2006年J2開幕、第1節ヴィッセル神戸戦。ザスパ草津アウェイで大金星。

神戸はさすがに強かった。

相変わらず忙しくて仕方ないのですが、とにもかくにもJ2開幕、ヴィッセル神戸とのアウェイ開幕戦はスカパーで観戦いたしました。
先に結論を書いてしまえば、「アリエナイ瞬間、ガアル。」の勝つほうを担当出来て良かった。得点や結果以上に2年目シーズンで素晴らしいリスタートを切れた、チーム力の向上と新戦力の活躍が光った試合でした。植木さんと選手の「今季の本気」、確かに見せてもらいました。サポーターとしてもも「応援の本気」で応えなければ、と決意を新たにしましたよ。まずは結果からJ's GOALより。
http://www.jsgoal.jp/result/20060200030420060304_detail.html

●J2第1節 3月4日(14:04/神戸ウイングスタジアム/7,030人)
ヴィッセル神戸 0−3 ザスパ草津
得点 49分:山崎渡草津) 73分:高田保則草津) 89分:中井義樹草津)
警告 39分:太田恵介(草津) 40分:北本久仁衛(神戸) 52分:茂木弘人(神戸) 62分:中井義樹草津) 77分:山崎渡草津) 78分:柳川雅樹(神戸)
交代 65分:鳥居塚伸人籾谷真弘草津) 69分:栗原圭介平瀬智行(神戸)

ザスパ草津J2リーグ公式戦で3得点を挙げた初の試合*1であり、また昨季10月22日の湘南ベルマーレ戦以来の完封*2と、最高の結果となりました。しかし試合の流れ如何では、草津と神戸のスコアが逆で終わる可能性も高かった試合でもあったと思います。ただ最終的なスコアと同様に、この試合で見せた2年目の草津の試合運びそれ自体が、今季の期待感を高めてくれる試合でもありました。では試合の流れを追いたいと思います。
まずザスパ草津、2年目リスタートシーズンの開幕戦メンバーは。

●J2第1節ヴィッセル神戸戦 ザスパ草津スターティングメンバー
GK:1高木貴弘 
DF:4齋藤竜 6鳥居塚伸人 17尾本敬 5チカ
MF:15中井義樹 10島田裕介 7佐田聡太郎
FW:24太田恵介 13山崎渡 9高田保則 
●サブメンバー
GK:22北一真 DF:2籾谷真弘
MF:8大谷圭志 FW:20吉本淳 14佐藤正美
●キックオフフォーメーション(3−5−2・ダブルボランチ
−−高田−−太田−−:吉本・佐藤
佐田−−島田−−山崎:
−−チカ−−中井−−:大谷
−尾本-鳥居塚-齋藤−:籾谷
−−−−高木−−−−:北

メンバーリストですと4−3−3ですが、実際は3−5−2。鳥居塚伸人のCBとチカのDMFテレコのコンバートや、新戦力が実に6名がスタメンに入ったことが目を引きます。また負傷長期離脱していたDMF大谷圭志が久々にベンチ入りの朗報も。アウェイ遠征メンバーに入ったことで、彼の復帰具合の向上が分かりますね。次は早くピッチ復帰を果たしてもらいたいところです。そして肝心のチームの戦い方自体は自分も今季観るのが始めてなので、まったく予想つかず。今季のキャッチコピーが「走撃」なので、とにかく皆で走ったり撃ったりするのだと思いますよ。(←いい加減)
続いて、ヴィッセル神戸のメンバーは。

●J2第1節ザスパ草津戦 ヴィッセル神戸スターティングメンバー
GK:1本田征治
DF:20丹羽竜平 32柳川雅樹 4北本久仁衛 3坪内秀介
MF:17三浦淳宏 8栗原圭介 10ホルヴィ 
FW:7朴康造 11茂木弘人 19近藤祐介
●サブメンバー 
GK:34荻晃太 DF:5河本裕之
MF:6原信生 27中村友亮 FW:14平瀬智行
●キックオフフォーメーション(4−3−3)
−−−−茂木−−−−:平瀬
−−近藤−−-朴-−−:中村
−三浦−栗原−ホル−:原
坪内−−−−−−丹羽:河本
−−北本−−柳川−−:
−−−−本田−−−−:萩

