徳島ヴォルティス、第2次和歌山合宿を終了。戦術確認と負傷者復帰も順調。

SH772005-02-26

徳島ヴォルティスの和歌山合宿は、21〜25日の4日間で行われた短期の合宿です。フィジカル強化を中心に取り組んだ第1次高知合宿が終了した1月28日以降から、練習試合などを通じて戦術浸透・調整を行ってきているので、この約1ヶ月間の総仕上げ合宿としての意味合いが強いと思われます。詳しくは「J's GOAL 2005キャンプレポート」より。
http://www.jsgoal.jp/club/2005-02/00016439.html

●2005 プレシーズン練習レポート 徳島ヴォルティス
地元に戻っての1月29日からは、大塚製薬時代の良かった部分をベースに新チームを創り、それぞれのポジションでチームとして目指すサッカーや戦術の中での役割を与え、トレーニングを重ね、練習試合で修正を加えて来た。

高知合宿を終えたヴォルティスは1月30日の選手背番号とユニフォームのお披露目パーティを催し、さっそく練習試合を連続でこなしていきます。この模様は徳島新聞に詳しく。
●1月29日;徳島ヴォルティス 5−0 阪南大
http://www.topics.or.jp/t-jleague/2005/0130.html
●2月7日:徳島ヴォルティス 1−0 横浜FC
http://www.topics.or.jp/t-jleague/2005/0208.html
●2月9日:徳島ヴォルティス 2−5 ヴィッセル神戸
http://www.topics.or.jp/t-jleague/2005/0210.html
●2月11日:徳島ヴォルティス 3−0 高知南国FC
http://www.topics.or.jp/t-jleague/2005/0212.html
●2月16日:徳島ヴォルティス 4−0 愛媛FC
http://www.topics.or.jp/t-jleague/2005/0217.html
●2月18日:徳島ヴォルティス 4−1 高知大学
http://www.topics.or.jp/t-jleague/2005/0219.html
J1の神戸戦はともかく、無失点で4試合を勝利している部分が、さすがJFL屈指の守備力を誇りJFLを連覇した大塚製薬(昨季30試合20失点)のバージョンアップチームだと再確認させられます。試合の模様も報じられています。5試合の注目部分をまとめて。

●5−0で快勝 阪南大と練習試合、パス回しでほんろう
徳島ヴォルティスは29日、阪南大と練習試合を行い、関西学生リーグ1部で昨季3位の阪南大に5−0で快勝した。
リハビリ中の9人を除く15人が出場。28日に1次合宿を終えたばかりで動きはやや鈍かったが、速いパス回しで阪南大をほんろうした。前半19分、左サイドからのセンタリングを羽地登志晃が頭で先制。42分には伊藤彰が2点目を決めた。ボランチ秋葉忠宏からトップ下の田中大輔につなぎ、前線にラストパスを送るというパターンでチャンスをつくった。
後半も片岡功二や大場啓のサイド攻撃などで攻め込み、伊藤、小林康剛、大場が得点した。DFはリハビリ中の選手が多く、鎌田祥平ら本来はMFの選手が務めたが、無失点だった。
●練習試合で横浜FC(昨季8位)を1−0 素早い攻撃、中盤に厚み
徳島ヴォルティスは7日、横浜FCと練習試合を行い、後半18分に小林康剛がPKを決め、1−0で競り勝った。
前半は、ボランチ秋葉忠宏を起点に片岡功二、大場啓のサイド攻撃や大島康明羽地登志晃の速いパス回しなどでチャンスをつくった。DF陣は谷奥優作、小峯隆幸の速い寄せで、横浜FCの高さのある外国人FWにほとんどシュートを打たせなかった。
後半18分のPKは、トップ下の田中大輔から絶好のパスを受けた小林が、相手DFのファウルで得て、冷静に決めた。終盤は押し込まれる場面もあったが、GK山口篤史の好セーブなどで完封した。試合にはリハビリ中の6人を除く18人が出場した。
ヴォルティス、J1・神戸と練習試合 変則ゲームで1勝2敗
徳島ヴォルティスは9日、J1ヴィッセル神戸と練習試合を行った。初のJ1チームとの対戦は計105分の変則3ゲームで、2−1、0−2、0−1の1勝2敗だった。
45分で行った第1ゲームの立ち上がりは、相手の速い寄せに慌てる場面もあった。しかし、徐々にパスがつながり、片岡功二、大場啓らのサイド攻撃でいい形をつくった。10分には、羽地登志晃のスルーパスを伊藤彰が左足でゴール右隅に決めて先制した。17分にFKで同点に追いつかれたが、39分に伊藤のセンタリングを大島康明ボレーシュートで2点目を挙げ、競り勝った。
30分ずつの2ゲーム目、3ゲーム目は、ゴール前のマークが甘くなるなどしたため、オウンゴールを含む計3失点を許した。
ヴォルティス大勝 高知南国と練習試合
徳島ヴォルティスは11日、四国リーグで4連覇を果たした高知南国と徳島市川内町の大塚製薬グラウンドで練習試合を行い、7−0で大勝した。
前半20分、小林康剛が先制ゴールを決めた直後、この日は本来のMFに入った金位漫(キム・ウイマン)が、加入後初得点するなど3−0で終えた。後半も小刻みに点を加えて4−0と、四国リーグの王者を寄せ付けなかった。
ヴォルティス快勝 愛媛FCと練習試合、主将の谷池ら復帰  
徳島ヴォルティスは16日、愛媛FCと練習試合を行い、4−0で快勝。故障で別メニュー調整を続けていた主将のDF谷池洋平が復帰し、チームの雰囲気は上々だった。
試合は前半6分、秋葉忠宏の移籍後初得点で先制。速いパス回しで相手DF陣をほんろうし、25分に羽地登志晃、40分には片岡功二が追加点を奪った。後半もリズムよく攻めて1点を加えた。
この日は谷池のほか、リハビリ組ではDF石川裕司、MF小山拓土、GK古田泰士が初めて試合に出場。久々の実戦で自らの状態や連係プレーを確認した。
ヴォルティス、守備に課題 練習試合で高知大にゴール許す
徳島ヴォルティスは18日、高知大と練習試合を行い、4−1で勝った。リハビリ中の7人を除く18人が出場。序盤からボランチ秋葉忠宏を起点に、速いパス回しで相手DF陣を崩した。
前半5分、CKのこぼれ球を谷池洋平が頭でゴール前に放り込み、大島康明が右足で先制。伊藤彰、秋葉が追加点を奪った。後半は相手攻撃陣をフリーにさせる場面がみられ、終了間際に失点した。

