J2第15節、徳島ヴォルティスは念願の今季ホーム初勝利。

SH772005-06-05

徳島新聞6月4日付より。
http://www.topics.or.jp/t-jleague/2005/0604-2.html

●大場先制、冨士が追加点 徳島ホーム初勝利  
鳴門陸上競技場(観客4589)で、ホーム8試合目にして地元初勝利を飾った徳島ヴォルティス。10位の横浜Cに2−0で勝ち、12試合ぶりの白星も挙げた。通算成績は3勝7分け5敗の勝ち点16で、順位を8位に上げた。
評:サイドから積極的な攻撃をみせた徳島が2−0で勝利した。前半8分、右サイドの筒井からのセンタリングを大場が頭で決めて先制。13分とロスタイムに相手選手が2度の警告から退場となり、数的優位に立った。
後半も速いパス回しで波状攻撃を仕掛けたが、ゴール前の詰めを欠いて追加点が奪えない。44分、相手GKのクリアボールを冨士が左足で押し込み、ようやく突き放した。守備陣はGK高橋を中心に粘り強さをみせ、開幕戦以来14試合ぶりに完封した。

徳島ヴォルティスの監督スタッフと選手、サポーターのみなさんオメデトウございます。J初勝利は開幕戦で達成していますが、ホームゲームの初勝利はまた別の感慨がありますからね。まあ、ザスパ草津はホームゲーム初勝利を徳島ヴォルティスから挙げさせてもらっているわけですが。それから1試合も勝てないのはどうにかならんか。

●戦う気持ち前面に 14試合ぶり完封劇
試合終了を告げる長い笛が、苦しかった激闘を甘い歓喜の瞬間に変えた。開幕から91日目、ホーム8試合目で手にした待望の地元初勝利。「ここまで長かった。前に向いて攻め続けた選手をたたえたい」。田中監督は勝利の重みをかみしめるように話した。
先制ゴールでチームに流れを呼び込んだのは大場だった。前半8分、得意のサイド攻撃からの右センタリングを頭で合わせ、今季2点目をゲット。「相手DFより高い位置で球に触ろうと、早めにジャンプした」と会心の笑み。
守りでも体を張って横浜Cの元日本代表FW城の突破を止めた。小峯は「3人のDFが連係し、競った後の球をカバーし合えた」と、前節5失点の原因を修正できたことを喜んだ。
「1対1の局面で負けない」という課題を全員が胸に刻んで臨んだ今節。前線から厳しく相手を追い、競り勝った。秋葉は「粘り強いプレーが相手に焦りを生み、退場者が出た。戦う気持ちに満ちていた」。
引き分けと敗戦を繰り返し、沈滞ムードが漂っていた徳島だが、これで吹っ切りたいところ。谷池主将は「今後の戦いも甘くないのは分かっている。それでも勝ち続けるために気持ちを前面に押し出して戦う」。前を見据えた横顔に取り戻した自信がうかがえた。

ヴォルティス・右の翼」大場啓が先制点。記念すべきJ初勝利、開幕戦でトドメの3点目を決めたのも大場でしたね。素晴らしい。DF陣も前節の5失点から一躍零封の健闘。ただ記事では、課題も指摘しています。

●決定力不足は否めず
横浜Cが前半に2人の退場者を出し、徳島は後半、圧倒的優位で戦った。しかし、2点目を奪ったのは試合終了間際の44分。羽地、小山、途中出場した小林の攻撃陣が「もっときっちり決めなければいけない」と口をそろえたように、決定力不足は否めなかった。
徳島の前節までのパス成功率は75・5%。首位を独走する京都をもしのぎ、12チーム中トップの数字だ。「つなぎ」が生命線であることに変わりはなく、この日は数的優位も手伝っていい形を作り続けた。そして今季最多となる18本のシュートを放ったが、なかなか追加点が奪えなかった。

昨季のJFL得点王FW林に続き、昨季2位で03年のJFL得点王でもある大島も負傷欠場中と苦しい徳島。「左の翼」片岡もようやく戦列復帰を果たしたばかりですし、精度ある攻撃を組み立てるのはJリーガーの補強があるとはいえ、簡単ではないでしょう。加えて前半開始から13分でFWジェフェルソン、44分にDF重田を失いながらも後半ロスタイムまで守備を固めて接戦に持ち込んだ、9人で戦う横浜FCの粘りも評価すべきだと思いますね。
それにしても徳島のパス成功率の高さは、さすが田中真二監督の目指す早いパス回しを基調とするサッカーの面目躍如のデータですね。しかもこれはJFLのデータではなく、J2相手での数字ですから。チームに戦い方の背骨が出来ているとパスも通るのではないでしょか。選手の意思疎通を助け、攻守の組み立ての基盤となるのが戦術ですからね。草津も早くそういう戦術が浸透すると良いのですが。