J2第14節、コンサドーレ札幌戦1−3の敗戦でまたもや連敗。

SH772005-05-29

土曜日は仕事、J-SPORTSで録画放送ナシとあって、この試合は観られないのですよ。観られないのが幸いかもしらんが。結果はJ's GOALより。
http://www.jsgoal.jp/result/20050200030120050528_detail.html

●J2第14節 5月28日(13:05/札幌厚別/7,693人)
コンサドーレ札幌 3−1 ザスパ草津
得点 21分:相川進也(札幌)40分:相川進也(札幌)60分:砂川誠(札幌)89分:山口貴之草津

第1クールが1−4の敗戦、第2クールは1−3。少しは前進しているようで、このまま行けば第3クールは1−2、第4クールには1−1、第5クールでついに1−0、とシーズン終盤には勝ち点がとれそうです。ただ問題は第5クールがないことですが。
メンバー表を見ると、MF山口貴之が負傷から復帰、サテライト戦で活躍したMF氏家英行の先発復帰、DF齋藤竜も負傷明けでベンチ入りと朗報もありますね。ただ肝心の試合はあちらこちらの情報を読むと、終盤に1点返したとはいえかなりアレな内容だったようで。たしかにデータを見てもシュート本数も札幌の13に対して5、CKは同じく6に対して1。反面ゴールキックは22回も蹴っていますから、いかに攻められずに守っていたかが窺えますね。流れを追っているレポートと両監督・選手コメントはJ's GOALより。草津のついての部分を中心に。
http://www.jsgoal.jp/club/2005-05/00019824.html
http://www.jsgoal.jp/club/2005-05/00019786.html
http://www.jsgoal.jp/club/2005-05/00019788.html
http://www.jsgoal.jp/club/2005-05/00019791.html

●J2第14節 札幌 vs 草津 レポート
草津は山口が5試合ぶりに先発復帰。中盤の底では小久保に代わり氏家がスタメンに登場という変動ぶりで始まった。
立ち上がりはどちらのリズムともつかずという感じ。草津はトップ下の山口が序盤からあちこち顔を出して、ボールタッチを増やしてリズムを紡ごうとする。札幌はそうした山口の動きを鈴木がつかみ切れず、かといって草津もビッグチャンスという局面まで押し込むわけでもなく、静かに時が進む。

このレポート全般で両SHの動きについてはっきりとした記述がないのですが、かなり札幌の攻撃陣に押し込まれていたようで。そうなると山口さんのボールキープや変則ポジションチェンジがあっても前線の3人だけで攻撃が通じるわけもなく。やはりサイドからの攻撃も絡めないといけないのですが、守備に重きをおきながらもどのタイミングでSHが攻めあがり、そのスペースを中盤の底のどちらがケアするか、など考えて練習しなければならないことが多そうですね。

前半21分、札幌がゴールをもって試合の沈黙を破った。鈴木が左サイドの和波にパス。左隅の深いところで和波はDFを独力で抜き去り、クロスをあげる。一人破られたことで草津の守備陣はグラつき、中央ややファー寄りに待ち構える相川をつかめなかった。フリーの相川はヘッドで枠内に打ち込み、まず1対0。

3バックにしたから大量失点とはおさらば、とはいかないのは判っていましたが、やはり第1クールと同様にサイドを抉られ抜かれて失点に繋がっています。またこういう時には必ずファーが空くんですよね。昨季の天皇杯セレッソ大阪戦でも似たような失点をしています。
第1クールの反省から、一人は抜かれることを前提としてチャレンジ&カバーを考えるなり、ファーサイドへの対応なりを講じる必要があるでしょうね。局面は様々で相手人数も色々ですから、必ずうまくいく方法などありませんが、同じ形での失点が多すぎますよね。
前節の京都戦でもサイドチェンジで大きくふられてマークがズレたところで失点。FWアレモンを誉めるべき、なゴールでしたが京都のツートップだけならなんとかマークできていたわけですから、サイドから突破を許したとき、クロスを上げられたときの対応は今後もしっかりやっていただきたいところです。

