「高崎競馬場跡地」問題、群馬県議会で「サッカー専用スタジアム構想と利点」が語られる。

SH772005-03-24

先日のニッカン記事で「高崎競馬場跡地をサッカースタジアムにすることが議題に」と報じられましたが、知事へこの質問をした伊藤祐司県議の質問文詳細がネットで全文が読めることが判りましたので、エントリーいたしますです。共産党群馬県議団公式より。ちなみに質問した伊藤県議は高崎市出身の46歳、スポーツ大好き議員さんとプロフィールでご紹介。「05年2月議会一般質問」の6番目、一番下の質問項目です。かなりの長文なので要旨をまとめて。
http://www8.wind.ne.jp/jcp-gunmakengi/index.htm
http://www8.wind.ne.jp/jcp-gunmakengi/situmon/0502ippan.html

●6、高崎競馬場跡地の利用について
高崎競馬の廃止を受けて、競馬場の跡地利用が議論をよびはじめています。同競馬場は、7万㎡以上の広大な敷地ながら、群馬県の表玄関である新幹線の高崎駅にほど近い、という極めて特別で有利な条件をもっている土地です。
跡地利用は、群馬県民・高崎市民にとって有意義で、地域の活性化に役立つ夢のある活用がされることが望れています。県として、開かれた議論の場を設けて、検討をすすめてもらいたいと思いますが、その際、一つのたたき台となる案として、私は、昨年暮れから高崎市のサッカー協会がすすめている「競馬場跡地にサッカー専用グランドの建設を求める陳情署名」を取り上げたいと思います。

質問では、この後サッカーの競技人口と関心の増加、ワールドカップ予選の視聴率などに触れ、隣県アルビレックス新潟の盛り上がりを紹介しています。新潟まで視察に出かけられたのこと。

地域活性化へのインパクトについても県の担当者は、「試合を観戦した2割が新潟市内で飲食をして帰るという調査結果です。これだけで経済効果は32億円。親子の会話の最大の話題にもなっている。それこそ県民の宝です」と語っていました。

話はザスパ草津FCホリコシに、そのホームスタジアム問題へと。

群馬でも、ザスパ草津がJリーグ入りを果たし、FCホリコシもJリーグ入りへ活発な動きです。しかし、県内には、公式規格に合う専用グランドはありません。県としては敷島陸上競技場を緊急整備していますが、陸上競技との併用であることや、駐車場問題など解決が必要な課題があります。全県からの線路が集中する高崎駅から徒歩で10分とかからない競馬場跡地が有利であることは間違いありません。ましてFCホリコシの活躍いかんでは、試合場確保は現実の課題となるわけです。

「徒歩で10分とかからない」だと、不動産屋さんの「徒歩●●分」みたいな感じですが、実際には「徒歩15分くらい」。それでも在来線のターミナル駅+新幹線駅である高崎駅からその程度の距離にサッカー専用スタジアムがあれば、交通アクセス・駐車場問題などはかなり軽減しますね。

さらにこの計画が現実的なのは、サッカー場を作るのに当たって競馬場の観覧席を活用する方法が考えられるということです。競馬場のスタンドを改修して、その前にピッチをつくり、反対側の観客席だけ整備するやり方ならば、通常のサッカースタジアム建設の数分の1、あるいはそれ以上の効率で整備が可能だ、というのです。

「この計画」とは、ニッカンが「総工費20億円」と伝えたモノでしょうね。流れでは高崎市サッカー協会が主導で見積もりを出しているのだと推測できます。総工費20億円とはかなり安いものですが、現在ある施設(競馬場メインスタ)を利用し、バックスタンドとピッチを作るだけにして工費を抑える計画であることが判ります。

そこで知事にうかがいます。跡地利用は、なんと言っても県民合意が大切です。総合病院がほしい、公営住宅をたててほしい、コンサートホールをなど、様々な声も聞かれます。開かれた議論のもとで合意をつくってゆく必要があると思いますが、競馬場跡地利用についてどのようなスタンスですすめるつもりなのか、お聞かせください。
また、私は、高崎市サッカー協会の計画には夢があり、しかもかなり現実的で、十分検討に値するものだと考えますがいかがでしょうか。

知事は「いろんな意見や構想を良く聞いて考えます」という主旨の従来どおりの返答をしています。この公式で「質問事項と知事からの返答」がまとまったページもありますので、参照されたし。
http://www8.wind.ne.jp/jcp-gunmakengi/topic/tp50223-6.html
ともあれニッカンは少し勇み足の記事であったと思われます。またニッカンは「群馬県サッカー協会とFCホリコシが計画を進めている」とも報じていますが、この質問の中で出てくるサッカー協会が「高崎市サッカー協会」しかないところから考えると「高崎市サッカー協会とFCホリコシが進めている」が正解だと思われます。群馬県サッカー協会も反対ではないでしょうから、どちらかと云えば「消極的な賛成」??
ともあれ、伊藤県議の「一般質問」は、「高崎競馬場跡地をサッカー専用スタジアムに」の賛成意見として判りやすく非常にまとまったものと思われます。さすがプロ。
もちろん対する意見として「赤字を理由に競馬場を廃止したのに、また地代を払い続け財政を圧迫することが容易に予想できるスポーツ施設を建設する必要があるのか」「病院や大学が先」「民間に売却してショッピングセンターを。なにを作っても官なら赤字施設になるのでは」を簡単に挙げることが出来ます。
高崎競馬場跡地にサッカースタジアムを作るかどうか」の是非はひとまず置いても、近い将来、FCホリコシがホームスタ以外のJ加盟条件を達成した場合はどうするのか。敷島陸上競技場をザスパ草津と併用し「日本初のJ2クラブが2チーム同一ホームスタ」として毎週J2ゲームを行い、年4回群馬ダービーするのか。*1併用案で進めると、3〜12月の週末は必ずJリーグゲームが開催される陸上競技場ということになってしまい、他競技での土日連続使用はとても難しいものとなってしまいます。
どうやら「FCホリコシのホームスタどうよ」も群馬県行政が考えなくてはならないテーマとなりそうです。

*1:ザスパ草津がJ1昇格を果たしている可能性もあるけど。開幕3連敗の今はどうも実感がないっス。