群馬県のスタジアム問題、その3。「ザスパ草津」というケース。

一緒にJにいきたいなぁ。

昨日のつづき。前回までで現在の群馬県のスタジアム問題をまとめてきた。ここからはより個人的な意見になる。昨日引用していた記事には以下のような文章もあった。

今季、JFLに昇格したザスパ草津群馬FCホリコシのホームゲームのうち、二十六試合は本県で行われる。*1会場は県営陸上競技場(前橋市)県営サッカー・ラグビー場(同)伊勢崎市陸上競技場(伊勢崎市)太田市運動公園陸上競技場太田市草津町本白根第三グラウンド(草津町)の計五競技場。
これらの競技場は収容人員やピッチの広さなどいずれかが足りない。J規約を満たすには、すべての競技場の改修が必要になるわけだ。

引用部分は「J規約を満たすスタジアムは既存の施設のままでは無理。新設か改修か」の文章の導入部分になっている。
自分はここで少し違和感を覚えた。JFLの規約ならば、県下の主な施設のほとんどを使用でき、山間部の草津町のたった座席一千、全部でも二千五百席しかないグラウンドでもゲームが開催できるのか、と。
もちろんザスパ草津は「目指せJ」のクラブであり、その看板を掲げているからこそ、支持してくれるサポもスポンサーも存在する。選手も集まる。Jを目指しているからこそ、ザスパザスパでいられるのだ。それは間違いない。しかし、ことスタジアム問題に関して云えばJFL所属である今のほうが恵まれているのではないだろうか?

山間部の温泉町を本拠とする、既存のクラブとはやや毛並みを異にするザスパ草津。JFL所属の今季は、県下全域・都市部のスタジアムを巡業し、県下全域に存在をアピールできる形。また熱心なホームタウンである草津町でも1試合ながらゲームが開催される。地元には待望のゲームであるし、クラブ側としても地元に義理と面目が立つ。諸般の事情により、都市部でのホームゲームは止むを得ない。*2しかし地元でも回数は少ないが、試合は開催される。これはこれで地域密着の一つの理想形なのではないだろうか。

今までJに加盟したクラブと地元地域はすべからく幾重もの努力を重ね、資金を調達し、J規格のスタジアムを用意して、Jに参戦している。以下の話は、その事例と業績には充分敬意を払ってのもの。

まだ将来の話だが、規約どおりに群馬にホームスタジアムを1つ用意するとして、サッカーとJの競技の問題上、ピッチに関しては規約どおりに必要だが、収容員数が1万席に満たないスタジアムでのゲーム開催が出来るよう、規約の変更は出来ないだろうか。*3山間部の温泉町からJを目指す特異なクラブゆえのねじれかもしれないが「都市部にあるJ規格のホームスタジアムと、小さいながら熱心なホームタウンにホームタウンスタジアムと、本拠を2つもつ」という先例はダメだろうか。今後の同様のケースでJを目指すクラブの先鞭をつける形、後にもつながると思うのだが。

*1:南長野など隣接県がホームのゲームもあり。なぜだ。なぜなのだ。我が家からは草津より近いけど。

*2:現在の時勢・自治体の経済状況を考えれば、都市部以外にJ規格のスタジアムを建設することは、やはり冒険である。今のJ2で観客数が5千にも満たないカードも存在していることは忘れてはならない。文化をコストで見ることは文化の本質を見誤ることかもしれないが、やはり税金を使う以上、赤字は少ないに限ると考える。サッカーが自治体財政を圧迫するなんてイヤだし。

*3:さすがに二千五百席じゃ少ないと思うけど。ザスパに限った話ではなく、座席数に拘束されなければ、巡業という形でホームタウン隣接の周辺、県下全域などにアピールできる試合も組めるのでは。観客動員で悩むJクラブにそういう選択肢があっても良いのではと考える。