J2第20節、徳島ヴォルティスはアビスパ福岡に完敗。GK高橋範夫選手が負傷退場に。

スカパー184chにて。ザスパ草津を圧倒したのと同じメンバーの徳島ヴォルティスが、翌週にアビスパ福岡相手に完敗しましたよ。その福岡と草津は水曜日に対戦。どうしたもんでしょうかねえ。しかも失点シーンが福岡−草津戦を思い起こさせるようなドリブラーに突破されてからのもの。ウチのホームスタお披露目、イベントあれこれの初ナイターの相手としてはかなり困り者ですよ。詳しくはJ's GOALレポートより。福岡担当の中倉一志さんのレポートは勉強になりますです。草津と関係ない試合でもかかさず読んでますよ。http://www.jsgoal.jp/club/2005-07/00021265.html
http://www.jsgoal.jp/result/20050200030520050709_detail.html

●J2第20節 福岡 vs 徳島 レポート:混戦を抜け出すきっかけに出来るか? 福岡が徳島を一蹴
アビスパ福岡 3−1 徳島ヴォルティス(19:04/博多球/6,620人)
得点 3分:松下裕樹(福岡)18分:片岡功二(徳島)24分:有光亮太(福岡)26分:宮崎光平(福岡)
口火を切ったのは松下裕樹だ。開始直後の3分、アレックスからのパスを受けて右足を一閃。約25メートルの地点から放ったミドルシュートが鮮やかな軌道を描いてゴールネットを揺らす。18分にはセットプレーから同点に追いつかれたものの、福岡の攻撃的な姿勢は崩れない。24分には勝負を仕掛けた有光亮太がGKと交錯しながらゴールに流し込んで再びリードを奪うと、その2分後には、中村北斗の力強い突破から、最後は宮崎光平がヘディングシュートを叩き込んだ。内容もスコアも圧倒した前半。この時点で大勢は決した。

徳島も「左の翼」片岡功二のFKで一度は同点に追いついたのですが、前半のほとんどの時間で主導権をとられたまま3失点。後半は無得点で乗り切りましたが、この点差では90分間ゲームとしては立て直しが出来ませんでしたね。片岡選手の得点については徳島新聞7月10日付より。3点分くらいの価値ある素晴らしいFKだったですよ。
http://www.topics.or.jp/t-jleague/2005/0710.html

●片岡、FKでの得点に手応え
前半18分の徳島の1点は、ペナルティーエリアのすぐ外側、ゴールほぼ正面でのFKからだった。セットプレーからの得点は、3月5日の開幕戦以来、2度目。試合には敗れたものの、ワンチャンスで点に結びつくプレーの大切さを痛感させるゴールだった。
決めた片岡は「壁は無いものと思って、無心でけった」。右足から放たれた球は、壁をすり抜けてゴール左隅に突き刺さった。いつもなら伊藤がける位置。自ら志願してけった片岡には自信があった。試合前日の練習後、同じ位置からのFKは、ほぼ全部がゴール左隅に決まっていた。
CKも任される片岡。常々「ゴール前に飛び込む側のタイミングも重要だが、何より大事なのはキックの精度」と語っていた。セットプレーからの得点が少なかったことに責任を感じていただけに、会心の一発にはガッツポーズが出た。
福岡県出身。古里のピッチにJリーガーとして初めて立った。意気込みは十分だったが、敗戦。今季3得点目の喜びは吹き飛んだ。「ほかのチャンスにミスしたし、守備で相手の突破を許した」
第2クール終盤の3連戦の初戦を落とした。片岡は「修正点が多いのは分かっている。でも腐っていられない」。キックの手応えを土産に、3日後の仙台戦に向け顔を上げた。

前節は草津イレブンに激しく当たって主導権を握った徳島ですが、福岡もかなり激しく競ってきており、また徳島封じの基本構想「以下にサイド攻撃を封じるか(両SHを下げさせるか)、トップ下を孤立させるか」を実行してきましたね。
徳島も第2クールの草津戦で対応策として「SHは低い位置からでもトップへフィード、もしくは大きくサイドチェンジ。DMF2人はサイドの守備も積極的に、攻撃にも参加して厚みを加える」を講じてきました。しかし福岡はさらに対応してきまして。

また、この試合に向けて福岡が周到な準備を積んできたことも見逃せない。徳島がサイドに展開するボールに対してSBとMFが前方と中へ切り込むコースを塞ぐようにして囲い込み、徳島が後ろに戻したボールにプレッシャーをかける。羽地に合わせてくるボールは千代反田と宮本が、ほぼ完璧に対応した。攻め手を封じられた徳島はなす術もなく中盤で不用意なミスを連発。福岡はこのボールを奪って、素早くカウンターを仕掛けた。全てはトレーニングのメニュー通り。福岡にとっては狙い通りの、そして会心の試合運びだった。

両SHのサイド攻撃は基本どおりに抑えられ、トップに張る羽地にはCB2枚が絶えずマーク。DMFはSBアレックスと流動的に動くMFグラウシオのケアで守備に奔走する形に。ほとんど攻撃手段を封じられてしまいました。攻守コンセプトは草津とほとんど同じだと思いますが、前線の攻撃を組み立てるドリブラーと、1トップ気味の羽地を機能させなかったCB2名の存在が差ですかね。

さて敗れた徳島。「見ての通りの完敗」と田中監督は試合を振り返ったが、その言葉どおり、全くサッカーをさせてもらえなかった。最大の武器であるサイドアタックを封じられた徳島は攻め手を見つけられず。なんとなくボールをキープするところに、福岡のプレッシャーをまともに受けてしまった。Jリーグ初参戦ながら健闘を見せていた徳島だったが、攻撃面でのバリエーション不足が感じられた試合だった。

繰り返しですが「サイド攻撃封じ」への対応は徳島にあるんですよね。ただ、福岡はそこにも対応してきていた訳で。今季はテレビながらかなりJ2の試合を観ていますが、福岡はJ2では珍しい、前線のドリブラーが攻撃を組み立てられるチームだと思います。そこにMFグラウシオやSBアレックスのポジションチェンジの攻撃が加わりますからね。正直、こういうチームに慣れていない部分が大きいと思います。ふたたび徳島新聞記事より。

●早急な建て直し誓う
「見ての通りの完敗です。ゲームになってなかった」。試合後、田中監督は力なく語った。前半3分に失点して機先を制されると、1対1の局面で負けて後手に回った。球を奪ったら、とにかく縦へ突進してくる福岡とは好対照。徳島の選手には、躍動感が全く感じられなかった。
中盤が支配され、両サイドからも真ん中からも崩された。DF挽地は「プレスのかけ方が甘いし、ミスが多すぎた」。攻撃面でもシュートは計4本。後半は今季初の0本。秋葉は「羽地に当ててからの工夫がなかった。チームとしての統一感がなかった」と振り返り、早急な建て直しを誓った。

完敗だったとは思いますが、別にダメなチームになったわけではないので。今までの通用した部分は今後も高めていくとして、第3、第4クールに向けて「対アビスパ福岡」の戦い方を講じるのが上策と思われます。そして前半で負傷交代してしまったノリヲ様も心配ですが、新卒GKの古田くんが後半のピンチを失点0で凌ぎきったことが好材料だと思いますよ。しかし次節の草津、「対アビスパ福岡」はどうしましょうかねぇ。ほとんど日数がありませんですよ。