ザスパ草津、観客数減少。でもグッズ売上は好調。

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朝日新聞群馬県版4月14日付より。画像は今季登場のニューマフラータオル。かなり良いデザインで気に入ってます。
http://mytown.asahi.com/gunma/news01.asp?kiji=4349

ザスパ戦 観客の動員数右肩下がり
開幕戦が4千人台、次は3千人台、そして3回目が2千人台。まだわずか計3回のホームグラウンド戦だが、ザスパ草津の観客動員数が予想外に悪い。いろいろな要因があろうが、1万人を超してJFLの観客動員記録を塗り替えた昨季の動員力がうそのようだ。
3月5日、前橋市の県立敷島公園サッカー・ラグビー場であった開幕戦はモンテディオ山形と対戦した。ザスパ草津にとって晴れの舞台だったこの日、試合会場に足を運んだ観客は4423人だった。開幕戦ということを考えると、そう多い数字ではなかった。


仮設スタンドをバックスタンドに設け、おそらく現在の敷島サッカーラグビー場の収容人数は5000人。4423人でもこの日はほぼ満席、大入りと云えるでしょう。

2週間後の19日の第3節、2回目のホームグラウンド戦はコンサドーレ札幌と戦い、3572人が応援に駆けつけた。そして、初勝利にわいた今月2日の徳島ヴォルティス戦は、2561にまで落ち込んだ。サッカーファンの子どもたちは春休みだったにもかかわらず、この数字。担当記者から見ても、予想外の数字だった。

しかし、その後の2試合は約1000人づつ観客が減少。記事では様々要因を挙げています。

何が原因か。試合は今後も続く。早計に決めつけることは出来ないが、まずは駐車場問題が考えられる。県民にとって車は必需品。空白区域の多い公共の乗り物を避け、マイカーで来ようとしたのに、駐車場が満足にないために、結局は応援をあきらめたという人も多いと聞く。
もう一つは、開幕からの4連敗。勝負には時の運もあるが、昨季のJFL時代は連勝が多く、強いイメージがあっただけに、「弱いザスパを見たくない」というファン特有の心理が働いたこともあろうと思われる。
さらには話題性だ。昨季はチーム内の元Jリーガーが、草津温泉で働きながらJリーグに復帰するというサクセスストーリーが全国的に話題になった。これに対して、Jリーグ入りが現実のものとなった今季は、ファンの心を揺さぶり、ひとつにまとめる強い求心力が失われたことも要因の一つに挙げられよう。

2番と3番も考えられますけどね。繰り返しですが、1番目の要因「駐車場問題」が一番大きいでしょうね。記事にもある「空白区域の多い公共の乗り物」が物語っています。群馬では、まず駅が少ない。駅に行くのに自家用車が必要です。最寄駅に必ず駐車場があるとも限りませんが。そして駅から1時間に2〜3本しか運行されていない電車に乗って、1時間に1本あるかないかのバスを利用して敷島公園へ。シャトルバスが運行されているとはいえ、これで観客が集まるとは思えません。そして、今季メインスタで気になっているのが小さい子供さんを連れた親子客の減少です。JFL時代に比べるとかなり減っているように思います。親子それぞれの入場料が上がっているのも確かですが、公共交通機関の乗り継ぎが敬遠されているのでしょう。シャトルバスの中でもほとんど見かけません。自家用車での来場が出来ないかぎり、この層が来場してくれる可能性は少ないと思われます。

いま、ザスパ草津側の営業力が問われている。サッカークラブチームで相当数の動員力を維持するには、それなりの勝負強さが必要だが、と同時に常に観客を確保するために、年間チケットなどを一定量売りさばく必要がある。市場の開拓が必要で、ことはクラブチームの根幹にかかわる。
ザスパ草津を運営する草津温泉フットボールクラブのある幹部は「負け試合に来てくださいとは頼めない。戦力と営業力の対策を考えます」と話した。

確かにザスパ草津がボロ負けするのを楽しく観ているサポはどこにもいません。営業や戦力強化も必要ですが、駐車場問題を要因として記事で一番最初にとりあげておきながら、解決策で「ザスパの営業力」にしか言及しないのはフェアではないですね。記事として掘り下げが足らない、と云えると思います。
数少ない公園利用者のために確保された終日ガラガラの駐車場が公園のあちこちにあり、サッカー観戦者も公園利用者でありながら、四苦八苦しながら会場に集まっているのが現状です。おそらく徳島ヴォルティス戦の観客2500人の多くは「なにがあろうとスタジアムで応援する」と決めている、もっともコアなサポーター層でしょう。しかしザスパ草津が運営し、チームを強化していくには、もっと多くの観客が必要ですが、ザスパに興味を持ってくれたライト層をスタジアムから遠ざけ、排除しているのが現状なのです。このライト層が増えているのも確かなのですが。これは同日の記事で記されています。
http://mytown.asahi.com/gunma/news01.asp?kiji=4350

