沖縄かりゆしFC退団選手たちが実力証明。

SH772005-02-19

まずは琉球新報加藤久監督の連載コラム2月17日付より。
http://www.ryukyushimpo.co.jp/cgi-bin/challenge/index.cgi

●第20回:Jリーガー4人誕生/「JFL」にも5人/「かりゆしFC」退団後の選手
スポンサー撤退で「かりゆしFC」を退団した選手たちの中に、『Jリーグ』や『JFL』のチームと契約して新たなサッカー人生を切り開いた選手がいます。現段階では、『J2』のチームで4人、『JFL』のチームで5人、『地域リーグ』のチームで3人プレーすることが決定しています。また、退団を機に指導者への道を歩み始めた選手も2人いますが、彼等は『Jリーグ』の下部組織のコーチとして契約しました。

記事で触れられたJリーガー4名ですが、まず昨季終盤からザスパ草津に加入していたFW酒井良とDFチカ。そして1月19日に横浜FCへの加入が決まったMF貞富信宏の3名が、ここまで公になっていました。4人目は昨日正式発表に。サガン鳥栖公式より。
http://www.sagantosu.jp/news/2005/0218_2.html

サガン鳥栖では、飯尾和也選手の新加入が決定しましたのでお知らせ致します。
飯尾和也(いいお かずや) ポジション:MF 背番号:28
生年月日:1980年4月10日(24歳) 出身地:東京都
身長/体重:177cm/69kg 血液型:AB型
経歴:読売日本SCユースヴェルディ川崎ベガルタ仙台沖縄かりゆしFC静岡FC
代表歴:1996年U−16日本代表 1997年U−18日本代表 1998年U−19日本代表 1999年U−20日本代表候補
コメント:早くチームに慣れ、チームに貢献し、ひとつでも多く勝ちたいと思います。

サガン鳥栖は再生しすぎなんじゃないか、てなくらい強くなってませんかな。まあ、それはともかくコラムに戻って。

●厳しいプロの世界
選手たちが昨年までプレーしていた舞台は、九州リーグ。いわゆる『地域リーグ』と呼ばれる所でしたが、この『地域リーグ』からJリーガーが4人も誕生したというのは、実は大変なことなのです。なぜなら、『地域リーグ』よりも上位の『JFL』や『Jリーグ』で、昨年末チームを解雇された選手は、それこそ山のようにいるからです。
そういう選手たちは、同じリーグ内のチームに動く場合もありますが、どんどん下のリーグに落ちてきます。そんな状況の中で、『地域リーグ』から『JFL』・『Jリーグ』へ上がっていくのは大変困難な道なのです。
●テストで実力証明
「かりゆしFC」に所属していた選手も別の意味で厳しい道を歩きましたが、そういう選手の次の行き先を求めて、昨年末から私はあちこちの強化担当者や監督に連絡して、選手を見てくれるようお願いしてきました。なぜなら、『JFL』や『Jリーグ』の強化担当者たちは、『地域リーグ』の試合を見ることはほとんどないからです。
ですから、今回『JFL』や『Jリーグ』のチームと契約した選手たちは、各チームに個人的にテストを受けに行ってその実力を評価されたのです。
小さな石だらけのグラウンド、サッカーゴールもない広場。そんな劣悪な環境の中でも彼らは、文句も言わず懸命に練習してきました。その努力が報われたことを私は大変嬉しく思います。彼らの今後の活躍を祈ります。

平たくいえば「4部のチームが解散して、2部に4名・3部に5名・4部に3名が入団した」ということに。この事実は、沖縄かりゆしFCが相当実力あるチームだったことを証明しています。もちろん加藤監督の努力もあってのことと思われますが。加藤監督は昨年12月21日付のコラムで、沖縄かりゆしFCの実力に触れられています。
http://www.ryukyushimpo.co.jp/cgi-bin/challenge/index.cgi/20041221.htm

●第12回:可能だったJFL/「県内強敵不在」で成長阻害も
九州リーグのホンダロックが、来シーズンからJFLに昇格することが決まりました。ご承知のようにJFLに所属していた国士舘大学が不祥事を起こしてJFLから脱退したため、3位のチームに昇格の権利が回ってきたのです。九州からJFLのチームが誕生したことは、他の九州リーグ所属チームにも大きな励みになるでしょう。
ちなみに決勝ラウンドの1位は、三菱自動車水島岡山県)でした。実はかりゆしFCは、このチームに10月の全国社会人大会準決勝で3対0と勝っています。はっきり言えば、実力的には遜色ありません。個人的には、私が指揮したチームの方が良いチームだと思っています。突然のスポンサー撤退。シーズン途中に選手のモチベーションを落とす事態がなかったなら、今年のJFL昇格は十分可能だったと感じています。

もちろん勝負事に絶対はありませんが「沖縄かりゆしFCJFL昇格を果たせるだけのチームになっていた」という無念が伝わります。加藤監督率いる沖縄かりゆし最後の大会だった、全国社会人サッカー選手権大会で優勝していることからも、決して身びいきでないことも判ります。少なくともコラムで述べられているとおり、JFL昇格の可能性が大いにあったチームだったと思います。
サッカークラブは、運営とチームの両輪が機能しないと前に進まないもの。沖縄かりゆしFCは「目指せJ」のクラブであり、両輪にはクリアすべき課題がありました。それゆえ十分に機能しなければならなかったのですが、チームに比べるとフロントという片輪がうまく回らなかったことが残念です。加藤監督という当事者だった方が書かれている点からも、「目指せJ」の関係各位にとって有益な連載コラムだと思えます。これからも毎週水曜日のネット上にアップされるコラムは注目です。
そして、加藤監督が現在活動されている、沖縄かりゆしを退団したユース以下の選手たちで新設されたヴィクサーレ沖縄ですが新たな支援が報じられました。琉球新報2月17日付より。
http://www.ryukyushimpo.co.jp/news01/2005/2005_02/050218h.html

●ヴィクサーレにサッカーボール贈る ヒュンダイ沖縄
ヒュンダイ沖縄が17日、サッカーボール40個をヴィクサーレ沖縄FCへ贈った。同クラブは沖縄かりゆしFCの下部組織の選手がそのまま移行し1月1日に発足。これまでボール13個という状況で練習してきた。ヴィクサーレ沖縄の指導者たちは「ボールが少なくても練習はできるが、メニューが限られる。これでやりたい練習ができる」と喜んだ。
ヒュンダイ沖縄の楚南幸代表取締役加藤久ヴィクサーレ沖縄FC代表・総監督の沖縄のサッカーに対する思いを聞き「少しでも役に立てれば」とボールを送ることを決意。「この中から世界に羽ばたく選手が出てきてほしい」と期待した。
加藤代表・総監督は楚南代表取締役に「これからはたくさんのボールでたくさん練習できる」と感謝し、選手たちには「1人でも日本代表選手が出て活躍することが恩返しになる」と激励した。
選手を代表してジュニアユースの高良進太君が「上等なボールで練習できる。これまで以上に気合を入れて頑張る」と決意を話した。

ええ話や(涙)。沖縄に密着しながら活動をされている加藤監督と、ヴィクサーレの子供たちもガンバレ。