こちらはメンバー表どおりの4−3−3。今季J1からJ2に降格した3チームの中では、もっとも戦力・選手を温存できた神戸だけあって、日本代表選手の三浦淳宏を始め、J1から来た選手がほとんど。遠藤彰弘らを欠きながらもこれだけの陣容で、かつCB柳川雅樹など世代別日本代表に選ばれている若い才能もスタメン起用されていたりと、やはり層の厚さを感じますね。あと付け加えるなら前橋育英出身のSB坪内秀介がスタメンです。彼も頑張ってますな。ヴィッセル神戸の布陣については、J's GOALのゲームレポートが詳しく。
http://www.jsgoal.jp/news/00030000/00030230.html

【J2:第1節 神戸 vs 草津 レポート】開幕戦でいきなりの番狂わせ! 神戸が草津にホームでJ2の洗礼を浴びる。
(前略)バクスター新監督のもと4-3-3のシステムでこの草津戦に臨んだ。ただし、新戦力のDFエメルソン トーメやMF小森田、中盤の核のひとりであるMF遠藤がコンディション不良のためベンチにも入らず、スターティングメンバーには神戸ユースから昇格したばかりのU-19日本代表候補DF柳川がストッパーの一角に抜擢された。また、3トップには右に朴康造、中央に茂木、左に近藤が起用された。

試合のほうも、ゲームレポートから。

明らかに、前半は神戸のペースだった。キックオフ早々にCKを獲得し、4分にはホルヴィの右クロスから茂木のヘッドで最初の決定機を迎え、6分にも三浦の左クロスから北本がボレーを放つなど、序盤から一方的な展開に。

開始1分間で『魔弾の射手』三浦淳宏に2度もCKを蹴られる、寿命が縮まる展開でスタート、レポートどおり一方的に押し込まれました。神戸は4−3−3の前線6人がゴール前に入れ替わり現れてはシュートを放ちます。神戸の個人技とパスワークにはさすがJ1という実力がありました。ここで失点していれば、試合はズルズルと神戸ペースとなっていたとも予想され、序盤の10分間の猛攻を無失点で乗り切ったことが後に大きく効いてきました。
3バックの左右、齋藤竜尾本敬が相手のFWにアタックを仕掛け、鳥居塚がスイーパーに入る3バックコンセプトはまずまず成功。チカと新加入の中井義樹のDMF2人も守備に奔走、無失点に大きく貢献しました。チカはちょっとまだボールウォッチャー気味なところもありますが、この試合を通じて1対1を基軸に、複数で相手に詰める運動力と集中力を必要な守備を続けられたことが大きいですね。
また、この試合がJ公式戦初スタメンとなったGK高木貴弘の落ち着きのあるプレーが光りました。昨季は小島伸幸岩丸史也という経験と実績あるGKが最下位のくせに2名もいましたが、今季のGK陣はみな若手になってしまい、彼らの経験不足が不安材料でもありました。しかし高木の冷静なプレーぶりはとても頼もしいものでした。試合後のコメントもJ's GOAL、そして朝日新聞群馬県版3月5日付より。
http://www.jsgoal.jp/news/00030000/00030205.html
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000110603050001

