【敷島県陸】ザスパ草津、集客策あれこれ。【ナイトゲーム】

SH772005-07-25

第2クール終了間際の第21節から、ようやくJ規格に改修された敷島公園県営陸上競技場(敷島県陸)での試合開催が出来るようになったザスパ草津。第1第2クール総括も含めて集客策について上毛新聞7月25日付の1面トップ記事になりましたよ。

ザスパ 入場者増へ反転攻勢
ザスパ草津は、改修された前橋・県営陸上競技場での初ゲームを今季ホーム初めてのナイターで十三日に行い、開幕以来最高の七千三百十四人が入場した。最下位に低迷する成績と連動して平均三千人台だったホーム入場者数が「ナイター効果」で倍増し、浮上への起点をつかんだ。チームはさらに独自のイベントを展開して、後半戦の観客増をもくろむ。
全国のJ2チームが着々と地域密着のシナリオを進行させる中、夜空に響く大声援は県都の街中再生にも新しい力を吹き込みそうだ。

敷島県陸の初開催、初ナイトゲームには7,314人が来場、この日行われたJ2全試合で一番の客入りで、J1数試合を上回ることが出来ました。胸スポンサーのショッピングセンター「ベイシア」様を通じて、かなり招待券を配ったのも大きいのでしょう。

「お祭り気分で楽しい」「ナイターは涼しくてムード満点」―。十三日のナイター観戦のサポーターは声を弾ませた。家族連れや浴衣姿の女性の姿も見られ、「手軽なレジャー感覚で楽しめる」と話す。
ザスパ草津の二十二節までのホーム入場者数は一試合平均三千七百二十人で、全十二チーム中十一番目。水戸ホーリーホック(三千百五十一人)をわずかに上回る。

水戸ホーリーホックを抜いて入場者数11位にあがったとはいえ、水戸は金曜日のナイトゲームを開催すること実に3回。草津が上回ったとか喜べるものでもないでしょう。また第22節までのJ2平均観客動員数は7,147人。敷島県陸の初開催試合はJ2平均をようやく上回った数字でしかありません。参考になるJリーグ公式の入場者数データは以下のリンクから。ザスパ草津のデータを抜き出します。
http://www.j-league.or.jp/data/2/?league=j2&genre=attendance&d=j2&t=visitor&y=2005
http://www.j-league.or.jp/data/2/?league=j2&genre=Cattendance&d=j2&t=c_visitor&y=2005

ザスパ草津 2005年ホームゲーム入場者数(第1節〜第21節)
3月5日 第1節 ●モンテディオ山形 (群馬サ/4,423人/−)J開幕戦  
  19日 第3節 ●コンサドーレ札幌 (群馬サ/3,572人/↓)  
4月2日 第5節 ○徳島ヴォルティス (群馬サ/2,561人/↓)J初勝利・最低記録
  23日 第8節 ●ベガルタ仙台戦  (群馬サ/4,134人/↑)
  30日 第9節 ●サガン鳥栖    (群馬サ/3,043人/↓)
5月12日 第12節 △横浜FC      (群馬サ/3,126人/↑)ホーム初引分
  19日 第13節 ●京都パープルサンガ(群馬サ/3,287人/↑)
6月4日 第15節 △水戸ホーリーホック(群馬サ/2,724人/↓)北関東ダービー  
  18日 第17節 ●ヴァンフォーレ甲府(群馬サ/3,527人/↑)
  25日 第18節 ○湘南ベルマーレ  (群馬サ/3,211人/↓)初の雨中開催
7月13日 第21節 ●アビスパ福岡   (群馬陸/7,314人/↑)初ナイター・スタ移動
●総入場者数(11試合)40,922人/平均入場者数3,720人/J2平均入場者数7,147人

このデータを踏まえて、記事の公式サポーターズクラブの会長コメントを。

●何より勝ち星
入場者数の低迷について、サポーターズクラブ「ザスパ12」の佐藤恒雄会長は「勝ち星を積み上げることが何より」と、勝敗が観客増に直結する状況を強調する。昨年のJFL当時のホーム平均入場者数(四千九百四十二人)をJ2で下回る、厳しい現実を突き付けられた格好だ。
ザスパ12の佐藤会長は、ザスパの固定客について二千八百人程度と分析する。「J2として決して少なくないが、毎回同じ顔ぶれがスタンドでひとかたまりになっているのは必ずしもよいことではない。新しいファンを仲間としてどんどん取り込んでいく柔軟さが必要」と指摘する。

