JFL前期第15節、群馬県巡業、第2回。

東京も大阪も一緒。

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ザスパ草津 2−1 佐川急便大阪 
(6月13日13:00/群馬県伊勢崎華蔵寺公園陸上競技場/4,007人) 
ザスパ草津スタメン:サブ
−−−佐藤−−堺−−−−:高須、吉本
−寺田−−山口−小久保−:岩本
−−鳥居塚−−大谷−−−:
−小川−小田島−加藤−−:依田
−−−−−小島−−−−−:北
佐川急便大阪スタメン
−−−−秦−−塩澤−−−:
−嵜本−岡村宜−山崎−−:
−−堂森−−岡村政−−−:
−大谷−−中垣−−影山−:
−−−−−植田−−−−−:
●得点経過
26分:大谷圭志(草津)
55分:塩澤達也(佐川大阪)
64分:小田島隆幸(草津

∩( ・ω・)∩ 久々の勝ち点3&大谷デビューゴール、バンジャーイ&_| ̄|○ 審判ハンドって反則知らないの?
この日、試合が開催される群馬県伊勢崎市は、前橋・高崎を中心とした県中央部と、太田・桐生を中心とする県東部の中間に位置する都市である。普段は前橋市にある敷島公園競技場をホームとするザスパ草津にとって、県内巡業の第2回目にあたる。第1回目の太田市につづき、ここ伊勢崎市でも県下に活動と存在を広くアピールしたいところ。
そのザスパ草津は5月12日以来5試合勝利から遠ざかり、前節には初の連敗を喫している。シーズン序盤からの貯金もあり前節は敗北ながらも、他会場の結果を受けて前期第3位が確定、天皇杯JFL枠での出場権を得ることができた。日を置かず次週から開始される後期のためにも、前期最終節は勝利したい。というかそろそろ勝たないと、などと思いながら伊勢崎には10時ごろ到着。
この日は、スポンサーのセガと県下書店チェーンとのタイアップイベントとして「サカつく04・発売記念ゲーム」となっており、会場前で小規模ながらイベントが行われた。「群馬県にスタジアムを」署名運動には後藤、樋口、宮川らが参加して署名を呼びかける。ベンチ入りしていない選手も伊勢崎にいたことは、試合終了後に判ることに。また試合後の夕方から会場近くにあるスポンサーの伊勢崎市の書店にてサイン会とのこと。こういう催し物は勝った後にやりたいところだ。
11時に開場、今日はホーム側に陣取る。FC東京より来たる、大谷圭志選手がいるかどうかを練習中にも確認したいため。新聞報道などでは「後期より出場が予定」とされていたが、大谷の故郷がここ伊勢崎であることを考えれば、ベンチ入りくらいはあるのではないか、と考えられる。
しばらくして、ザスパの選手がピッチ状態を確認するために、ちらほらと出てくる。山口貴之、高須洋平と共に背番号30が登場、大谷圭志だ。とても堂々としていて、山口・高須らチームメイトとも談笑。前橋育英の先輩ではない二人と一緒にいるところなどを見ると、うまくチームに溶け込んでくれたようだ。ピッチから引き上げる際にサポから声を掛けられ「今日はスタメン出場」と返事。スタメン発表に先駆けること1時間。ほのぼのJFL風味。
試合前の練習には、背番号4、今季モンテディオ山形から加入してくれた依田光正が登場。シーズン直前に負傷、先月には負傷は癒えたものの、今度はコンディションを崩していた依田がピッチに戻ってきた。大谷といい、依田といい、朗報がつづく。あとは結果だけなのだが。
今日の対戦相手の佐川大阪は、ここまで引き分けをはさんで4連敗ながら、昨季は4位の強豪。また連敗も昨季の1〜3位との連戦であることを考えれば、決して調子が悪いわけでもないだろう。発表されたスタメンにも元Jリーガーがズラリと並ぶ。
ザスパのスタメンは、本人のリークどおり(笑)に大谷がスタメンデビュー。ボランチ2人の3−5−2。左SHには従来どおり寺田、右SHには小久保が入った。復帰の依田はベンチスタート。
キックオフから激しい中盤の主導権争い。佐川大阪は元ガンバ大阪の岡村宜と元モンテディオ山形の岡村政がゲームを組み立てて、両サイド攻撃を意図。ザスパは右サイドの小久保が本来のポジションたる中央の攻防に参加して、山口・鳥居塚と共にボールを奪取、左サイドの寺田か、DFラインの裏をとるFW佐藤にあわせる形を画策する。*1
自然と空いてしまうザスパの右サイドのスペースは、大谷がケア。入団記者会見での「本来のポジションのボランチのプレー見てください」の言のとおり、攻守にからむ活躍。佐川大阪のSH嵜本に対するケアを見ると、FC東京でのサイドハーフの経験も無駄ではないと思う。初出場とは思えない身振り&声だしの指示は、前橋育英でキャプテンを務めていたころからの財産だろうか。ザスパのファーストシュートも大谷のミドル。これは枠を捉えなかったが、会場から大きな拍手が上がる。
ゲームは中央での数的優位を作ったザスパが徐々に押し気味の展開。前半26分のザスパのCKは佐川大阪にリフレクトされるが、ボールはザスパがキープ。カウンターケアで後方に残っていた大谷にボールが戻される。ゴール前への放り込みを予想してポジションをとる佐川大阪だが、大谷は25〜30メートルのミドルシュートを選択、これを見事に決めて待望の先取点。会場のどよめきと歓声の中、佐藤と小久保の前橋育英先輩コンビらから手荒い祝福を受ける。後のコメントでは、最初のミドルシュートの感触が良かったので、チャンスがあればまた蹴ろうと思っていた、とのこと。ザスパ草津デビューと故郷伊勢崎への凱旋に花を添えることが出来た。ちなみに試合最初のイエローも大谷がゲット。