高木貴弘選手(草津
「今日の結果はたまたまよかっただけ。でも、戦う気持ちはしっかり出ていた。来週には柏戦があるので、集中して、冷静にやっていきたい。勝利に浮かれないでやりたい」
●Jリーグ初登場 体を張って零封
ザスパのGK高木はこの日、Jリーグ7年目にして初めて、公式戦のピッチに立った。緊張はなかった。「楽しもうかな」。そんな気持ちだったという。相手選手との激しい接触で何度もうずくまりながらも、体を投げ出す思い切りのいい飛び込みでゴールを守り、攻撃陣の好調を支えた。
圧巻は前半30分過ぎ、ゴール前の1対1。右に倒れ込みながら、左にきた相手FWのボールを足ではじいた。なおもゴールに向かって転がるボールに後転して追いつくと、手ではじきとばして危機をしのいだ。
右への構えをフェイントに使うことで、「左に打ってくるのは読めた」という。余裕が、とっさの機転につながった。初のJ出場で「やっと、自分のプレーを出せた」。
昨シーズンでザスパの「顔」GK小島が引退。新守護神の誕生を予感させる活躍だったが、「小島さんには、まだまだ」とはにかんだ。

運とゴールポストに助けられたシュートもありましたが、草津の不安要素はひとつ消えたようです。この試合サブに入った同郷石川の北くんはじめ、他GK陣と共に経験を積んでこれからも頑張ってもらいたいですね。スカパーの「J開幕スペシャル」に解説として出演した小島さんも「辞めなきゃ良かった、と思うくらい(チームは)頑張った」とコメント、高木くんの健闘も讃えていましたね。

10分過ぎから、草津も太田のヘッドや島田のループシュートなどで反撃するも、FK、CK、ロングスローといったセットプレーを中心に数多くのチャンスを得た神戸の流れは止まらない。しかし、それらも、33分のカウンターからの栗原のシュートしかり、39分のFKからの北本のシュートしかり、GKの好守やポストへの直撃など、運にも見放されて得点に至らなかった。シュートの数は15本も、結局は草津に無得点に抑えられたまま、神戸は前半を折り返すことになる。

10分過ぎた頃には神戸の猛攻も一段落、草津もレポートどおり太田の惜しいヘディングでチームファーストシュートや、チカのどフリー飛び込みヘディングなどサイドから攻撃を展開して反撃します。レポートにはありませんが、昨季と違う点として、クロスを待つゴール正面の選手が複数待ちうける場面が多く、チームが意図してサイド攻撃を行っているのが判りました。チャンス自体は少なかったですが、得点の匂いや予感はこの頃からありましたから、前半を0−0で凌げたのは大きかったですね。前半の展開を振り返って両監督は。
http://www.jsgoal.jp/news/00030000/00030220.html
http://www.jsgoal.jp/news/00030000/00030218.html

●スチュアートバクスター監督(神戸)
「前半、後半の途中までは選手は一生懸命やってくれたし、チャンスもけっこう作れたと思う。ハーフタイムに、相手のサイドからの攻撃に気をつけるように選手には言っていた」
「前半でセットプレーなどで相手に脅威を与えられるだけのいいチャンスは作れた。そういうチャンスをちゃんと活かしていかなければいけない。細かいボールの支配についてはうまく行っていると思うし、突破や、早い切り替えには満足している。しかし、長いボールキープのときに、あまりいい精度のパスができていなかった。そこから、コンビネーションを使った突破ができていなかった」
植木繁晴監督(草津
「キャンプでやったことと今日は内容を少し変えてるが、対神戸ということで、前半は守って後半勝負という形にした。神戸がチャンスをつぶしてくれた結果、こうなったというのもある。数多くチャンスを作られたなかで、GK高木を中心によく凌いでくれた。今年にかける想いが出ていた」

バクスター監督のおっしゃるとおり、序盤の神戸はさすがJ1のそれだったと思うのですが、いつかフィニッシュ、ゴールできるだろうと云う一方的な展開が、わずかなズレと精緻に欠ける部分に繋がってしまったのかな、と自分も思えました。
前半は運にも助けられましたが、神戸ペースの前半を乗り切れば、疲労度は神戸が高く、草津がその面は有利になります。

