NHK-BSライヴ中継「セレッソ大阪−ザスパ草津」戦を見るつもりのあなたに送る、ザスパ草津ってどんなチーム?

SH772004-11-13

明日はいよいよザスパ草津がJ1クラブのセレッソ大阪に挑む天皇杯4回戦ですよ。明日のNHK-BSはライヴ中継が「セレッソ大阪ザスパ草津」、録画中継は「名古屋グランパスHonda FC」が予定されている。おそらくご覧になるおつもりの方々も多いだろう。
駄菓子菓子。「セレッソはともかくザスパ草津ってどんなチーム? 温泉町で働きながらJリーグを目指しているとかいうニュースは見たけどね」なんて方もいらっしゃると思う。そんなあなただけに送る!(テレビショッピング風に)ザスパ草津の観戦前予備知識「ザスパ草津ってどんなチーム?」。コピペ丸出し。

ザスパ草津天皇杯JFL3位代表(JFL第2位・19勝4分4敗・勝ち点61)
略歴:前身はサッカー専門学校リエゾン草津。02年にJリーグ加盟を目標にザスパ草津に改称。選手が温泉町で働きながらサッカーを続けるスタイルが話題を呼んだ。02年に県リーグ1部、03年に関東リーグ2部優勝。「飛び級申請」で全国地域リーグ決勝大会の出場権を得て、この大会で優勝しJFL昇格を果たす。今季はJ加盟を目標に戦力を補強してJFLに参戦、前期3位で折り返し後期も現在まででJ加盟条件である「原則2位以内」クリアまでもう一歩までの好成績を残している。

●監督:植木繁晴
略歴:ベルマーレ平塚モンテディオ山形監督を経て、02年のザスパ草津誕生より指揮をとる。考えうる最短コースでチームをJ加盟にまで導びいて来ている。なにげに元日本代表選手。

今季のJFLでの采配を見ての感想を一言で云うと「試行錯誤」。J加盟を実現するため、今季ザスパ草津フロントはレンタル選手も含めて多数の選手補強を敢行した。ゆえに植木監督は昨季と選手の約半数が入れ替わった「寄せ集め」を指揮指導し、選手起用と布陣などを実戦で調整しつつ結果を残すことを余儀なくされた。それでも当初目標だった「5位程度」をクリアしてJ加盟条件の2位以内を達成しようとしていることは評価に値するだろう。後期第1節の愛媛FC戦の前半に2点のリードを許した後での3−5−2から4−4−2への変更を「頭にきて、やけっぱちで変えた」とのたまうスリリングな一面もある指揮官だ。

●普段のスターティングメンバーたち、GK・DF編。
GK22小島伸幸ベルマーレ平塚アビスパ福岡。ご存知、98年フランスW杯代表「ヒゲ」GK。地元出身選手でもあり、その知名度からもチームの顔である。瞬発力などは流石に往時のようにはいかないだろうが、集中力の切れたプレー、いわゆる凡ミスは見たことがない。安定度は抜群と云える。JFL中東遠征に参加、好セーブの連発でMOMに選ばれたりと、ますます意気盛ん。試合後に子供たちに囲まれて丁寧にサインや写真撮影に応じている様を見ていると、日本のカッコイイ親父かくあるべき、な気がする。
DF2籾谷真弘セレッソ大阪。U-18&19代表選出経験あり。通称「モミーニョ」。3バックの左右どちらかを担当し、主にハイボール処理と長身FW対応を任せられている。本人は「セレッソの選手として長居のピッチでプレーしたことがない、がんばりたい」とこの試合についてコメントしている。
DF3小田島隆幸:モンテディオ山形。3バックの中央担当。通称「オダジー」。なぜか守備より攻撃参加やセットプレーで目立つ。FW吉本淳の後期の活躍があるまではザスパの得点王だった。良いんだか悪いんだか。
DF4依田光正モンテディオ山形。開幕前に負傷、負傷回復後に体調を崩し、実質後期からのデビューとなった。佐田聡太郎に代わって右SB、SHに入る。当初は効果的な攻め上がりが発揮できず苦労していたが、最近は攻め上がりすぎなくらい、攻撃に参加している。サイドからのクロスよりもドリブル突破を好んでいろ模様。
DF17小川雅己鹿島アントラーズ京都パープルサンガセレッソ大阪湘南ベルマーレ水戸ホーリーホック。鹿島に帰った奥野監督兼選手の代わりにDF陣の精神的支柱となることを期待されて今季から加入した。そしてその役目は充分に果たしキレのあるプレーを見せてくれている。愛媛FC戦では大ピンチを体を張ってとめるなど勝負どころでの好プレーでサポの信頼も厚い。
DF25加藤寿一:アピスパ福岡からのレンタル移籍中。3バックの右を担当すること多し。最近は控えに回ることも多いが、3バックのどこにも入れる器用さでDF陣の層を厚くしてくれている。

