JFL栃木SC、7月1日にJリーグ加盟検討委員会設立。栃木県知事も支援姿勢を表明。

SH772005-06-30

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下野新聞6月28日付より。
http://www.shimotsuke.co.jp/hensyu/news/050628/news_5.html

栃木SC、J2参入へ本格始動 知事も支援に積極姿勢
JFLで前期を首位で折り返した栃木SCが、Jリーグ参入に向け本格的に動きだすことが27日、分かった。来月早々にはプロジェクトチームが発足。山野井暉代表は「難しい課題も多いが、2007年の昇格を目指したい」と話している。
一方、実現には行政のバックアップも必要となるが、福田富一知事は県民合意を前提にしながらも、「どういう支援ができるか、県庁内で研究会の立ち上げを検討する必要があるだろう」と積極的な姿勢を示した。
栃木SCは今年三月、山野井代表がJ2参入の方針を打ち出していたが、具体的なプランはなかった。このため参入に向け課題の検討や、計画を立案する組織の立ち上げが急がれていた。
プロジェクトチームは、栃木SCや県サッカー協会、経済界、スポンサー、サポーターなどの県内関係者で組織。チームの体裁やホームグラウンドの規模、資金計画、プロ契約などの参入資格について研究する。

栃木SCJFL前期を10勝3分2敗、勝ち点33でHonda FCと並びながら得失点差で首位に立ちました。またこの成績で第85回天皇杯JFLシード出場権も獲得しています。
今年3月の後援会総会で「Jリーグ加盟に向けた検討委員会」構想を発表し、開幕前のJFL全チーム会合の場で愛媛FCFCホリコシと同様に「Jリーグ加盟の意志あり」と手を挙げていましたが、いよいよ具体的な活動が始まるようですね。

手続き上、参入は最速でも07年シーズンになる。当面は組織の法人化が緊急課題になるが、山野井代表は「前期の好成績で現実味が強くなってきた。今のモチベーションを維持し、一日も早い実現を目指したい」としている。

J加盟申請の締め切りは9月末ですが、運営法人やJ規格シタジアムなどの諸条件、県サッカー協会や行政との打ち合わせなど、短期間では対処しきれない課題が多いので、さ来年を目指しての活動となるようです。

栃木SCのフロント側の動きに対し、福田知事は「前期一位を県民とともに喜びたい。後期が楽しみ」と述べるとともに、「チャンスが巡ってきた。本県にもJリーグチームはあるべき」とJ2参入の動きを歓迎した。
県が支援を検討する前提に挙げたのが、県民合意。「地元自治体、企業、サポーターの協力体制、さらには県民が一つになっての盛り上がりが必要」との見方を示し、「経済支援を含め、そうしたものを見ながら判断したい」との考えを明らかにした。

知事もコメントも好意的かつ積極的です。加えてV・ファーレン長崎などど同様に「隣接各県などにJリーグクラブがあって、ウチにないのはおかしい/あるべき」という認識の広まりを感じますね。鹿島や大分、そして新潟など、地域密着で成功してきた各Jクラブの活動の成果でもあると思われます。
群馬県ザスパ草津も同様でしたが、県民合意を分りやすくアピールするのは、なんといっても観客動員ですよね。JFL公式(http://www.jfl-info.net/)の記録を参照すると、今季栃木SCは8試合のホームゲームを行い、平均で約1200人を動員しています。JFL全体でも愛媛FCに次ぐ2位の動員力。今のチーム力とJリーグ加盟の機運をうまく利用して動員アップにつなげてもらいたいですね。
そして下野新聞では「プロジェクトチーム発足は来月早々」とのことでしたが、読売新聞栃木県版7月1日付の栃木県知事インタビューでは、もう少し詳しく。

栃木SC「ホームタウンは県全体が望ましい」 福田知事、J昇格めぐり見解
JFL栃木SCが前期を首位で折り返し、Jリーグ昇格の機運が高まっていることについて、福田知事は30日、読売新聞の取材に対し、「県全体をホームタウンにすることが望ましい」という考えを示した。
栃木SCはきょう1日、Jリーグ昇格を考える検討委員会を発足させて具体的な協議に入る予定で、ホームタウン選定やチームの法人化などの問題が話し合われる見通しだ。

検討委員会の発足は7月1日だそうで。ホームタウン選定も協議だそうですが、Jリーグ規約と知事見解を詳しく報じられています。

Jリーグ規約によると、Jリーグに加入するクラブは、原則として特定の市町村をホームタウンとして定めなければならず、理事会の承認を得れば、複数の市町村や都道府県をホームタウンにすることもできる。
これについて、福田知事は、「まだ(クラブから)正式に話が来ていないが」と前置きしたうえで、「(県全体がホームタウンになれば)県民の支持を得やすいし、底辺拡大にもつながる。そういう選択も歓迎だ」と述べた。
栃木SCは現在、宇都宮市を中心に活動。ホームゲームの大半を同市内で行い、一部を足利市栃木市で行っている。

知事見解もあわせて、栃木SCのホームタウンは「宇都宮市を中心とした栃木県全域」と落ち着きそうですね。*1
ザスパ草津は、短期間でのJリーグ加盟を目指した一種のプロジェクトでもあり、準備が満足でない部分も承知で突っ走る必要がありました。しかし栃木SCはJリーグのために生み出されたクラブではなく、段階的発展の途上で、Jリーグ加盟が1つの選択として挙がった市民クラブです。機運を活かした準備とあわせて、今持っている良さと伝統を失くすことなくプロ化を進めていただきたいと思います。

*1:栃木県人口は約200万人、宇都宮市人口は約45万人。