ザスパ草津の来季監督に、植木繁晴氏が復帰就任。

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すでにあちこちで来季監督として交渉中、と名前が挙がっていた植木さんが監督復帰ですよ。ザスパ草津公式の12月12日発表より。
http://www.thespa.co.jp/top.html

植木繁晴新監督就任のお知らせ
このたび、ザスパ草津では元総監督「植木繁晴氏」の監督就任につきまして、本日13時より会見を行いましたので、以下のコメントと併せてお知らせいたします。
引き続きご支援、ご声援をよろしくお願い申し上げます。

植木繁晴氏コメント
「就任するのにあたり自分の持っているものを最大限発揮して、全力をあげて取り組んでいきます。あたたかい応援をよろしくお願いします。」

個人的には、ザスパ草津というクラブとチームへの理解度に加え、実績と実力の点で草津が招けるなかで一番有力かつ無難な監督が来てくれたと思っています。ある意味Jリーグ1年目より大変な2年目となりますが、また新人監督を招いた上に、1年目の繰り返しとなってしまえば、ダメージは計り知れないと考えていました。苦境の中でもチームもサポも共に状況を納得し、戦えるのは植木さんしかいないのではないでしょうか。
記者会見紹介の新聞記事は、まず産経新聞群馬県版12月13日付けより。

ザスパ監督に植木氏「原点復帰」手腕に期待
植木氏は就任理由について「チームの現状を見かねて、監督をやったほうがいいと思った」と語った。チーム作りのキーワードとして掲げたのは「若くて走れる選手」。二年ぶりの復帰となった植木監督の手腕が注目される。
「社長は今年、本当に苦労した。私がなることで現場の苦労を軽減できれば」
植木氏はこの日の会見で、就任理由についてこう説明した。「お前じゃないとできない。監督を引き受けてくれ」と、十一月上旬に大西忠生社長から〝再登板〟を要請されていたことも明らかにした。
シーズン中から来季監督の人選に着手し、三人をリストアップ。その中から、「限られた予算で最大限の力を出せるのは彼しかいない」(大西社長)と、植木氏に白羽の矢を立てた。
平成十四年に植木氏は、大西社長、賢持宏昭前社長と三人で草津町ザスパのチーム運営に乗り出した。助け合い、三年でJ昇格を成し遂げただけに、前社長の不祥事には「情けない。われわれはグラウンドでいい試合を見せることでおわびするしかない」と嘆いた。

新監督候補としてリストアップされた残りお二人はどなただったのでしょうかな。今となってはどうでもいいことですが。ルシェンブルゴとかアンチェロッティとか?(←彼はナニを云ってるんだ?)続いて同日付の上毛新聞では。

ザスパ監督 植木氏が復帰
J2のザスパ草津は12日、手塚聡監督の後任として、サッカー解説者で元ザスパ総監督の植木繁晴氏が就任すると発表した。植木氏は2年ぶりのザスパ復帰。同日、前橋市内で記者会見した植木氏は「大西(忠生)社長が苦しんでいるのを見て、自分が少しは(苦しさを)軽減できればと思った。プレッシャーはあるが、良い成績を収めたい」と抱負を語った。
11月上旬に草津温泉フットボールクラブの大西社長が植木氏にオファーを出した。大西社長は「厳しい経営状況の中、限られた予算で最大のパフォーマンスを見せてくれるのは植木さんしかいない」と理由を説明した。契約期間は来年2月から1年間。来年1月9日のチームミーティングから始動する。

チーム合流自体は来年からとのことですが、チーム構築と戦力補強などについては既に動き出している模様です。これについては本日付のサンスポから。ちなみにサンスポは植木さんが解説者として寄稿しているスポーツ新聞です。好意的ながら修飾語が無駄に多いのがサンスポ風味。 

●植木氏、J2草津監督に復帰…GMが闘病中要請を受けて
J2草津は12日、来季の新監督に、サンケイスポーツ専属評論家で現同クラブのGM特別補佐を務める植木繁晴氏(51)の就任が決まったと発表した。
J2昇格1年目の今季、わずか5勝で最下位となり手塚聡監督(47)が辞任。加えてホームスタジアムの使用料滞納問題など運営、経営面でのトラブルが発覚。チームに精通する植木氏に再建を託した形だ。
大西忠生GM(62)が肺がんで闘病生活を送っていることもあり「何とかしたいと思った」と要請受諾の理由を語った。13日のトライアウト(長居ス)視察で“始動”する。

