Footival2月号で、ザスパ草津ベテラン4選手の温泉座談会。その2。

SH772005-01-20

関連エントリーはこちら。http://d.hatena.ne.jp/SH77/20050119#1106146465に。
今日Footivalを手にとって最初にしたのは、大久保くんの写真の表情が本当に同じものばかりだ、との再確認(笑)。目を開けているか閉じているかくらいの変化しかない写真を何枚も掲載する意図もあるんだろうけど。それはともかく、昨日の続きでございますよ。ザスパ草津が前期の終盤でチーム状態が下降して、栃木SC戦で負け同然の引き分けを喫した後の、後期について。

山口「でも、なんだかんだいって、後期はよく勝ち続けたよね」
小島「のらりくらりねー」
山口「今年も後期勝っていなかったら、こんなにスムーズにはいかなかったですよね」
小島「愛媛との勝ち点が15差になれば・・・とかいって具体的数字もでてきて。15点差なんて無理だよ! なんて思ってたのに」
山口「あっという間に、周りがこけて(笑)達成」
――そうやって笑って話せるのも、今こうして昇格したからこそですよね。
小島「うれしいのとほっとしているのと。さしあたっての目標を達成したから」
小川「愛媛FC戦を0−2で折り返した時なんてどうなるかと」
山口「あー無理かもなんて(笑)」
鳥居塚「でもあの後勝っていってるんだよね」
小島「天王山は押さえてたな」
鳥居塚「ポイントポイントでは勝ってたから」
小島「その運使っちゃったから、最後勝てないで終わったんだよ(笑)」

前期も後期も良かった点は下位相手にとりこぼしがなかったところ。そして後期の良かった点は、前期に負けた相手から、勝ちか引き分けで必ず勝ち点を稼げた点。おそらく小島さんと鳥居塚キャプテンがいう「天王山、ポイント」とはそういうところと考えられる。JFL15チーム相手で同一チームに2敗はなかったところも、トータルで3位に入れた要因になった。
そしてシーズン最終盤、すでに3位以内は確定していたザスパ草津は、残り3試合で1勝すれば2位以内を確定できるところまでいきながらも1分2敗。しかも最終節のHonda FC戦は2点差負けまで許されていたのに、0−3で負けてしまった。

――最後は残念ながら負けて終わってしまいました。
小川「気が緩んでたんじゃない?」
山口「3点差なんて初めてだった。グラウンドも悪くて強風だったし。条件が変わると、自分たちのサッカーができないのは、未熟なところだよね。2位になろうってあれだけいってたのに」
小川「プレッシャーに弱くない? 最後の3試合なんて特に」
山口「(天皇杯の)セレッソ戦は勝てたのにね」
小島「昔からプレッシャーのかかった試合で、終わったら半べそかくやつがいたくらいだから(笑)。精神的に打たれ弱いところがあるかもね」

J加盟は「原則2位以内」だったので問題なかったけれど、今後は絶対負けてはいけないゲームも必ずある。未熟な部分を鍛えていくべく、ベテラン4選手は今後も大いに頼みます。それにしても半べそかきは誰だ(笑)。そんなプレッシャーに打たれ弱いところもある、若い選手が多いザスパ草津を引っ張ることについては。

小島「引っ張るとかはないな。とりあえず、自分の仕事をきっちりすれば、ってことだけかな」
小川「声を出すことだけ、俺は。最初、全然声が出てなかった」
鳥居塚「このチームって声がないんですよね。本当にプロになるの? って感じだった。でも今年はヤマとかマチャが入ってくれて変わったよね。プレーひとつに対しても指摘してくれるし」
山口「いや、俺の場合『文句』だ!(笑)」
鳥居塚「『フリーでなんでミスするの』って」
山口「ツータッチゲームは最初ひどかった。ミスしても笑ってるし。きっとラモスさんが見たら『やってらんないよこの野郎』とかいって帰っちゃうだろうな、って(笑)」
鳥居塚「そんな感じで(笑)、今年は常に引っ張ってもらえたよね」

山口貴之の原点は、やはり読売SCなのだと再確認。勝つために求められるプレーのレベルを知る者だからこその「文句」だと思われ。また上位カテゴリーでプレー経験を持つベテラン選手は、練習でも必要なプレーを要求するし、そうでないと若い選手とチーム強くならないのかも。続いては、ザスパ草津総監督の植木さんについて。

小島「僕は植木さんと長いんだけど、何が悪くてどうなっているか指摘するとそこが当たる。分析もかなり綿密にして『こうやったら相手は嫌がるだろうな』とかそういうことばっかり考えてる人だから」
小川「寄せ集めのチームなんだから、ってのはよく言ってたよね」
山口「植木さんって、試合が悪い状態でも、あんまり変わらないよね」
小島「勝っている試合でもモノを投げつけたりはするけど(笑)。そっち見てるほうが面白いよ(笑)」
山口「『ほんとにもう!』って(笑)」
小島「ベンチに囲いがある場所だと、その音とかが鳴り響くの」
山口「どの試合だったかで、そういう音してましたよね(笑)」

ベテラン選手とは、周囲の期待と監督の怒りに振り回されないことと見つけたり?
植木監督がパイプ椅子を投げてたのは見たことありますですよ(笑)。結構怒っているように見えるけど、あれくらいじゃ、怒ってるうちには入らないのか。プロサッカーは厳しいなあ。そしてサポについて。

小島「県リーグでも観に来てくれる人がいて、それが少しずつ増えて。最初から応援してくれた人たちの存在って大きい。関東2部なのにJFLより動員しちゃうんだから」
山口「サポーターの存在、ほんと大きかった」
小島「相手も『こんなたくさんのお客さんの前でやるの初めて』って、張りき切っちゃって逆効果になりかねない時もあったけど(笑)。最後の試合もテレビ来てるって、本田さん頑張ってたんだもん」
山口「本田はベストゲームだったらしいよ(笑)」

カードによってはJ並みの観客動員があったザスパ草津。たしかにどのアウェイチームも頑張っていた。今季の観客動員は、JFLの各対戦相手が「お客さんからお金がとれる」レベルのサッカーとゲームをしてくれたことも大きな要因だと考えられる。
むろん、ザスパ草津を応援しに足を運んでくれた人たちが多いのだけれど、面白く興奮できるレベルのサッカーが見られるから、という部分も間違いなくあった。結果的に下位に甘んじたチームのサッカーも充分に面白かったし。JFL各チームのレベルの高さに感謝。最後に、ザスパ草津と自身の将来について。

小川「チームに不安要素はまだあるかもしれないけれど」
小島「何年かかってもいいから、基盤を作っていかないとね。上に行けばお金もかかるし。個人的には引退が間近だけど、現役をしようと決めたら、それ以外のことを考えるとうまくいかない気がするな」
鳥居塚「去年まではできればいいなという気持ちだったけど、来援からはプロとしてできるだけ現役にこだわってやっていきたい」
山口「一生現役やりたい。雇ってくれるところがある限り、サッカーやりたい。サッカーが好きだから」
小川「あと何年プレーできるか分からないけど、できる限りやりたい」
小島「みんな、俺の年くらいまで頑張れよ」
小川「そんなに簡単にはできないでしょ(笑)。でも頑張りたいよね」

まだまだ選手もクラブも若いザスパ草津には、ベテラン4選手の力がピッチでもピッチ外でも必要不可欠。JFLより苦しいことも多いだろうJ2での戦いで、これまで以上に頑張って欲しいと思います。多くの経験、現役へのこだわり、サッカーへの愛情と、培った図太さで(笑)。