宮崎県サッカー協会で、使途不明金問題が浮上。

宮崎日日新聞社4月18日付より。注目部分をピックアップ。
http://www.the-miyanichi.co.jp/news/index.php3?PT=1&DT=20050418

●県サッカー協会、不明朗繰越金776万円
県サッカー協会の会計処理で、少なくとも一九九六年度から不適切な操作が繰り返された結果、収支決算上つじつまの合わない繰越金の総額が約七百七十六万円に上ることが協会の二〇〇二、〇三年度決算の内部監査で十七日までに分かった。
監査報告書は、領収書や支出調書決裁印の不在、預金通帳を出納帳代わりにするなどずさんな処理を指摘。四千万円規模の二カ年度分の決算が承認されないままになっている。決算をめぐる代議員総会は三月以降紛糾し、野地康雄会長をはじめとする〇四年度の執行部は混乱を収拾するため、同月末に総退陣した。

こういうの、本当に困るんですよね。

ずさんな会計処理を指摘する監査報告書は一月にまとめられた。添付された一九九六年度から二〇〇三年度の決算資料を見ると、九七、九八、〇三年度で、前年度決算に記載された「次年度繰越金」と同額であるべき「前年度繰越金」の額がそれぞれ大幅に減っており、減額分の合計は約七百七十六万円にも上る。

繰越金が年度をまたぐと減っていて、合計約800万円の使途も不明。責任者でてこい、となりますね。

また関係者によると、これらの会計処理によって生じた使途不明金が約四百万円に上ると前執行部は把握しているというが、不適切な会計処理の意図や組織的・個人的流用の有無などについて、会員に対して現在までに明確な説明はない。
協会の収入の柱は、協会員が支払う登録料と日本サッカー協会からの還付金、年間約百六十―三百六十万円に上る県の補助金。総退陣した前執行部には、副会長に橋田和実西都市長や前田穰綾町長が名を連ねていた。
野地前会長は「会計は担当者に任せきりで、ずさんな処理が行われていたとは気付かなかった。監査で指摘されたような会計処理があったことは、サッカーを愛する選手や子供たちにも申し訳ない」と話している。

無責任なコメントをする責任者と、彼らの関知しないところで宮崎県の税金と日本サッカー協会からの還付金が使われていた模様。困ったものですね。それにしても日本サッカー協会も、随分と長い間気づかないものだなあ、と思っていたら次の記事で言及が。

●額違い決裁なし 県サッカー協会会計
長年にわたるずさんな会計処理が十七日に発覚した県サッカー協会。宙に浮いたままとなっている二〇〇二年度、〇三年度決算の監査報告書には「すべての支出で会計支出調書(支出伺い)に起票印もなく、数字は鉛筆書き、決裁印がまったくない」など、厳しい指摘が並ぶ。「真実を明らかにして再出発すべきだ」という批判の声も協会内部から上がっており、今後、協会幹部の姿勢が問われることになる。
監査報告書が示した指摘・疑問点は二十項目。〇三年度決算分では、(1)日本サッカー協会登録料の決算上の額が、実際の振込額より百七十五万九千十五円も多い(2)支払われているはずのチケット代や大会準備資金に関して、銀行振込書や受取書がない―など、多岐にわたる。
また、一九九七年度の決算書の中で「繰越金六百二十六万二千五百九十八円のうち二百万円を特別会計へ繰り入れ」と表記されている「二百万円」の存在が、その後の決算書にまったく登場しないことにも疑問を呈している。
問題となっている一九九六年度以降の会計は、一人の協会役員が担当していたという。これまで監査の際に発覚しなかった理由について、「決算書と、決算の差引残高と同額が記載された貯金通帳の二つを監査報告提出のぎりぎりになって見せ、結論を急がせたから」と証言する関係者もいる。

そんな会計担当の役員に関して、前協会長は。

野地前会長は「領収書や支出の決裁印がないなど、いい加減な会計だったことは事実。当時の会計担当者にも話をきいたが、ずさんな会計処理は認めているが、個人的な流用については否定していた」と語っている。

そして同紙19日付では、県行政も動き出したことを伝える続報が。
http://www.the-miyanichi.co.jp/news/index.php3?PT=1#2005041911

●1000万円分領収書なし 県サッカー協会不明朗会計問題
元会計担当者は二〇〇三年度までの二十数年、支出入を管理していたが、存在しない領収書や支出決裁印、帳簿について執行部も「個人任せだった」としており、結果的に過去の監査で指摘されることはなかった。
総務委員会費の約一千万円は事務局運営費や会議費、旅費などで、ほとんど領収書が存在しなかった。同協会は監査による指摘を受け、元会計担当者に事情聴取。幹部は「一部はメモや相手先への金額で明らかになった。計算ミスで個人的な使い込みだとは思っていない」としている。

領収書などが存在しないうえに、その金額が千万円単位。取引先の帳簿などはあるでしょうから、徹底的な調査が必要と思われます。計算ミス、で済む話かどうか。

県サッカー協会には年間百六十―三百六十万円に上る補助金が県から支払われていた。県スポーツ振興課は「国体合宿など競技力向上費として使用され、使途は明確」と説明。
十八日午後、県体育協会職員が同課を訪れ「県サッカー協会をはじめ補助金を受けている県体協加盟四十団体の報告書類は年度ごとにすべて提出されている」と説明。
上部団体の日本サッカー協会の手嶋秀人広報部長は「正確な事実確認の報告を提出してほしい。今後、経理指導など毅然(きぜん)とした対応をしたい」と厳しい口調で話していた。

日本サッカー協会からのコメントどおり、経理指導などをキッチリ行なっていただきたいですね。全国の都道府県サッカー協会は現在、社団法人や財団法人として体制を移行中で、透明度を高め、社会的信用をあげるべく活動を続けています。宮崎県のような会計が長年放置され、ようやく発覚したという現実は、サッカー協会全体の信用と信頼を損ねる事件となりそうです。また全国の「目指せJ」や地域のサッカー振興には、地域のサッカー協会と地元経済界の協力が必要ですが、あまり事件が大きく発展するのようなことになると、全国の活動に支障をきたすかもしれません。まったく困ったものです。
嫌味とか冗談ではなく、世間に広く知れ渡る前に、現在も推進している「運営の透明化」をキャプテンズ・ミッションに入れてしまってもよいのではないか、と思いますよ。