後半早々、神戸は先に草津にゴールを許してしまう。49分、島田からの左クロスを、一時はGK本田がクリアするも、そのこぼれ球を山崎にフリーで右足を振り抜かれ、ゴールマウスをいとも簡単にこじ開けられた。まさかまさかの展開の始まりである。
 その直後、神戸にもすぐに決定機は訪れたが、朴康造の右クロスにファーから入ってきた近藤はヘッドを合わせられず。さらにFKのチャンスも、三浦の直接ねらったボールは、無常にもクロスバーに弾かれた。

左サイドからの島田のクロスをファーの太田がGK本田と競り、こぼれ球を山崎渡が落ち着いてシュート、ザスパ草津2006年のファーストゴールであり、強豪ヴィッセル神戸相手の先制弾となりました。そして、この1点のとり方は明らかに昨季と違うものでした。
プレーを順に追うと、左SHの佐田聡太郎がボールをキープすると、島田が追い越しサイドに流れます。これに佐田がヒールパス、自分はペナルティエリアへ。既にペナルティエリアのニアに高田、ファーに太田、太田の後ろに山崎が詰め、高田の後方には佐田がセット。この時点で神戸の守備4人と草津攻撃陣が数的同数、ニアとファーにFWが位置し、それぞれの後ろにSHが詰める四角形の形でクロスを待ち受ける形をつくりました。そしてSB丹羽を抜いた島田が身長196㎝の太田に合わせてクロス。これをGKが両手でパンチングしますが、太田の巨躯越しのプレーで思うように力が入らず、山崎の前にボールが転がりました。そしてシュート&ゴール。
ニアに攻撃陣が3人も詰めるのに、クロスがファーに上がるような昨季のサイド攻撃に比べれば、かなり意図と練習を積んできたサイド攻撃によってもぎとった先制点でした。とにかくこれで0−1。レポートどおり、直後に近藤がフリーで飛び込んだクロスや三浦淳のFKなど、再三ピンチに見舞われますが、ここも運の助けもあってゴールを死守します。ホント、良く無失点で済んだな。

島田裕介選手(草津
「今日は楽しくできた。押し込まれても耐えればチャンスがあると思っていたし、後半には相手の足が止まるだろうから、少ないチャンスを入れれば勝てるかなとも思った。そして、そのとおりになった。ウチは最後まで走れていたし、いい結果になってよかった」
山崎渡選手(草津
「ゴールシーンは中にクロスが出たとき、一瞬、中に入ろうかと思ったら、太田選手がいたので、こぼれ球を狙って外で待っていたら、ちょうどボールが来た。シュートも思い切り打った。自分が点を取ったことより、開幕戦で勝ちたかったから、つい喜び過ぎてしまった。次はホーム開幕戦なので、勢いに乗っていい試合がしたい」

もちろん神戸は同点、逆転を狙ってふたたび猛攻を仕掛けてくるのですが、焦りなのか前半のような細かい崩しが減り、やや単調かつ無理なスルーパスが増えて脅威度が時間を経るごとに減少していきます。またSBが押し上げるのでCB2人とのラインが崩れて、バイタルエリアと両サイドにスペースが生まれました。サイドから攻撃を組み立てる草津との攻撃の応酬がやや神戸押し気味のまま70分過ぎまで続きます。65分に鳥居塚から籾谷に交代。高さのミスマッチを狙われないための対策かと思われましたが、なんとトリさん負傷だそうで。

植木繁晴監督(草津
Q. 鳥居塚選手の交代について
「左太もも裏の肉離れで、代えざるをを得ない状況になった。(その直前に佐藤を投入しようとして、鳥居塚のケガのため、交代を取り下げたが)ひとり代えることでリズムが壊れてしまうのではないかと様子を見た。代えたあとも余計なことをしないほうがいいと思った」

今季は大きな負傷者なく開幕を迎えられましたが、なんと開幕戦で精神的支柱の鳥さんが負傷。あまり長引かないと良いのですが。またこれで今季鳥居塚に変わり主将を務めている佐藤正美が、交代出場できず。キャプテン・マッスル、次ガンバレ。*33バックは中央に齋藤、右にモミーニョが入り、左はそのままオモーニョ。(←イキオイで云いすぎ)

