群馬県のスタジアム問題その9。スタジアム改修費が補正予算化へ。

け・県都前橋、糸の町。

ようやく時間がとれたのでアップ。上毛新聞のリンク先は1週間限定なので割愛。8月17日の上毛新聞、1面のトップ記事で報じられた。

陸上競技場を改修 ザスパJリーグ昇格
ザスパ草津のJリーグ昇格に備え、環境整備策を検討している県と公募県民の「Jリーグ発新ぐんま活性化プロジェクト」は十六日、昇格要件の「ホームスタジアムの確保」について「県営陸上競技場の改修で対応することが適当」との報告書をまとめ、小寺弘之知事に提出した。これを受け、県は九月補正予算案に総額八億円程度の改修費を盛り込む見通し。

事務局によると、スタジアム問題は、県内にJチームが誕生することの効果、スタジアム整備の経費、県民の理解が得られるか、などを基準に公的支援の是非を含め総合的に判断した。

このうち経費は、陸上競技場を改修する場合、ピッチ(サッカーコート)と照明設備の改修、観客席の増設で計八億円と見積もった。

いままで触れたとおり「費用最小・工期最短」の前橋市敷島公園陸上競技場のJ規格改修案を担当協議会が知事に報告、費用約8億円が9月の補正予算化がほぼ決まった。専用スタなど夢を語ればキリがない問題だが、J来季に合わせてJ規格のスタジアムが群馬県にひとつ誕生することになる。この一事が実現しただけでも、行政の迅速な行動に感謝したい。

これに対し、別の有力候補となっていた県営サッカーラグビー場は、敷地を拡張して新たにメーンスタンドを建設したり、照明設備を新設する必要があるため、総額五十億円程度と推計。「財政事情から大きな負担は望ましくない」(ホームスタジアム分科会)との判断が、主な決定要因となった。

加えて要因を挙げれば、サッカーラグビー場の改修はどちらかと云えば「とり壊しを含む新設」に近い。また敷地面積拡張の問題から、ほかの施設にも影響を与えるので、やはり現実的とは云い難かった。

改修のスケジュール案も、Jリーグとの調整を経て報告に盛り込んだ。来年のシーズンが開幕する三月までにピッチ工事を終え、照明はシーズンの早い時期に、客席は来年度中に完成させる。

この文章の持つ意味は大きい。改修スケジュールは「Jリーグとの調整を経て」決定したのだから、Jリーグは「群馬県が来季中にスタジアムをJ規格に改修してくれるなら、ザスパ草津のホームスタジアムとして認めましょう」とほぼ同義となる。

ザスパ草津群馬FCホリコシの同時JFL昇格、ここまでのザスパ草津の好成績(現在2位)、JFL新記録の観客が集まったことで、行政も素早く動いたし動きやすかっただろう。2クラブと彼らをサポートする人たち全ての意思が形になる所まで来た。「群馬県のスタジアム問題」はようやく落ち着くところに落ち着こうとしている。あとは議会を通って正式に予算化されるのを待つばかりとなった。

「プロジェクト」は、県の関連各課と前橋市草津町の各代表十五人と、公募に応じた県民五人で構成。九月末のJリーグ参加申請締め切りを控え、スタジアム問題を優先して協議。懸案のスタジアムの場所の確定により、今後、交通アクセスや経営支援策など他の環境整備の協議が一気に加速するとみられる。

競技場をザスパと共用することになる県陸上競技協会は「県が総合的に判断した結果であれば、その方向で調整を図りたい」(中村寧孝総務委員長)とする一方、芝の管理体制を整えるよう同日、県に要望した。

敷島陸上競技場改修はほぼ予想どおりだから、各分科会もすでに動きだしていることだろう。行政的にはなにより交通アクセスの改善(周辺道路の整理や駐車場の確保、電車バスの増発など)が急務か。県と世論を受けて陸上競技協会も折れてくれる形になった。あとは陸上競技の運営にどこまで配慮が出来るか。施設使用の優先権を確保したといっても、陸上界との共用施設なのだし相手を尊重しなければならない。サッカーラグビー場も隣接しているのだから、ザスパ草津とサッカーが母屋をのっとったように見える振る舞いだけはしてほしくない。

スタジアムが決まったことについて、ザスパ草津の運営母体、草津温泉フットボールクラブの賢持宏昭社長は「大変ありがたいこと。なおさら頑張らないと、と感じている。より多くの県民の支援を得られるよう、経営基盤の強化にも一層、努力したい」と話している。

社長やスタッフは経営強化、現場は「原則2位以内」実現のために残り9試合を戦うだけ。中位から上位陣との試合ばかりでひつとも気が抜けない。サポはひたすら応援だ。各員一層奮励努力セヨ。Jリーグ加盟が現実の目標として目の前に現れた。