チームの仕上がり具合も順調で、負傷で調整メニューをこなしていた選手も続々ピッチに戻ってきています。愛媛FC戦でかなりの選手が復帰していますが、7日の横浜FC戦には04年JFL得点王のFW林威宏も後半45分間の出場を果たしています。全般的な印象では、中盤に加わった秋葉・伊藤らベテランJ勢と、大塚製薬から看板・サイド攻撃の担い手である片岡・大場コンビがうまく融合しているようですね。ふう。ザスパ戦のときにはこのヒトたちが猛烈にお腹が痛くなる、とかならんか。ここでJ's GOALのレポートに戻って。和歌山での2次合宿のテーマが「チームとしての戦い方と共通意識」であることに触れ、田中真二監督の具体的なコメントを紹介しています。

「目指すサッカーは、攻撃ではボールを速く動かすこと=パスの精度が要求され、パスのスピードや正確性それにワンタッチコントロールが出来れば、スルーパスやサイド攻撃もその中からいい形が出てくるはずである。そこでJリーグの試合で求められる、経験値のある選手を縦軸になるように補強し配置出来ました。
DFにはの小峯隆幸大森健作、中盤に秋葉忠宏、トップ下に伊藤彰、FWは羽地です。今の段階で、守備でも攻撃でもバランスよく出来ている。ポジションの役割を明確に出来るように、そこから始められるように言ってあります。
怪我人もいますが、誰が出ても損色なく出来ることが2次キャンプで確認出来ました。心配はしていません。目標はBクラス、5〜8位という成績を残せればいいほうじゃないかと思う。そこに我々のやりたいサッカーが伴って、意外性ある順位も…あるかも? と期待しているんです(含笑)。
我々はチャレンジャーです。プレーにしても気持ちにしても、いろんなことをトライして思いっ切りよくやっていきたいです」と指揮官。丁寧に言葉を選びながら、穏やかにそれでいて熱くという話し方に魅了されてしまった。
新たに戦うことになったJリーグの舞台。田中監督は「Jリーグに、鳴門の渦潮のような旋風を吹き込みたい! どうぞご注目ください!」とサポーターにメッセージを寄せてくれた。

田中監督はかなり手ごたえを感じられているようです。目標5〜8位という目標を設定し、あわよくばさらに上位を喰ってやろうという挑戦心も窺えるコメントです。
さて和歌山合宿では佐川印刷との練習試合も。これと合宿に関してはも徳島新聞より。
http://www.topics.or.jp/t-jleague/2005/0224.html
http://www.topics.or.jp/t-jleague/2005/0226-1.html

佐川印刷(JFL)に完封勝ち 練習試合、小林がハットトリック
徳島ヴォルティスは23日、佐川印刷SCと練習試合を行い、小林康剛ハットトリックを決めるなど4−0で完封勝ちした。
リハビリ中の6人を除く19人が出場。選手は練習の疲れもみせず、攻守にはつらつとした動きをみせた。前半8分、原田慎太郎からのパスを受けた小林が右足で先制。17分、23分にもゴールを決め「3得点は自信になる。開幕スタメンを目指し、今後もアピールしていく」と意欲をのぞかせた。
今回の合宿で重点を置いているDF陣の連係もよくなり、GKの高橋、古田も安定していた。田中真二監督は「選手は最後まで集中力を切らさず、試合内容も動きもよかった。順調に仕上がっている」と手応えを感じていた。
2次合宿は25日まで。26日午後2時から鳴門陸上競技場でSC鳥取と最後の練習試合を行い、3月5日の開幕に備える。
●開幕へ仕上がり順調 2次合宿打ち上げ、戦術面を最終チェック
徳島ヴォルティスは25日、和歌山県紀三井寺公園球技場での2次合宿を打ち上げた。中盤からの攻撃パターンや守備の連係など戦術面の最終確認を行い、3月5日の開幕に向けて順調な仕上がりをみせた。
この日の練習は午前中だけで、11人ずつに分かれて20分間のミニゲームを行った。パスはツータッチ以内に限定する特別ルールで、速い攻守の切り替えを徹底した。
左サイドからゴール前に正確なクロスボールを上げていた片岡功二は「FW陣とのコンビネーションが格段によくなった」と手応え十分の様子。右足首の故障から復帰した羽地登志晃は「2日目まではランニング中心だったが、後半は実戦練習に参加して周りとの連係が確認できた」と話した。

和歌山合宿ではFW羽地とエースGKの川北が復帰と完璧ではないでしょうが、ほとんどの選手がシーズン開幕に備えられる態勢になったようです。
元々ひとつの完成形を見せていたJFL連覇の大塚製薬に、複数のJリーガーで選手層とチーム経験値を加えたのが徳島ヴォルティス。「JFL連覇チームの強化版」であるチームはどこまでJ2で順位を上げてくるのか。かなり注目の存在です。