たしかに勝利や引き分けの後には必ず入場者が増加しているなどの微増減はありますが、ほぼ3000人台で推移しています。4000人超えの2試合については、大挙して敷島に駆けつける山形、仙台の熱いアウェイサポの方々の動員が大きいと思われます。コメントどおり、ザスパ草津の固定客は3000人弱くらいでしょうね。あれだけ負けても良く減らないものだと思いますし、Jリーグ1年目とはいえ、長い目でクラブを応援しようと覚悟を決めている層が3,000人近くいることはザスパ草津の財産と思われます。
また、JFL時代からの入場者数減少は、勝利試合が減ってしまった、チケット代の上昇、交通アクセスの不便(駐車場問題)、ホーム全戦テレビ中継など複合要因の結果であると思われます。ほとんどが止むを得ない事情があるとはいえ、J加盟で興味を持ったライト層を取り込むことが出来ず、ほぼ固定支持層だけしか来場しないのはクラブ運営の観点からも大きな痛手。敷島県陸を使用できる第3、第4クールが、ザスパ草津集客策の本番となるでしょう。

それがナイターで今季初めて、同節(二十一節)全体の平均入場者数を上回った。先行きは不透明だが、J一年生のザスパは「J1目指して着実に地歩を固めている段階」(広報担当)とファン開拓に知恵を絞っている。
「県民に一人でも多く足を運んでもらおう」と、十三日から十月末までを「インパクトナイター」と銘打って誘客に力を注いでいる。県と連携し、会場周辺で露店やフリーマーケットの開催も検討しているという。

7000人を超えたアビスパ福岡戦は、あまり来場されていないような方々が多く目に付きました。試合は残念ながら敗れてしまいましたが、かなり良い内容でイレブンが頑張ってくれたので、これからの集客も期待できそうです。また集客策に関しては、ザスパ公式に詳しく。
http://www.thespa.co.jp/top.html

●夏休みは学生を対象にA席F席の当日券がなんと500円!
『IMPACT! NIGHTER夏休みスペシャル企画』
対象試合:7月29日(金)サガン鳥栖戦/8月6日(土)コンサドーレ札幌戦「ザスパ夏の陣」/8月26日(金)モンテディオ山形
会場:群馬県敷島公園陸上競技場 19時キックオフ
※中学生以上の方は購入時に学生証をご提示下さい。
●じんべえ・浴衣を着てお越し頂いた方を対象にS席A席の当日券を半額で販売!
『「ザスパ夏の陣」じんべえ・浴衣着ちゃおう企画』
対象試合:8月6日(土)コンサドーレ札幌
※着用者ご本人が対象となり、1名につき1枚販売いたします。
※ハッピは対象外となります。
※8月6日は2つの企画の併用並びに両企画ともファンクラブ割引やその他当日券割引との併用はできませんのでご了承下さい。

そして既報ですが、群馬県サッカー協会と連動して県内サッカークラブの招待も。

二十九日のホームから県サッカー協会の協力で、県内の協会登録チームの子供たちを無料招待し、Jの技に間近に接してもらう計画だ。各種イベントに選手を派遣し、サイン会などで交流する活動も積極的に行っている。いずれも、県民に身近な存在となる土壌づくりが大きな目的だ。

ザスパ草津の集客には、固定層の増加を図らなければなりませんが、まず一度試合を見てもらわなければなりません。かといって闇雲なタダ券ばらまきを続けると「タダ券あるときだけ観に行く」が常態になるヒトを増やすだけ。せっかくの招待券ですから有効に使わねばなりませんよね。というか年間シーズンパスを購入した身としては、せめてそうしてもらわないと。

同じJ2で、入場者数を昨年よりも飛躍的に伸ばしたチームがある。佐賀のサガン鳥栖は今シーズンから同県とタイアップし、県内各市町村ごとに一試合につき二千五百人を無料招待する活動を展開。昨年の平均入場者数三千六百人から、今季は八千四百二十九人へ大幅増となった。招待客から固定客への移行が順調に進んでいるようだ。

今年から新体制、新運営組織の元で入場者数もチーム力も向上させているサガン鳥栖からは見習うべき点多しです。市町村単位での試合招待は、招待券の有効活用ですね。ただ満を持してのホームスタジアムのあるお膝元、鳥栖市市民の招待試合での相手がザスパ草津でして、ご存知の通りアレでナニなあげくに草津が勝ってしまったのは少し申し訳ないような。

●街中にも核を
ザスパへの期待は、スポーツ関係者にとどまらない。街中再生に取り組む前橋中心商店街協組合の荒木博一理事長は「街中にサッカーを核としたスポーツの発信基地があると若い人たちの日常的な交流の場とすることでにぎわいが生まれる」と述べ、商店街も態勢づくりの応援に意欲を示す。夏からの反転攻勢に熱い視線が向けられている。

前橋市長も「前橋市にサポーターが集える場所を」と定例記者会見で述べたそうで、前橋市との協力もさらに推し進めなくてはなりませんね。ただ地元商店街など経済活性化には、自家用車での来場が出来ないとかなり難しいので、やはり駐車場問題がネックとなりそうです。