「滋賀から目指せJ」今年から滋賀県サッカー協会が活動開始。

SH772005-01-21

id:sakamoto-kunさんからのいただきネタです。多謝。京都新聞1月21日付より。
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2005012100002&genre=L2&area=S00

湖国にJチームを 滋賀県サッカー協会、クラブ設立へ
滋賀県サッカー協会がJリーグを視野に入れたクラブチームの設立を目指していることが20日、分かった。県内在住者や出身者を対象に選手を公募し、4月から県社会人サッカー1部リーグに参戦する計画だ。協会は県内に目標となるトップチームがないために京都や大阪に優秀な人材が流出していることを挙げ、「クラブチームの誕生で選手に希望を与え、県サッカー界の活性化につなげたい」としている。

滋賀県でも「目指せJ」の動きがキター! 長崎や鹿児島でもそうですが「人材の地域外流出」は地元サッカー界やファンにとって、歯がゆいものなのかもしれませんね。群馬もザスパ草津が出来るまでは、完全な「人材流出地域」だったわけで。滋賀県といえば、かつて日本代表主将DF井原正巳を輩出した守山をはじめ、守山北や野洲、そして草津東など全国に知られる強豪高校がありますものね。

協会などによると、選手は2月から、協会のホームページなどで公募する。応募資格は19歳以上の県出身者か、在住者で20−25人。2月と3月に選考会を開いて決める。監督、コーチらスタッフも県出身者か、在住者とする予定で、チーム名を公募することも検討している。

まずは地元で監督スタッフ、選手を集めるのは定石ですよね。現実的でもありますし、クラブ設立の主旨にも適いますし。チーム名も公募されるとか。滋賀県のイメージは、やはり日本最大の琵琶湖ですが、それにちなんだものになるでしょうか。

日本サッカー協会のスポーツ環境整備モデル事業の助成を受け、9月下旬に守山市服部町に完成予定の「野洲川歴史公園サッカー場」(仮称)をホームグラウンドとし、同事業の助成費のうち約600万円を当面の運営費に充てる。

スポーツ環境整備モデル事業は、02年W杯の収益を有効利用する一環でしたよね。その助成を受けて新しいサッカー場が作られることになっているわけですね。そのサッカー場については守山市民新聞1月16日付より。
http://www.moriyama-np.co.jp/mnp/1167_01.htm

●年内完成へ「キックオフ」
(仮称)野洲川歴史公園サッカー場は、昨年12月9日に土木工事入札が行われ、いよいよ整備着工がはじまった。整備事業費は約9億5千万円で、内訳は日本サッカー協会助成金約2億1千万円、県約3億2千万円、守山市約4億1千万円となっている。市の負担金のうち1億円については公募債を起債。また2月には建築、電気、設備工事等の入札が行われる予定。
整備されるサッカー場は夜間照明75ルクスの人工芝Aコート1面(観客席約500人)、夜間照明200ルクスの人工芝Bコート1面(観客席約1200人)、天然芝コート1面(観客席約500人)で、いずれも公式試合が可能な68m×105mの正規サイズ。クラブハウスはロッカールーム、シャワー4室、サロン事務所などを備えた500㎡。田園センター約300㎡との合併施工で計約800㎡となる。このほか公衆トイレ2棟、駐車場、園路が整備され、計5・5㌶の施設となる。このうちクラブハウスと人工芝Bコートは夏にも暫定使用が可能となり、年内には全面竣工の予定。
施設の維持管理費については年間約3〜4千万円が見込まれており、負担金について野洲市との協議をすすめている。

J規格のスタジアムではありませんがピッチの広さは問題ない、とても立派なものですよね。うらやましい。滋賀県の「目指せJチーム」は、ここを本拠とされるそうですから、まずここの観客席(500〜1200)を一杯にすることが目標でしょうか。元の記事に戻って。

発足したチームは、特別推薦枠を使い、企業や、クラブなど現在、12チームで争っている県社会人1部リーグに加わり、将来的には関西社会人リーグ、JFL、さらにはJリーグをめざす。

通常のチーム発足では、県リーグの一番下からスタートになりますが(滋賀県の場合は県4部)、今回は「協会の特別推薦」として県リーグ1部からですか。意気込みが伝わります。

協会の奥村弘理事長(52)は「道のりは遠いが、地元でサッカーをしたい人たちの受け皿になると思う。県民のみなさんにもぜひ、このチームを盛り上げてほしい」と話している。
県サッカー協会は昨年3月、野洲川歴史公園サッカー場が、日本サッカー協会のモデル事業に採択されたことから、守山市が進めるサッカー場建設を支援するとともに、クラブチーム結成の準備を進めていた。

また、この「目指せJ」クラブ設立の準備段階として、滋賀県サッカー協会自体がより社会的な信用をより得るべく、4月から社団法人となるそうです。滋賀県みんなで作る新聞社1月6日付より。
http://www.shiga-np.jp/news/050106/010606.htm

●県サッカー協会が4月に社団法人化 森津陽太郎副会長に聞く 地位上げ、競技力向上へ  補助や交渉、有利に
県サッカー協会が社団法人として生まれ変わる。来月20日に設立総会を開き評議員の承認を得たあと、県教委の認可を受けて4月1日から発足する予定だ。なぜ法人化が必要なのか。その意義や、協会の今後の方向性などを担当の森津陽太郎副会長に聞いた。
―なぜ法人化を進めたのか
「サッカーに関する公的な役割を果たす機関として、社会的な地位を上げたかった。一昨年から機運が高まり、準備を進めてきた。ようやくここまでたどりつき、ホッとしている」
―法人化のメリットは
日本サッカー協会が団体よりも社団法人を優先的に支援する方針を示しているため、補助制度を受けやすくなる。また、社会的に認められれば当然、行政機関や他団体ともさまざまな交渉が進めやすくなる。事業が増えるなどの急激な変化はないが、将来的には大きな意味を持つだろう」
―法人化によって加盟チームの負担は増えるのか
「登録制度は従来の形を踏襲するので、各チームの負担は増えない。運営費は年間で6000―7000万円前後。今後は法人なので経理を会計士に任せるなどして、より透明性を持たせたい」

