコシの立場が微妙になるのは確かで、そこについてはJ側が短期的な”切り捨て”を判断したのかもしれません。
とにかく、競技場の問題やホームタウンの規模を考えればホームタウンの選定は現実的な判断だったのかもしれませんが、広域を狙うあまりに地元に浸透しきれなかったガンバのような例もありますので、「草津」という地域名称を群馬全体の象徴として県民に意識付けする事が出来るかどうかがカギになって来そうです。
ホームタウン設定に関しての自分の意見は、このエントリー内で書いたとおり「群馬FCホリコシがJ加盟申請するときには、柔軟な対応になるだろう。活動地域など現実的にはすでに線引きがされているのも同じだから」です。「草津という地域名称が群馬全体の象徴となるか」は、少し考えるところがありまして。
「草津」という名称が群馬全体の象徴とは思いませんが、山間部県境という、どの都市生活・経済圏とも離れた場所にあるため、逆に群馬県のどの地域にも属さないという曖昧さが、県下のどの都市圏に住んでいようとも応援することに抵抗が薄い、という利点はあると思います。
もし「前橋」「高崎」「太田」「伊勢崎」などの都市名を名乗っていたら、ここまで広範な支持を得られていたかは判りません。「県全体の象徴」というよりは、その「県各地の生活圏から独立した曖昧さ」と、県下のどの都市よりも知名度の高い観光地である有利さ、今まで及び現在までの町をあげての支援体制から「草津」をこれからも名乗っていくことには賛成しています。
また「Jリーグ側からの草津に対する最大限の配慮」に関して考えたことは、以前のエントリー(http://d.hatena.ne.jp/SH77/20040916#1095296736)で触れているので宜しければ、あわせてご覧下さいませ。