FOXがカレッジフットボールの主要ボウルゲーム放映権を336億円で契約。

SH772004-11-24

まあ、妥当な金額で落ち着きましたね。横の画像は個人的にかなり好きなカレッジフットボールチームである空軍士官学校の「エアフォース・ファルコンズ」。
http://www.nikkansports.com/ns/sports/nfl/f-sp-tp6-041123-0015.html

●FOXテレビ、大学ボウル放送権336億円
米FOXテレビは22日、大学フットボールのボウルゲームの放送権を07年から4年間、総額3億2000万ドル(約336億円)で獲得したと発表した。FOXが放送するのはフィエスタ、オレンジ、シュガーの3ゲームと、06年から独立して行われる予定の「ナショナル・タイトルゲーム」。ローズ・ボウルはABCテレビが14年まで権利を持っている。

ちょっと以外だったのは、契約を結んだのがFOXだったというところ。
ご存知ない方にちょっと補足を。プロアメフトリーグNFLの放映権料は8年毎の契約更新のたびに高騰する。これは各テレビネットワーク全てに放送権を売るのではなく、入札制度をとって通常のリーグ戦は4ネットワークに限って売っているため。それゆえ必ずNFLゲームが「8年間も」放映できない全米ネットワークが出てしまう。圧倒的な支持と人気を集めるスポーツ中継を8年間も放映できないことは重大な死活問題であり、8年前に敗れたネットワークは今度こそ、と意気込んで大金を積み上げてくる。現在契約をしているネットワークも「負け組」にはなりたくないため、必死に金額を積み上げて対抗する。メディアよりスポンサーより優位に立つNFLゆえ行える制度と云えるだろう。ちなみに現在の放映権を持たない全米ネットワークはNBCである。8年間の不遇を打開すべく対抗リーグXFLの立ち上げに協力したが、これは1年で解散に追い込まれている。
話を戻して。各ネットワークは談合は出来ないが「NFLと契約できなかったネットワークにはカレッジフットボールの放映権を渡そうよ」という暗黙の了解があった。しかし今回契約を結んだのはFOX。今もNFLの放映権を有している。もしかしたら暗黙の了解はなくなったのか?
ちなみにNFL昨年度のレギュラーシーズン放映実績はこんな感じでした。
http://www.nfljapan.co.jp/mania/business03.html#01

●全米TV視聴、好調のままレギュラーシーズンを終える
1試合の平均視聴者数は1440万人で、これは昨シーズンの1370万人より5%増。ABC、CBS、FOXの全米地上波ネットワークでの中継の場合、平均1580万人で、これは先の3社にNBCを加えたいわゆる4大ネットワークのプライムタイム(午後8〜11時)の平均視聴者数1030万人を52%も上回っている。
主要TVネットワークが放送した番組の平均視聴者数トップ14にNFLの試合中継が4つランクインした。内訳は4位FOXの全国中継、7位にCBSの全国中継、11位ABCマンデーナイト・フットボール、14位FOX地域中継。
ケーブルTVスポーツ専門チャンネルESPNによるNFL中継は、レギュラーシーズン中のベーシックなケーブルTV番組における視聴者数ランキングトップ10のうち9を占めた。9月8日のカウボーイズテキサンズが830万人の視聴者を集め、NFL以外は8月29日のMTVヴィデオ・ミュージック・アワードが7位に入っただけだった。

視聴率でなく、視聴者数であることにお気づきでしょうか。USAは北は寒冷地のミネソタバッファロー、南は温暖なマイアミまで。東西は日付変更線を3本も引かれている広大な国。「一ヶ国」という尺度ではなく「世界地図上の一地域」と認識しないと、プロスポーツビジネスの視点で語るときにズレを起こします。全国平均視聴率なんてものはあまり参考にはならないし、重視されていません。全国平均視聴率という点ではプロスポーツ人気第1位のNFLでも10%〜15%くらいに過ぎません。考えてみれば対戦チームそれぞれの地元地域と、そうでない地域の視聴率に大きな差が出るのは当然のことで、それで「全国平均」を出したところで重要な数字足りえないのです。
転じてJリーグに触れると、サカダイのセルジオ越後氏のコラムで「Jリーグの視聴率が低い」との苦言が何度も呈されていますが、地域密着を掲げるJリーグが「全国平均」の視聴率を追うことはナンセンスであり矛盾が生じます。視聴率なんてメディアのマヤカシではなく「総視聴者数」などの別の尺度を用いて、リーグの成長振りをアピールすべきではないかと考えます。