QBシャッフル2004。ケリー・コリンズがオークランドに移籍。

二度目の復活を信じて。

http://www.nfljapan.co.jp/nfl/raiders.html

●QBコリンズ、レイダースへ
先月ジャイアンツを解雇されたQBケリー・コリンズがレイダースと契約した。
NFL9年のキャリアのコリンズは、ジャイアンツが今年のドラフトでQBイーライ・マニングを獲得した4日後の4月28日に、チームを解雇されていた。31歳のコリンズは昨シーズン最後の3試合を負傷により欠場するまで、67試合連続でジャイアンツの先発QBを務め、2000シーズンにはジャイアンツをスーパーボウル進出へと導いた。

コリンズの加入により、レイダースの2002シーズンにリーグMVPに輝いた38歳のQBリッチ・ギャノンに対する処遇が注目される。ギャノンは2002シーズンにレイダースのスーパーボウル出場に貢献したが、昨年は肩の負傷により故障者リスト入りしてシーズンを終えると、チームも4勝12敗と低迷した。

現時点では、チームはギャノンに対してギャノンがスターターであることを伝えている模様。しかし、今シーズンの年棒が700万ドルに達するギャノンは、減棒を受け入れないと公言していることから、コリンズの契約をきっかけにレイダースがギャノンを解雇するという可能性も出てきた。

毎年恒例のQBシャッフルが始まった。次の注目ニュースはリッチ・ギャノンの去就とカート・ウォーナーの落ち着き先。あとティム・カウチもか。なにかブラウンズは移籍確実のカウチに「キャンプに来なくても良いよ」と云っているらしい。ベテラン勢はともかく、QBは10年かけて本物になるポジションなんだからもう少し長い目で見ないと駄目。これに関しては、件のケリー・コリンズに関して以前書いた96年のカロライナ・パンサーズのコラムからの抜粋を。

●ケリー・コリンズ(QB12・95年D1巡:ペン州立大)
GMポリアンが「ジム・ケリーのようなQBになる」と評して指名したエースQB。1年目は新人らしいミスが多かったが、この96年は安定したプレーと、大勝負での勝負強さを発揮した。数字でみればQBレイティング79.4と「まずまず」の成績だが、強豪SF、DAL戦での落ち着いたプレー振りは、大器の片鱗と見えた。

●それからのコリンズ・・・相次ぐトラブルの果て、遂にSB出場!
さらなる成長を期待されたコリンズだったが、その重圧に耐えられず酒に溺れ、プレーに精彩を欠いていく。また負傷退場、人種差別発言問題(真偽の程さえ確かでない)、飲酒運転など相次ぐトラブルに、さらに彼は沈んでいった。98年に放出され、NOに拾われるが満足な成績を残せるはずもなく、99年にはNYGに移籍。この当時の彼の評価は「ドランカー&トラブルメイカー」が定着していた。もう彼は過去の選手だった。

しかし、その評価が過去のものだった。プレッシャーに潰されていた若いQBは、どん底から這い上がるタフな人間に成長していた。アルコールとも決別し、プレイに打ち込む中、エースQBに昇格。かつての輝きを取り戻した彼は、00年にチームのSB出場に大きな貢献を果たした。記していて彼がまだ6年選手であることに気が付く。幾分遠回りはしたがSBにも出場できた。もう周囲の期待に潰れる事はない。彼はまだまだ成長するだろう。

余談ながら、コリンズのルーキー時95年のQBレイティングは61.9で、エースQBの中ではブービー賞でした。最下位は2年目のトレント・ディルファーで、60.1(当時TB)。このQB成績のビリとビリから2番が00年にSBで対決するのですから、QBにはつくづく経験が必要なものであると痛感させられます。

まだまだエースQBを張れる男。ただ非情の紋章を身にまとう以上、マイルハイでは土産はやれないが。