昨夜のスマスマ特番とパペポの思ひ出、その2。

昨夜の「SMAP×SMAP」は、お笑い芸人の様々なエピソードを関係者に語ってもらう、という映画「笑いの大学」の宣伝も兼ねた特番であった。ここで前田武彦さんが「今はスタッフにわざわざ笑う人を入れたりしているけれど、当時は・・・」と語られていた。これを聞いて思い出した、ある日のパペポ
どんなアクシデントだったか、もう覚えていないけれど、その日のパペポはなんとお客さんを入れないでの収録。ガランとしたフロアの前で「なぜこのような収録になったか」を上岡・鶴瓶で話し始めた。その直後、上岡さんの話にスタッフの一人が笑った。笑い声を入れた。あちこちのバラエティ番組で、番組中にスタッフの笑い声が普通に入り始めた頃だったと思う。すると上岡さんは、「オマエの笑い声なんか要るか! 普段どんな番組を担当しているか知らんが、(パエポでは?ワシの前では?どちらもかな?)二度とするな!」と収録中なのに怒った、と記憶している。
このスタッフに悪気はなかったろうし、普段観客を入れないで収録しているバラエティ番組では、そうすることで現場を盛り上げるのだろう。この日のパペポはいつもと違う人気のないスタジオでの収録だから、自然と「笑った」のだと思う。でもこのスタッフは「パペポ」と「上岡龍太郎」を理解していなかったと考える。たとえお客さんが一人もいなくても、パペポにスタッフの笑い声は、やはり要らないのだ。
話をスマスマ特番の前田さんに戻して。前田さんは「たとえお客さんの入っていないスタジオでも、遠い場所に(テレビの前に)いるお客さんを感じることが出来た、番組の生放送部分には達成感を感じた」と述べられていた。大橋巨泉と並んで二大司会者と称せられた前田武彦の経験の為せる業なのだろう。
前田さんと辿ったキャリアは違えど、上岡さんも豊富な経験を持つ芸人であり、「楽屋話の延長」のスタイルをとりながらも、パペポは「芸人の舞台」なのだ。たとえお客さんがゼロであろうとも、上岡・鶴瓶コンビは「遠いところにいるお客さん」を感じながら話が出来るのだろう。だから普段と一緒なのだ。一緒のことが出来るのだ。しかし、それが解かっていないスタッフがいた。「お客がいる舞台で、芸人の話にスタッフが大声で笑う」。やはりダメだろう。
加えて。上岡さんの怒りには「客と笑い声がない収録で『スタッフの笑い声』の助けが必要な芸人だとオマエは思っているのか、上岡龍太郎を舐めるな」という部分もあったのだろう。普段担当している収録番組、テレビタレントと「板の上での足腰が強い(=アクシデントや難問を乗り切れる・乗り越えてきた)」芸人の差をスタッフは理解すべきだったのだ、と思う。
そう考えると「テレビなのに舞台。舞台なのに楽屋のごときしゃべくり」のパペポTVは、そのシンプルなスタイルゆえに不思議な番組だったのだなぁ、とつくづく思う。