●普段のスターティングメンバーたち、MF編。
MF6鳥居塚伸人コンサドーレ札幌で今は無きJFLコスモ四日市出身の数少ない生き残りとしても知られる。キャプテンでボランチを務める。パスセンスとキープ力に優れ、今季新加入の山口貴之と二人で中盤を支配し、JFL2位に大きく貢献している。JFLやJで多くの経験を持つことから、進路や将来を若手に相談されることが多いとか。
MF7佐田聡太郎サンフレッチェ広島からレンタル移籍中で右SH、右SBを担当する「前橋育英カルテット四男」。スタジアム改修要望署名などのピッチ外の活動にも積極的な爽やか青年であり、後期は体調不良からベンチに下がっているが、サポの人気NO1選手である。JFL中東遠征にも参加した。高校時代にはバンド活動も行っていて前橋駅前で路上ライブをしていたとか。ファン感で植木監督に「歌はサッカーよりウマイ」と誉められた。誉められた?
MF8小久保純:モンテディオ山形。1.5列目からの飛び出しが得意な攻撃的MFで「前橋育英カルテット長男」。彼が入ると豊富な運動量で中盤を走り回ってスペースをつくり、司令塔の山口貴之のパス供給を楽にさせたりもしている。ロングスローが武器で、スローインを実質CKにしてしまえる。
MF18寺田武史鹿島ユース出身の左SH。仕様とも思えるザスパ草津の前半のもたつきの中、キックオフから献身的に左サイドを駆け上がるので、サポから「お前だけだ、寺田!」の声かかること多し。FKも蹴ることが出来、地元草津での試合では決勝FKを決めている。この時、鳥居塚に強く直訴して蹴った、と報道されたが「蹴りたいんだけど」「いーよ」という会話で蹴ったらしい。
MF26岩本昌樹:アビスパ福岡からレンタル移籍中。山口貴之とポジションが重なってしまうため、出番が少ないが、強気なドリブルと飛び出しで、攻撃にアクセントをつける。横河武蔵野戦での決勝ゴールなど試合を決める活躍も多い。
MF28山口貴之ヴェルディ川崎ブランメル仙台京都パープルサンガヴェルディ川崎ヴィッセル神戸ガンバ大阪ヴィッセル神戸と幾多のクラブを渡り歩いたベテラン。JFLレベルではまずボールを奪われず、試合全体を見たパスを左右に散らせる中盤の支配者にして司令塔。「J加盟を1年早めた」最大の功労選手である。JFLの審判のレベルと判定に怒ることが多く、イエローが多いのが玉にキズ。
MF30大谷圭志:前期15節にFC東京から加入したボランチで「前橋育英カルテット三男」。チームで最も層の薄いボランチが一度に埋まり、中盤の底での守備が計算できるようになったので両サイドの攻め上がりが活性化した。大塚製薬戦で全治8ヶ月の重傷。1日も早い回復を望みます。

●普段のスターティングメンバーたち、FW編。
FW9マルキーニョス後期途中で加入したブラジル人FW。今季途中で帰国した通訳兼スタッフだったヘジーニョが紹介してくれたとか。ブラジル人選手らしく個人技・足技が得意だが、こねくりドリブルよりも味方を活かすパスやクロスを選択する。
FW13宮川大輔セレッソ大阪。昨季の主力FWだったが、今季は後期からの出場多し。ウエイトを絞って動きが良くなった。ポストプレーとヘディングで勝負する。
FW14佐藤正美:横浜FCで「前橋育英カルテット次男」。ラインの裏をとる飛びだしから、セットプレーから、相方FWへのラストパスなど周囲が見える器用なFW。ゴール後のマッスルポーズを流行らせようとしているが、相方の吉本から「付き合っているけど、ウザったい」と云われてしまった。でもサポはマッスルポーズを待っている。
FW16堺陽二:リエゾン草津からの唯一の生え抜き。途中交代での決勝ゴールなど、がむしゃらにゴールに迫るプレースタイルにサポも自然と得点を期待する。最近ようやく負傷も癒えたのでらしいので出場が待たれる。
FW27吉本淳ジュビロ磐田ユースから静岡産業大全国地域リーグ決勝大会でスカウトされてザスパ草津に。後期第1節のハットトリックでスタメンを勝ち取り、その後ハットトリックを2度含める10得点を挙げている。大学時代にもJFL31試合13得点と、Jでの来季からも楽しみな選手。「六月の勝利の歌を忘れない」で曽ヶ端が静岡産業大学から失点している映像が入っているが、その時のFWが吉本である。

昨日と今日と2日連続で書いていて思ったのが「ザスパ草津は本当に色々な選手を試しているなあ」ということ。ここに記した以外にもスタメンを張っていた選手もまだいるし。チームの組織、という点では今季JFLの対戦相手のほうが優れている試合も多かったが、個々のガンバリとJリーグを目指すモチベーションでここまでやってきた。先の大塚製薬戦でようやく形が作れてきたと思うが、ボランチ大谷の負傷で、またもフォーメーションの変更を余儀なくされるだろう。とにかくセレッソ大阪相手になにが通用して、なにが通用しないのかを見つけてきて欲しい。

●予想フォーメーション。→●背番号だと。
−−−佐藤−吉本−−− −−14−−27−−
寺田−−小久保−−依田 −18−−8−−4−
−−鳥居塚−山口−−− −−−6−−28−−
−小川−小田島−籾谷− −17−−3−−4− 
−−−−−小島−−−− −−−−22−−−−