日本サッカー協会も各都道府県のサッカー協会の社団法人化と会計などの透明化によって、地域社会での信用・信頼を高めることを推奨しているのですね。

―今後、力を注ぐ事業は
「キッズ年代やシニア世代への普及を進めたい。JFAから高い評価を受けているキッズプロジェクトは、継続して取り組む」
―県内にJリーグ所属のチームを持つ考えは
「もちろん、県内にプロチームはほしい。4月には、協会が運営し、Jリーグ入りを目指すクラブチーム(仮称・滋賀FC)を発足させる」
―最後に抱負を
「今年は守山市野洲川歴史公園サッカー場が建設されることもあり、県サッカー界にとって、とても大切な年になる。協会もここに事務所を移転する予定。施設と一体化した活動を展開し、サッカー振興に努めたい」

堂々と宣言されていますね。「協会が運営するJリーグ入りを目指すクラブチームを発足させる」と。そして最後のお答えの中で、野洲川歴史公園サッカー場滋賀県サッカー協会の事務所を移転の予定とか。この新施設から「滋賀から目指せJ」が始まることに。逆に、このサッカー場建設の原動力になるスポーツ環境整備モデル事業の助成を受けるためにも「目指せJ」のクラブ設立が必要だった、との記事もあります。同紙の昨年11月16日付より。
http://www.shiga-np.jp/news/041116/111608.htm

●J目指す「滋賀FC」創設 来年4月、県サッカー協会 守山拠点、地元選手中心に
県サッカー協会は、Jリーグ入りを目指して活動するクラブチームを来春にも発足させようと準備を進めている。守山市が来年度中に完成させる野洲川歴史公園サッカー場を拠点にする。現在は仮称・滋賀FCとして設立準備委員会を設け、構想を練っている。
Jを目指すチームの創設は、同サッカー場建設に向けて日本サッカー協会から受けた補助制度の必須条件だった。県内にはサッカー場が1つもなかったことから、専用施設の整備が悲願だった県サッカー協会は同市に全面協力。JFAに対し昨年、熱烈なプレゼンテーションを行った。その結果、約2億1400万円の補助が決まった。

まずは「滋賀県に本格的なサッカー場を」が第1歩で、JFAの助成を受けるためにも「目指せJ」が必要だったわけですね。そしてその活動予定もアピールポイントになったと。

この補助を受けられたのは6都県あるが、本県を除くと静岡県大分県など、いずれもJリーグチームがある地域ばかり。同協会は「私たちはキッズ年代(10歳以下)の育成に力を注いでいる。その活動が認められたと思う」といい「ユースやジュニア、キッズら下部組織もきっちりとつくり、強化にも努めたい」としている。

本格的なサッカー場建設とセットの「目指せJ」。こう聞くと「サッカー場欲しさの活動では、どこまで具体的かつ真剣なのか」と思われる向きもあると思いますが、ザスパ草津全国地域リーグ決勝大会出場を承認した「特例申請」と同様、審査も充分に厳しいものであったと考えられますし、たんなる書類数枚の「構想」程度の計画で助成を決めてくれるほどJFAは甘くない、と思えます。助成を受けられなかった地域もあるわけですから、逆に滋賀県サッカー協会は「目指せJ」を本気で取り組んでくれるものと考えられます。

サッカー場の総事業費は約9億5000万円。協会は少しでも市の負担が軽くなるようにと、6月には署名活動を行い、約6万5000人分を集めて国松善次知事に提出した。この熱意もあって、今年9月の県議会で議案が可決され、県から約3億2600万円の補助金が出ることも決まっている。

地域住民の署名活動も奏効し、知事や県議会、行政の支援を受けられたわけですね。この署名活動などからも、地域密着と地域のサポートにも大きく見込みがあることが分かります。
そして、さらなる動きも。同紙1月21日付より。http://www.shiga-np.jp/news/050121/012007.htm

●元Jリーガーが青少年スポーツ語る 29日夕、草津で講演会 井原、高木がパネリスト
サッカー元日本代表の井原正巳高木琢也の両氏をパネリストに迎えた講演会が29日午後5時から、草津市のクサツエストピアホテルで開かれる。伊庭市長と地元関係者もパネリストに名を連ね、「青少年とスポーツとのかかわり」と題して両氏と語り合う。

滋賀の生んだ日本代表主将、井原さんがキター! あ、クルー!か。

講演会は、4月に発足するジュニアユースクラブチーム「FC・Catfish・Kusatsu(キャットフィッシュ)」の設立記念イベント。スポンサーの大五産業専務で、クラブオーナーの権田五雄さんがコーディネーターを務める。
権田さんは「キャットフィッシュの設立を、地域に密着したプロサッカーチームを生む第一歩にしたい」と考えている。レベルの高いチーム作りを目指し、監督に元JFL選手の夘田貴之さん、コーチに元ガンバ大阪FWの西島健介さんを招いた。高木さんが設立アドバイザーを務めている。
講演会ではサッカーによる地域振興や教育、Jリーグ誘致などについても意見を交わす。定員200人で、入場料無料。

草津市市長もパネリストに名を連ねた、かなりオフィシャルな講演会のようですね。地域振興とJリーグ誘致なども語られるとか。また、今回発足するジュニアユースチームは「目指せJ」クラブとの連携などああるのでしょうか。とにかく続報が楽しみな滋賀県の動きです。