久々に先制したザスパの試合展開は、過去5試合に比べれば苦労は減る。ハーフカウンターで待ち受ける相手に先制されて追撃しなければならない試合が続いていただけに、真っ向勝負で臨んできた相手に先制でき、さらに相手に引きこもらせない布陣を強いるのは、ザスパにとっては好都合。だが強豪佐川大阪のダイレクトプレーからの素早い展開に2度決定的なピンチがあったが、これはGK小島の神セーブと判断良い飛び出しで乗り切った。またこのゲームは主審の笛の判断がどうにもはっきりせず、あやふやな判定が続く。また2回佐川大阪の選手のハンドを見逃す。これは後半も困ったことつながる。*2
後半もザスパが押し気味の展開。攻めつづけ、全体的にあがり気味になっていた後半10分、佐川大阪の華麗なカウンターで同点に追いつかれる。左サイドからラグビーのように次々に右サイドの山粼までダイレクトでつなげて、ザスパのエンドで山粼が鋭く折り返し、中央の塩澤に合わせた。お手本のようなカウンターでした。
その後は一進一退。あやふやな主審の笛は変わらず、しまいに佐川大阪ペナルティエリア内での佐川大阪側のハンドを見逃す大ミス。ハンドという反則をご存知ないようだ。殺気立つスタンド席の目前のサイドで、佐川大阪がまたハンド。ようやく笛が吹かれるが、ボールに触れてもいない山口のハンドとされて佐川大阪ボール。右腕に「ボコン」という感じで腕にあたりボールが転がったのを眼前にしていた観客からは当然のように、大きく抗議の声が上がる。
困ったことに、主審はゲームの展開が読めないようでパスに接触寸前、走りこむ選手が視野に入らずぶつかってしまうなどゲームの流れを自ら断ち切ってしまっていた。Jリーグの審判があれこれ問題ありと云われるだから、仕方ないのだろうか。
とにかく後半19分、佐川大阪DF影山につぶされつづけていた左サイドの攻撃が、ようやく奏功したザスパにCK。鳥居塚のクロスに、DFなのにチーム得点王の小田島が頭であわせて2−1と勝ち越し。
後半81分には依田が投入されて守備固め。佐川大阪というよりは審判に自陣に押し込まれる展開が続く。最後の15分はとにかく笛を吹かれて佐川大阪のFKからのリスタートが連発、笛と同時に自陣へ引き返す佐川大阪の選手たちが、自分たちがFKを蹴るのだ判って、あわててザスパ側へ戻るシーンも。一時期の女子プロレスの、一方ヘのレェフリーの肩入れとか思い出した。ちょっと異常な雰囲気。*3
あいまいな笛を吹く審判に苛立ちながらも、しつこく詰め寄る選手もなく「今は試合に集中だ」と共通認識が出来ている選手とサポから同じように声が上がる。苛立っている余裕はないのだ。ロスタイムの再三のピンチ(もちろん審判ね)もなんとか凌いで試合終了。6試合ぶりに勝ち点3をゲットできた。*4
収穫は依田の復帰と大谷の加入。二人とも計算できるプレーヤーであることは、後期の15試合にむけて好材料となるだろう。強敵佐川大阪に攻め込まれる場面でも、鳥居塚と大谷が判断良く守備に回り、攻守において大谷は鳥居塚の負担を減らしていた。ここまで累積警告3枚、ザスパで最も替えのきかないポジションかつ選手であるボランチ・キャプテン鳥居塚の控えの目処がたったことは、素直に喜べる。
また試合後に、ベンチ外の選手やスタッフもピッチに出て整列「社長より皆様にご挨拶があります」とアナウンス。場内ざわつく。社長は、先日のJFL理事会に出席し、ここでJリーグ入りの意志を問われて「意志あり」と返答したこと、全部で4クラブが意志を表明したこと、Jリーグからは昇格は2チームと明言されたこと、JFL2位以内とJリーグ入りを実現すべくこれからも頑張るので、応援をお願いしたい、と挨拶。次いで植木監督が最近のふがいない試合を謝し、JFLでなかなか勝てないことも判ったが*5、選手とスタッフは皆全力を尽くしている、今季JFL2位以内を目指すので、応援よろしくお願いします、との選手・スタッフ一同と深々と礼。「ザスパ草津」コールで応えるスタンド。こんな挨拶があるなら、なお勝てて良かったよ。3連敗じゃ説得力ないものね(笑)。後期第1節となる長野での試合は「目指せJ」の先輩、愛媛FC。これも大一番だ。

*1:副審が「フラッグ上げるの大好きさん」で大苦戦。エンドが変わった後半は佐川大阪が苦労していた。平等といえば平等?

*2:カードやラフの基準があまりに判りづらく、植木監督が珍しく抗議していた。大谷にイエローが出たとたんに元気に立ち上がる佐川大阪の選手とか、今度はサイドに出されても立ち上がれなかった大谷へのラフプレーは流されたりとか。素人目にも、審判が試合展開をきちんと追えていないことが判ったし、抗議も致し方なし。

*3:ゴール前の接触プレーで小島立ち上がれず。「小島寝てろー」の声もあがるが、交代枠を使い切った直後のプレーであり、即「小島、起きてくれー」に変わった・笑

*4:試合後、佐川大阪の岡村政選手が植木監督や小久保、依田と挨拶して握手。ミニモンテディオ山形同窓会だった。

*5:これは今季開幕前のインタビューで、今季目標は6割くらい勝てる5位くらい、と語っていたので再認識くらいだろう。