この辺りから、神戸に焦りが如実に表れる。連係もチグハグになり、動き出しも悪くなった。「押し込まれても耐えればチャンスがあると思っていた。後半には相手の足が止まるだろうから、少ないチャンスを入れれば勝てるかなとも思った」と島田が言うような形になり、まさに草津の術中に神戸ははまっていく。
 すると、73分には草津の速いサイドからの攻めについていけず、島田の左クロスを高田にヘッドで叩き込まれ、リードを2点に広げられた。この時点で、ほぼ勝負は決まっていたと言える雰囲気だった。
●スチュアートバクスター監督(神戸)
「最後の20分、ネガティブな面がすべて出てしまった。いろいろなチャンスを作り、勝てるという状態になりながらも活かせず、逆に失点から立ち直るのに時間がかかってしまった。それで結局、チームの形を失い、個々に頼らざるを得なかった」

高田のビューティフルヘディングでしたが、このプレーもその前に草津のチームとしての成長が見られます。まず相手ボールを敵陣で囲って奪い、ショートカウンターの形で攻撃スタート。ボールは左、逆サイドの島田が受けて、対面の丹羽を抜き去り、中央へクロス。この時点でまたもや神戸DFと草津FWの2対2の数的同数。ニアのCB北本は下がりながらの守備を強いられましたが、彼はニアを走るの太田をキチンとマークしていました。ところがクロスにはファーにいた高田保則が、北本の死角から眼前に飛び込んでクロスをさらうようにヘディング。前進していたGK本田の頭上を抜く、素晴らしいループヘディングシュートとなりました。スカパー実況&解説陣も思わず「キター!!」と唱和する華麗なゴール。このあと高田がまっすぐ植木さんに飛びつきにベンチへ走ったのが印象的でした。高田、草津を選んでくれてありがとう。そして中盤の司令塔としての島田裕介も活躍あってこその2得点、素晴らしいキック精度を持つ若武者ですよ。良くぞ草津に来てくれました。今季の大きな不安要素、山口貴之の穴を埋めてくれそうです。ホント、ケガだけはしてくれるな。
これでほぼ試合を決めましたが、ここから4点とられちゃったりするのが草津クオリティ。まだまだ油断はできません。

その後、草津の老獪なプレーに神戸は自らの形も作れないまま、時間は過ぎでゆくばかり。ロスタイムには柳川のリスタートを受けたGK本田が草津FWのプレスにたまらずクリアミス。これを中井に決められ、万事休す。終わってみれば、0-3という想定外の結果で、神戸は開幕戦を最悪の形で終えてしまった。

草津に「老獪」なんてキーワードを使われる日がくるとは思いませんでしたが、神戸の淡白な攻撃をゴール前を厚く守って凌ぎ、時折カウンターで応酬。島田のクロスと太田の高さを活かしたヘディングシュートで神戸ゴールを脅かします。この日得点こそありませんでしたが、太田が前線にいるだけで脅威と思わせるだけのポストとヘディングでゴール前の優位を保ってくれました。太田も草津に来てくれてありがとう。
そしてロスタイム3分間に突入し、神戸陣内コーナー付近で露骨な時間稼ぎに入る草津からようやくファールでボールを取り戻した神戸、コーナーから柳川がサイドに寄ってきたGKにボールを戻します。ところが時間稼ぎをしていた張本人、高田がGKに突進してスライディング、あわてたGKがキックミスでボールを無人のゴール正面に送ってしまいます。
このアクシデントにいち早く気がついた中井義樹が素早く詰め、インサイドキックでゴールに流し込んみ3点目。ロスタイム駄目押し弾となりました。中井よりボールに近い、少なくともボールを競れる位置の神戸の選手もいたのですが、ちょっとした試合への集中力の差があったと見えました。新戦力組ではこの試合では縁の下の力持ち、バイタルエリアの守備に奔走した中井にご褒美があったようでうれしかったですね。
そしてタイムアップ。昨季は開幕を0−3で負けた草津が0−3で勝ち、年間5勝がはや1勝、アウェイ年間1勝がはや昨季に並び・・・ってホント成績作ってないのね昨季は。orz
ともあれ結果は上々、コンバートもまずまず、新戦力は勝利に大きく貢献し、ほぼ満点の試合でした。ただ問題点として、まだ3バック左の位置に慣れていない齋藤竜とSH山崎渉の連携不足や、二人の間のサイドスペースを使われるピンチが多かったり、スピードドリブラー系相手にはやはり対応に不安が残ったりと、見えたところもありました。これで連戦連勝などと浮かれられるほど甘いリーグでないことは昨季で判っていますし、次節は湘南ベルマーレと引き分けたとはいえ、ロスタイムまでは勝っていた柏レイソルとのホーム開幕戦。さらに厳しい戦いが予想されます。