点が入ってから札幌はいいリズムをつかんだ。相川は点を取ってから動きが格段に意欲的になり、砂川が鈴木以上の守備範囲であちこち駆け回り、攻撃でもパスを受けてドリブルへと動き続ける。和波、上里、中山、徐らの攻撃陣も、草津のサイド、DF選手にどんどん打ち勝っていく。
そして前半40分、鈴木からの浮き球が草津のGK小島とDF陣の中間といういやらしいところに落ち、相川が突っ込み胸トラップでマイボールに。小島をかわして追加点を打ち込み、2対0で前半を終えた。
柳下正明監督(札幌)
「どちらかというと草津がイージーミス多く、助けられた部分が結構あったと思います。最初の入り方は前節よりは良かったが、まだまだスペースへ出ていく量と、受け手と出し手のタイミングがあってない。もう少しサイドのスペースへ出ていく回数を増やさねばいけない」
Q:2得点の相川について。
「相川はトレーニングの時からゴールに向かう姿勢、シュートへの意欲を見せていると。それが結果につながったんで。ただ、まだ起点となるボールキープ、あるいはパス、2列目に落とす、このへんのミスがあるので、今日のプレイで満足してもらっては困る」
手塚聡監督(草津
「ここ数試合の札幌の試合を見ると、非常に切り替えが早く、シンプルに選手が迷わずプレイしている印象を受けてました。そういう、連勝して勢いがあるチームと対するということで、切り替えやセカンドボールをどう奪うのかが勝負の分け目と思っていた。前半、そういう面では全て札幌の選手の方が反応が1歩早い。セカンドボールを奪われることも多かった」

前橋育英卒のアイカーことFW相川進也は前節も豪快なボレーを決めたりしていますから、結構なことで。しかしなにも先輩も多い草津から点をとらんでも。
相川の得点から前半終了までは、草津は攻撃の組み立てもままならず、散々に押し込まれたようで。3バックに両SH、バイタルエリアはダブルボランチと人数かけて守っていますから、全体的な早い攻めあがりは難しいのですが、どこでボールを奪い攻撃に転じるかをチームとして考えておかないと、ただ籠もって弾き返すだけでは失点は必至ですからね。そして1対1の局面での負け続けが多いと、サッカーになりません。個々の努力が必要なのはもちろんのこと、繰り返しですが、抜かれることを前提にカバーを考えて、ボールにチャレンジする選手は選択肢を狭めてアタックしたほうがいいかもしれません。全ての前提に気持ちと気迫が必須ですが。

山口貴之選手(草津
「粘って0対0や0対1だったら、試合の運び方はまた違ったと思う。簡単に点を取られすぎる。前半に2点取られる相手ではないと思う。簡単に一対一の局面で負けていたらサッカーにならない。選手個人が一対一で勝てないと結果はついてこない。前半、自分がガツンと根こそぎやられたけど、ウチのDFはクリーン過ぎると思う。やるかやられるかなんだから」

やべっちFCのインタビューで日本代表の中田英寿が「最初のトラップから差がある、みたいな決定的な差がない限り気持ちでカバーできる」との主旨のコメントをしていました。おそらく山口さんも似たような思いがあるのでしょうね。さて後半。

後半、2点を追いかける草津・手塚監督は「サイドを起点にして動き出しをする」(ハーフタイムコメントより)と攻撃の狙いをハッキリさせるため、中盤の底での氏家から小久保への交代とあわせて、山崎に代えて右サイドに酒井を投入。サイドからゴール前中央まで一気に狙っていく酒井の突破をもって流れをつかもうとしたが、それでも札幌3バック陣の引き締めはハーフタイム明けも変わらず。曽田や池内が1対1の局面で草津ボールを絡み取っていく。
そして、札幌がダメ押し。後半も存分に動き回る砂川が酒井に倒されPKをゲット。それを砂川が自らゴール左側に蹴り込み、とどめの3点目。後半の15分といういい時間帯で、草津の「まず1点差に詰める」という気勢を削いだ。
手塚聡監督(草津
Q:札幌の砂川、和波に振りまわされた感があったが、この試合での守備の対策は?
「システム上マッチアップする形になってますから、そこを基本的にアウトサイドはアウトサイドに、3バックは2トップを守る。ボランチは飛び出してくる選手、特に上里が非常に伸びてきているなという印象を受ける選手なので、そこを注意するようにと、ビデオを編集して選手に見せていました」
鳥居塚伸人選手(草津
「(マッチアップした札幌の中盤について)上里が長い距離を走って、そのスペースを他の選手がカバーしていた。ああして長い距離を走られると、ウチはベテランが多いのでつらい。
どこを起点にして攻めるかはっきりしなかったので、後半はサイドを起点にしようとしたが、選手を入れ替えた(右サイドを山崎から酒井へ)だけで、あまり起点とすることができなかった」

攻撃の狙いを明確してサイドを起点にするとはいえ、どうにもならなかったようで。SHも1対1を警戒して下がり気味でしょうし、どうしてもチーム全体の攻守の切り替えが遅くなるのですよね。まあ、これはパスミスや個々が簡単にボールを奪われている試合では毎度のことで、そのケアを念頭に守備しなければなりませんから、イキオイよく全体が攻撃に移れない。1対1の局面の勝敗が全体に影響を及ぼすわけで、これは近日中にどうこう出来る課題でないだけに深刻ですね。