とのことなので、本日のJリーグ合同トライアウト1回目に「植木監督」として活動を開始されているようです。では上毛記事に戻って。

ザスパの今季全試合を見たという植木氏。来季は走るサッカーで「最低10勝」を目標に掲げる。「今季は方向性が定まらず、選手の迷いがゲームに出ていた。理想はJ1昇格を狙いたいが、10勝すれば8−9位は狙えるのであとはどれだけ上積みできるか」と分析した。

来季のJ2は愛媛FCの加盟に加えて、なによりJ1から3クラブも降格した上で、13チーム48試合の過去にない過酷なリーグ戦。チームの選手層、総合力がさらに重要となるでしょうし、上位と下位の差は今季以上に拡がると思われます。ザスパ草津と他チームの内外状況を鑑みると年間10勝以上、というのは当面の現実的な目標でしょうね。ただ個人的には、10勝や8、9位という数字的な目標よりも、

「選手が持っている力を100−120%出して、サポーターに『もう一度見たい』と思われる試合をしたい」という植木氏。チーム草創期を支えた指揮官の復帰で、原点に返ったザスパイレブンが見られそうだ。

「もう一度見たい」サッカーを何試合見せられるか、が重要だと思います。残念ながら今季はそういうサッカーは10試合にも満たず、「こういう試合は二度と見せるな」と思う試合数のほうが多かったと個人的には思います。なにがあろうと応援してくれるサポーターも大勢いますが、客足を遠ざけるだけの「試合中なのに勝負もサッカーもあきらめてしまう」試合は来季できるだけ減らして欲しいですね。そうすれば植木さんがパイプ椅子を投げる回数も減るでしょうし。( ´∀`)
またチーム構築についても構想が語られています。

戦力補強については、J1やJ2上位チームからレンタルを考えていることを明らかにしたが、新外国人加入については「今のところは日本人中心でやりたい」と否定した。このほか、6月から10月までの間、週2、3日のペースで草津町での練習を検討していることも明らかにした。

1サポとしては第2のバレーのような、ゴールマシーン外国人FWの補強もお願いしたいところですが、それは将来的な課題であって、当面は出番を求める他クラブ若手選手のレンタルが補強のメインのようですね。とにかく来季は節約ですね。また初夏の頃からの草津町での定期的な練習もぜひこのまま進めて欲しいです。前橋市や県下全域の支えが必要なザスパですが、草津町との縁はトップチームも強く残すべきだと思います。チーム構想に関しては産経でも別情報や課題が載せられています。

「チャレンジャーズチームの選手がプロで戦うことには課題もあった」
植木氏は今季の戦い方を振り返り、チーム内での昇格人事には消極的な考えを示した。来季をみすえ、レンタル移籍などを通した戦力強化を積極的に進めるといい、「若くて将来のある選手」の獲得に全力を挙げるという。
植木氏の契約は一年。会見で披露した「J1三年計画」は、来季のレギュラーメンバーを早期に決定し、十九年に三選手を補強。二十年も同じ形で補強することでJ1昇格を目指すという。
ただ、経営再建中のザスパは選手補強に充てる資金は乏しい。植木氏は「ザスパでプレーしたい状況を作れば、将来高い移籍金を払わなくてもチームに残ってくれる」と、移籍選手を育成することで、選手側の思いをザスパに引き留めたいと強調した。
他チームが有望な選手を簡単に手放さないこともネックになりそうだ。これまでの若手有望選手は、移籍先で経験を積んだらチームに呼び戻されるケース多く、選手も高いレベルや環境の整ったチームを望むことは間違いない。二年ぶりの復帰となった植木氏を迎える環境は甘くない。

チャレンジャーズからトップへ昇格することは来季も実現してもらいたいのですが、過度の期待をもつのもまた違いますよね。他クラブからのレンタル選手がチームに復帰するか残ってくれるか、は確かに課題なのですが、そういう状況が将来すぎて、今の段階ではまだなんとも云えません。ザスパのレベルを上げるのも、環境を整えるのもこれからの課題ですからね。
なんにせよ、植木さんはドイツW杯を勉強の機会と捉え、解説者として1年を使うはずでしたが、その職を辞してザスパ草津の現場に復帰してくれることになりました。ニッカンの記事では「来季は解説者としてW杯観戦の予定だったが、草津の危機に黙ってはいられなかった。年収は今季の半分。だが、草津のために全力を尽くす。」とも。収入もそうですが、すでに苦労が予想される立場に身を投じてくれた植木さんを、チームともども一層応援するしかありませんな。