NHK-BS録画中継「柏レイソル−群馬FCホリコシ」戦を見るつもりのあなたに送る、群馬FCホリコシってどんなチーム?

SH772004-11-12

明日と明後日はいよいよJ1クラブも出陣してくる天皇杯4回戦ですよ。明日のNHK-BSはライヴ中継が「ジュビロ磐田佐川急便東京SC」のジュビロ山本監督の初采配試合、録画中継はJ1vsJFLの「柏レイソル群馬FCホリコシ」が予定されている。おそらくご覧になるおつもりの方々も多いだろう。
駄菓子菓子。「レイソルはともかく群馬FCホリコシってどんなチーム? J加盟申請したとか今年は断念したとかのニュースは見たけどね」なんて方もいらっしゃると思う。そんなあなただけに送る!(テレビショッピング風に)群馬FCホリコシの観戦前予備知識「群馬FCホリコシってどんなチーム?」。

群馬FCホリコシ天皇杯群馬県代表(JFL第7位・11勝7分9敗・勝ち点40)
略歴:学校法人が母体となり2000年度から活動を開始したサッカーチーム。それぞれ1年で県リーグの2部、1部と順調に昇格、02年は関東リーグ2位に。昨年03年に関東リーグで優勝し全国地域リーグ決勝大会も準優勝を成し遂げる。JFL入れ替え戦も勝利して今年からJFLに昇格する。参戦1年目から勝ち越しており、現在さらに上位が狙える位置につけている。

●監督:池田司信
略歴:日産自動車の選手時代に天皇杯優勝経験アリ。松下電器で現役引退する。その後はガンバ大阪サテライト監督、松下電器女子サッカー部監督、ユニバーシアード代表監督、U-19女子代表監督を歴任している。昨季より群馬FCホリコシの監督に就任し、1年目でJFL昇格を実現させた。

今季のJFLでの采配を見ての感想を一言で云うと「的確」。毎週の対戦相手を想定した攻守の意図をそれぞれの試合で感じることが出来る。選手にそれを植え付けることが出来る手腕もおありなのだろう。試合開始後も前半途中、遅くとも後半開始時点で問題点になんらかの修正が的確に加えられるのもスゴイ。スタンドの高い所から観戦していて「今日はここがダメだな」と思っていると、そこが修正されていくのを観るのが群馬FCホリコシ戦の個人的な楽しみの一つである。天皇杯にむけてはJFLリーグ戦で国士舘大相手に「仮想柏レイソル用カウンターサッカー」を試したりと準備は進行中で、ただ当たって砕けるつもりはない模様だ。

●普段のスターティングメンバーたち、GK・DF編。
GK1井坂進一:このチーム一筋。勇気がありすぎる飛び出しと大声のコーチングが売りの熱血GK。好セーブをすると、どんどん調子とテンションが上がってくるキーパーズ・ハイな選手。多分明日の放送でも「クリアーーー!!」「カンダ、カンダ!」の声が全国に流れると思われ。
DF4神田文之:ヴァンフォーレ甲府。左SBでDFラインのリーダー。ハーフウェーラインを超えて攻め上がることは少ないが、攻撃参加するとダイレクトパスの応酬でゴール正面まで迫るなど、攻撃に変化をつけられ、得点機に結び付けてくる。守備はかなりシツコイ。よくGK井坂から「カンダ、カンダ!」とコーチングされているが、ポジションやプレーが悪いとは思えないので、頼られているのだろう。
DF15三本菅崇:浦和レッズ水戸ホーリーホックヴァンフォーレ甲府。CBでスイーパー的な役割も担当。空中戦に強くHonda FCの必殺クロス攻撃をほとんど全てヘディングではじき返していた。後述するチュウミとのCBコンビはJFLでも屈指と思われる。選手紹介で「黒い大魔神」と呼ばれているけど、少し気の毒かな。ご本人が気にしていなければどうでも良いことなんだけど。
DF20小山大樹:静岡産業大出身の右CB。大学時代にJFL44試合に出場しており、チームの誰よりもJFL歴が長かったりする。さらに攻撃の隠れキーパーソンで、彼の攻め上がりが攻撃を活性化させている。SBゆえサイドからのクロスが多くなるが、中央にドリブルして相手3人を引き付けてからライン裏にノールックスルーパスを決めるなど、攻撃バリエーションは豊富。守備とフィードの精度が上がれば、さらに危険なSBとなるだろうし、Jでも観てみたい選手の一人。
DF27チュウミ:U-23カメルーン代表。就労ビザの関係などで後期第8節からの出場になったらしい。ヒザの負傷をおして出場していた小川大介の替わりに左CBに入る。さすがアフリカンと云うべきか1対1での競り合い、ハイボールの処理で負けたのを観たことがない。スピードもあるので2列目の飛び出しへの対処もうまい。コミュニケーションも問題ないようで、実は結構スゴイ補強選手なんじゃないかな。J1レベルでの実力測定が楽しみ。