ザスパ関連ビジネス 経済効果右肩上がり
今季、J2で戦うザスパ草津。開幕以来1勝5敗と滑り出しは振るわないが、県内外の経済関係者は熱い視線を送っている。関連商品が売れ行き好調なほか、新商品を検討中の企業もある。7月までにはホームスタジアムとなる県立敷島公園陸上競技場前橋市)の改修を終え、観客席は1万席以上に拡大。関係者は「商売にも弾みをつけたい」と期待している。
2月初旬、県庁29階の会議室。ザスパが主催し、県が後援した新グッズ販売の説明会に、県内外から繊維や食品など31社の担当者が集まった。後日、県外の業者が「ザスパの浴衣をつくりたいので、桐生市や伊勢崎市の繊維業者を紹介してほしい」と県に問い合わせもきて、反応は上々。
ベイシア(伊勢崎市)は3月、Jリーグオフィシャルショップ「フラッグス タウン」を県内4店に開いた。初戦にあわせて販売を始めた複製品のユニホームは、ひと月で1千枚以上の売り上げ。今月5日にはロゴ入りタオルなどJリーグ公式ザスパグッズ12点も店頭に加わった。
伊勢崎市の店には大型テレビを置き、CS放送でザスパの全試合を放映。見終わったファンが次々にグッズを購入していく。J2昇格以前につくった同社オリジナルの時計やコップは、企業が「景品に」と数十個単位でまとめ買いすることもあるという。
「どうしても欲しいので代引きで送って」
初白星をあげた今月2日、店には福岡や兵庫のファンから、オリジナルグッズを求める電話が相次いだ。「県外にも熱狂的ファンがいる。購買層も幅広い。負けても売り上げは落ちません」と店長。

スタジアムの観客数減少とは裏腹に注目は集まっていますし、県内でサッカーファンでない方々でも「ザスパ草津」の認知度は高まっています。けっして人気急降下、というわけではないのですが。

●バス・ホテル業界も期待
県内のタクシー22社とバス4社は3月からホームでの試合日に、JR前橋、高崎駅などと会場とを定額料金で結ぶ運行を始めた。初戦の同5日の利用者は往復でタクシー714人、シャトルバス1545人。県バス協会は「まだ採算はとれない」とする一方、スタジアム改修による観客増を見越した「先行投資の意味もある」と話す。
「サポーターの宿泊も大歓迎」と話すのは、ビジネスホテルチェーンの東横イン(東京都大田区)。来年2月、県内で初めてJR前橋駅前(客室218)で、同7月にはJR高崎駅前(同546)で営業を始める。売りはシングル1泊6千円前後の「全国どこでも均一サービス」だ。

シャトルバスも規定路線で走らなければならないため、敷島公園のすぐ近くまで来ていながら、大きく迂回して余分に15〜20分走るのですよね。試合終了後の夕方の混雑ですと、敷島公園を出発して、30分かけて敷島公園の入り口交差点に戻ってくるバカバカしい事態が進行中です。山形、札幌にはボロ負けでしたし、帰りのバスはこんな調子。安くない交通費と入場料を払った結果がこれでは、次回はテレビ観戦でいいや、と思われても仕方ありませんね。そう考えると、徳島ヴォルティス戦に集まった2500人は相当、腹を括っているのか(笑)。

県は昨年8月、ザスパのJ2昇格による経済効果を124億円と発表。ザスパをてこに、泊まり食べ買い物をしてもらって地域経済を勢いづかせたい考えだ。「戦績が不調だと関連ビジネスも盛り上がりに欠ける」と担当者は躍進を願う。ザスパを運営する草津温泉フットボールクラブは「県民に愛される地域密着型のチームを目指して頑張っている。もう少し、長い目で見守っていて」と話している。

県の担当者の話は、時計を取り上げられてから「なぜ、今何時かも判らないのか」と云われているようで面白くありませんね。ザスパ戦の観客の多くは、泊まり・食べ・買い物をするための足である「自家用車」を取り上げられているわけですから。自分もJFL時代は観戦後に前橋市内で食事や買い物をしていましたが、今は「とにかく高崎に、自分のクルマに戻らないと」です。そこから前橋には戻りませんからね。ナイター開催が始まる夏は、夜間に公園利用者もいないでしょうから(昼間も少ないのだけれど)、駐車場対策を考えていただきたいところです。ザスパ草津というクラブの浮沈を握る問題ですよ。足りないのは人気じゃなくて駐車場、てのは悔しいですよ、やっぱり。