植木繁晴監督(草津
Q. 開幕戦での3-0という結果を受けて、今季、上位チームとの対戦での手応えは感じたか?
「たぶん技術ではウチは下なので、選手たちには走りながらなんとかしようという面が今日は見えた。シーズンを通して、できる部分は感じている」

Q. 技術的に劣っていると感じたなかで、なぜ今日勝てたのか?
「個人ではやられるのが分かっていたから、なんとかひとりにならないようにしようと、できるだけカバーに入り、やられてもその次は中央を塞ぎ、シュートを打たれても最後はGKがいるというところで、選手たちは(守りで)表現ができていた」

Q. キャンプでやってきたコンセプトとは?
「今、あまりそういうことは話したくない」

Q. チームが昨季から1番変わったところは?
「戦う姿勢。走ることをテーマに練習してきて、戦う1番ベースの部分を自分のなかで育てている。それが、試合のなかで走り負けない自信になるし、簡単にはあきらめないところとして出た」

Q. これは金星か?
「どちらかと言えば、金星であり、ラッキーな勝利。これが2、3回続けば本物。これでできると思うと、劣っている部分が見えなくなる」

植木さんのコンセプトを選手が理解しようと努め、実行していることが判ります。*4しかしなんと云いましょうか、植木さんはスゴイわ(笑) 単にこの勝利の事ではなく、JFL時代の基本布陣である3−5−2のダブルボランチながら、要求しているレベルも戦い方もあの時とは違うサッカーなんですよね。もちろんJFL時代とは選手も練習時間も対戦相手も違いますし、環境は相変わらずだけど異なるのは当然なんですけど、それをこのオフだけで浸透させ、新戦力を6人もピッチに出して表現させるのは、さすが職人植木、植木職人。いい仕事です。
ただ選手も、昨季の経験と悔しさがあるからこその今季のガンバリなんだと思いますし、昨季があっての今季。ただ闇雲に昨季を非難するつもりはないです。今でもJリーグ1年目のチームは好きですし。勝てなくてもね(笑) 
そして、次節からの相手が皆、神戸のように不運つづきもあってノーゴールとはいかないでしょうから、今節よりは前半から攻めるサッカーも必要です。監督もチームも頭を切り替えているようですから、ホーム開幕戦はさらにキリリとしまったサッカーを期待したいですね。やっぱり勝利はスタジアムで味わわないと。

*1:天皇杯では愛媛FC戦で3−2で勝利している。ギリギリだけど。

*2:でも試合は0−0。ちなみに昨年9月4日の徳島ヴォルティス戦以来のリーグ戦勝利。嗚呼そんなに勝ってなかったか。

*3:試合後、マッスルに太田が飛びつき、押し倒して勝利を喜びあっていましたが、どう見てもバッファローマンvsキン肉マンです。本当にありがとうございました。

*4:特殊事例の3点目を除くと、1・2点目はそれぞれマイボールになってからボールタッチ3〜4回で運び、フィニッシュまでたった10秒と11秒。過去に例のないほどカウンター攻撃が鍛えられてます。