●普段のスターティングメンバーたち、MF編。
MF7菅野賢一:柏レイソル川崎フロンターレ水戸ホーリーホック。チーム最年長でリーダー役。ゲームには途中出場が多いが、ゲームの流れを読んだプレーが出来る選手。ハーフタイム中の練習終わりでピッチに出てくるスタメン一人一人に声をかける様は、なにかとても良いものを見させてもらった気になる。古巣相手に出番が欲しいけれど、どうだろうか。
MF9蔵川洋平横浜Fマリノス。ゲームキャプテンにして、このチームの大黒柱。キープ力、パス精度、献身的な運動量、フリーキックと武器が多く、正直このレベルではもったいない選手と確信する。明日もかなり背番号9は目立つはず。と云うか彼が目立たないと勝負にならないかも。普段は左サイドに展開したりトップ下に入ることが多いが、柏レイソル戦ではボランチ山田智也の負傷を受けて、その位置に入ると予想される。
MF13山田智也:ウルグアイでのプレー経験を持つ武南高出身ボランチ。中盤の底での守備の要。羽山拓己とのコンビは安定感バツグンだが、先のYKK AP FC戦では松葉杖をついている姿を見たので、出場は無理そう。無理せず、焦らず治してください。
MF14羽山拓己:読売ユース出身、東京ヴェルディベガルタ仙台。今季新加入ながら山田とのボランチコンビは相手トップ下を何度も無力化させてきた。天皇杯では蔵川とコンビを組むことになりそうだが、そうなると守備専念かな。

●普段のスターティングメンバーたち、FW編。
FW11森陽一横浜Fマリノス。チームのエースストライカー。少女漫画に出てくる「格好良いサッカー選手」みたいなフォワード。関東リーグではぶっちぎりの得点王に輝き、プロレベルFWの実力を見せつけた。今季JFLでもここまでで12得点ランキング8位につけている。群馬FCの攻撃がはまったときはダイレクトパスの連続でゴール前の森につながりフィニッシュになる。簡単なシュートを外すのに難しいシュートを決めるのが得意。ナゼなんだろう。ただ勝負どころではなんとかしてしまうので、さすがエースと云うべきか。西澤みたいに襟を立てたり、入場は必ず最後尾で入ってきたり、自分ルールが色々あるらしい。愛媛県出身、徳島市立高卒、現群馬FCホリコシ所属と、現在JFLの「目指せJ」県全てに関わりがある、おそらくただ一人の現役選手。人の運命は様々だ。
FW16町田多聞:浦和市立高、筑波大と高校・大学サッカーの名門ルートを通ったFW。主に右ウイング的な仕事多し。森の動きで出来たスペースや後方からの飛び出しで得点を狙っている。森と違い、簡単なシュートを決めるが難しいシュートは決まらない。森が難しいのを決める担当ならそれで良いのかもしれない。
FW17ダニロ:ブラジル選手だが、関東一高出身で日本語問題ナシ。とにかく足が速く、後半途中投入で相手DFにダッシュを強いる。こねくりドリブルよりもパスを選択するのも良い感じ。
FW18小松原学元平塚/湘南ベルマーレヴァンフォーレ甲府。知る人ぞ知る「Jリーグ最年少出場記録」を持っていたFW。負傷から回復して、今季から群馬FCホリコシに加入。今季開幕から3試合でハットトリックを含む5得点をあげるが、その後は捻挫など負傷で調子が上がらなかったのか、ベンチからも外れることが多かった。しかしここ数試合は途中出場から先発にも復帰した。得点はまだないが、やはりシュートアイデアなどに非凡なセンスを感じさせる。柏レイソル戦でなんとか活躍して欲しい選手。
FW25奈良安剛:コンサドーレ札幌ザスパ草津ザスパ草津JFL昇格の立役者だったが、今季から群馬FCホリコシに移籍した。1.5列目での変幻というかトリックプレーを好む。また悪役キャラを自認しておりスキンヘッドと眉ナシがキャラを際だたせている。群馬ダービーではブーイングの嵐だったが、ピッチではヒールキャラの奈良であること、普段はとても礼儀正しい好青年であることを知るザスパ草津サポはとても複雑だった。天皇杯に出場すれば、相当目立つこと請け合い。

●予想フォーメーション。→●背番号だと。
−−−小松原−森−−−− −−−18−11−−−
−奈良−−−−−−町田− −25−−−−−16−
−−−羽山−−蔵川−−− −−−14−−9−−−
−神田−−−−−−小山− −4−−−−−−20−
−−チュウミ−三本菅−− −−−27−15−−− 
−−−−−井坂−−−−− −−−−−1−−−−−

あくまで個人的な感想が主だけれど、ご参考になれば幸い。昇格1年目ながらJFLでもかなりの好チームに成長していると考えるが、先のアルビレックス新潟と試合を観る限り、柏レイソルの調子は上向きになってきていると思われ、やはり自陣に押し込まれる厳しい戦いになりそうだ。明日は「ザスパ草津はどんなチーム?」をお送りいたします。