時計が後半45分を指してから、札幌・鈴木を崩した山口がようやくGK前に踏み込み1得点を挙げたものの、時すでに遅し。山口はその後ハンドで2枚目のイエローカードを受け退場という不要な土産をもらい、札幌の勝利で終了した。
草津はこの試合も含めて4試合連続して前半に失点している。陣形を変えるなどで守備意識は高まっているが、まず前半はゼロに守りきるという結果を経て、自信を確たるものにしたいところ。そして攻撃面では鳥居塚のパス、山口のボールキープ、FW吉本の鋭さなどの武器はあるが、決定機にまでは到達しきれない。もう一歩前へ踏み込む強さが欲しい。

相変わらず課題が山積みですね。前節の京都は強力ツートップがいるとはいえ積極的に攻めこんでこないために、ある程度落ち着いて守備が出来ましたが、札幌にように積極的に仕掛けられてサイドから崩されると打つ手ナシで失点の繰り返し。
長い目で見れば今季全部が勉強のシーズンで、未だこれといったチームとしての財産がないザスパ草津の「自分達のサッカー」を作る年だと思っています。しかしこれを試合レベルに落とし込んで考えると、前半での大量失点はどうしても攻勢に出ざるを得ない、相手ペースの試合になってしまっており、自分達の勝ちパターンの状況も見えず「自分達のサッカー」として意図する形も実戦で試せないままです。開幕の頃のオタオタぶりから比べればマシになってきたのですが、実戦で勉強するにしても、もう少し相手と90分間で競るサッカーをしないと、ろくな収穫もないままに1試合を終えてしまってますよね。
勝利にたどり着く明確な解答がないまま試合試合に臨むイレブンも大変だと思いますが、湘南戦や横浜FC戦のように粘り強く守備をしてもらって、ダメな試合とマシな試合を繰り返しながら、少しづつでも収穫を得て前進するしかないですね。戦う姿勢を忘れずに、チームとしてこなれてくれば、もう少しマシな戦いは出来ると思っているのですが。
そして開幕から連続フル出場の鳥居塚キャプテンの疲労がいよいよ心配ですが、中盤の頼れる司令塔の山口さんが帰ってきて、復帰1試合目でJ2ザスパでの初ゴールを挙げましたが、イエロー2枚で退場とまたもや先発メンバー変更で試合に臨むことに。キャプテンも休めそうにありません。ウマくいきませんねえ。

鳥居塚伸人選手(草津
「ミスを修正するのか、ミスしてもがんばって取り返すのか。明日も練習ですから、とにかくがんばっていきたいです。厚別は見慣れた景色。久しぶりでしたね」

コンサドーレ札幌所属だった鳥居塚キャプテンの厚別でのプレーについては、朝日新聞5月29日付にとり上げられています。
http://mytown.asahi.com/gunma/news01.asp?c=22&kiji=79

●主将MF鳥居塚 古巣相手に闘志
北の大地に、再びこの男が立った。背番号6、主将のMF鳥居塚。コンサドーレ札幌を解雇され、一時は現役生活もあきらめていた。Jリーグ復帰を胸に闘争心を燃やし続けてきた男は、古巣を相手にこの日もピッチを走り続けた。
コンサドーレにはJFL時代の97年と、Jリーグに昇格した98年の2年間在籍していた。1年目は18試合に出て、2得点を挙げた。このうちの1点は開幕戦に挙げたもので、コンサドーレにとっても初得点だった。JFLで優勝しJリーグに昇格したが、Jリーグ時代は10試合出ただけで、解雇された。
この日の試合では、2本のシュートを放った(記録は1本)。得点こそ出来なかったが、試合終了間際の後半44分にMF山口にパスを供給し、意地の1点を奪うシーンを演出した。コンサドーレのサポーター席からも試合後、「がんばれ」と声援が飛んだ。
「2本のシュートのうち1本決めていれば、試合展開はどうなっているか分からなかった」
ゴールを狙う闘争心。32歳のベテランは、チームを引っ張っていく。過去の思い出に浸ってなどいられない。

厚別は97年にコンサドーレ札幌が大分を破ってJFLからJ昇格を決めたスタジアムだそうで。そのときは鳥居塚キャプテンも自分が05年にJ昇格した故郷のチームのキャプテンとして厚別に戻ってくることになるとは夢にも思わなかったでしょうね。
ザスパ草津は苦しいシーズンを送っていますが、かといって戦う気持ちを忘れてしまえばチーム力の向上も改善も見込めません。小島、小川、山口らベテランと共に、これからも頑張ってもらいたいです。