元ニューオリンズ・セインツのラインバッカー、サム・ミルズが45歳で死去。

ニッカン4月20日付より。
http://www.nikkansports.com/ns/sports/nfl/p-sp-tp6-050420-0014.html

●パンサーズのミルズLBコーチが死去
パンサーズのサム・ミルズLBコーチが、小腸がんのため死去した。45歳の若さだった。ミルズ氏は175センチの小柄ながら、90年代のパンサーズ創成期にLBとして活躍。引退後に指導者に転身し、03年にがんが発覚した。しかし、その後も治療を受けながらサイドラインに立ち続け、04年のスーパーボウル進出に貢献した。

ご冥福をお祈りいたします。
記事の補足をしますと、プロデビューはNFLの対抗リーグとして短期間で消滅してしまったUSFL。その後一時期はプロを離れて写真科の教師などをしてましたが、USFL当時から彼を買っていてくれたジム・モーラHCの誘いもあったそうで、NFLニューオリンズ・セインツに入団。モーラの指揮で、長年ドアマットだったセインツは、堅守堅攻のチームに成長しNFC西地区を制覇。ミルズはセインツ黄金時代の象徴的な存在である最強ラインバッカーカルテット「ドームパトロール」のリーダーとして活躍しました。
「体重と同じだけの純金の価値がある」と謳われたアウトサイドのスピードスター、パット・スウィリング。後にサンフランシスコでも勇名を馳せたパスラッシャー、リッキー・ジャクソン。中央をシャットアウトしたランストッパーのヴォーン・ジョンソン。そして彼らを束ねDF陣全体に重きを為した「モーターマウス」サム・ミルズ。小柄な彼の不屈の闘志と運動量でつけられた二つ名でした。彼らは選手互選のオールスターゲームであるプロボウルに4名とも先発として選ばれる快挙もなしとげています。同一チームのユニットがポジションを埋めてしまった例はおそらく他にはありません。
今でも忘れられないのはミルズの全力プレーといえば、セインツVSライオンズで実現した「デトロイトのライオンキング」RBバリー・サンダースとドームパトロールの直接対決。スーパーアスリートが集うNFLの舞台であっても、そこにスーパーサイヤ人が5人いるようなプレーぶりでしたよ。
その後、新興球団キャロライナ・パンサーズに移籍して、ここでも活躍。引退後はコーチとしてキャロライナの昨季のスーパーボウル初出場に貢献していました。現役時代からチームキャプテン、出場機会が減った現役最晩年でもチームをまとめる「ロッカールーム・リーダー」としてチームメイトにプレーアドバイスとメンタルケアに務めていたミルズには、現役の頃から「将来はコーチに」の声が周囲から多かったそうです。イイ奴ほど寿命が短いのかなあ、本当に。(涙)
●参考リンク ニューオリンズ・セインツ公式 サム・ミルズ特集
http://www.neworleanssaints.com/custompage.cfm?pageid=233