J's GOALにて「アビスパ福岡−ザスパ草津」戦プレビューがアップ。

SH772005-04-08

J's GOALより。http://www.jsgoal.jp/club/2005-04/00017943.html

●【J2:第6節 福岡 vs 草津 プレビュー】草津のアグレッシブなサッカーを、福岡が組織力で迎え撃つ
2勝3分で3位につける福岡のここまでの戦いを振り返ってみると、安定した組織力が際立つ。前線のチェイシングから始まる守備。ホベルトと松下を中心にして、鋭い出足から絡め取るようにボールを奪う中盤の構成力。岡山の加入と宮本の成長で、安定感が増した最終ライン。怪我のために主力メンバー全員が揃わない試合が続いているが、それでもバランスが崩れないのは、チームのベースが構築されているからこそ。ここまで僅か2失点という数字が、それを物語っている。
反面、課題である決定力不足を解消しきれていないという側面も併せ持つ。3つの引き分けは決定的なシーンを作りながらも最後のところでゴールが割れなかった結果だ。

アビスパ福岡は開幕から5試合、7得点2失点と好成績ながら2勝3分で勝ち点9、目下3位。強いのか弱いのか。強いに決まってますわな、なんたって負けてないのは長丁場のJ1昇格レースで最も必要なことですからね。

その課題を解決するため、チームは山形戦後にディスカッション形式のミーティングを実施。フィニッシュの場面だけにとどまらず、パスの精度、ビルドアップのタイミング等、各ポジションが担う攻撃への役割を責任を持って果たし、全員で点を取りにいくことを確認した。

前節、敷島がザスパ初勝利で歓呼の嵐だったころ、山形では互いに昇格ライバルと目するアビスパモンテディオが0−0のドロー。その後にミーティングが行われたそうですね。西日本新聞の4月6日付より。
http://www.nishinippon.co.jp/nishispo/kyu_j/index_avispa.html

●福岡 全員役割再確認でゴール奪取だ緊急ミーティング
アビスパ福岡が5日、得点力不足解消へ首脳陣と選手を交えた異例の緊急ミーティングを行った。湘南戦、山形戦と2試合連続でスコアレスドローに終わった結果を受けたもので、松田監督の呼びかけで実施。約1時間にわたって課題克服へ、選手全員がそれぞれの役割を再確認し合った。
福岡の持ち味は全員で1点を奪い、全員でゴールを守ることだ。「最前線にいるFWの責任はもちろん大きいが、DFにだって点を取るための役割はあるわけで、(3試合)無失点を続けているからDFはすべてオッケーとはいかない。全員に役割を再確認してもらいたかった」と、松田監督はこの日の異例の緊急ミーティングの目的を明かした。
多くの意見が出た。FW福嶋は「FWは毎日の練習からしっかりと決めていかないといけない」。MF中村は「自分が言う前に同じ意見が出た」と挙手こそしなかったものの「ラストパスの精度を向上させる必要がある」と指摘した。ゲームキャプテンのMFホベルトは「ピッチ状態や中盤の構成、中盤からのパスにも改善点がある」とFW陣をかばったが、FW太田は「決定的なチャンスをもらっている自分が、決めていないことがすべて悪い」と、自らも含めたFW陣の決定力不足を猛省した。
討論形式のミーティングは、1月の始動直後にポジション別に課題を話し合い、各ポジションの代表が内容を発表して以来のことだ。試合を消化する中で出てきた課題は早期発見、早期解決。

今季J1昇格を現実的な目標としているアビスパ福岡には、2試合連続で無得点試合が続いたことで「得点できなければ勝ち点3はとれない、いつか負けてしまう」と危機感が生まれ、チームの攻守切り替えや、意思統一をたがいに確認しあったということでしょうね。わざわざ草津戦の前でなくてもいいのに。元記事に戻って。

一方、第5節でJリーグ初勝利を挙げた草津は、その勢いのままに博多の森に乗り込んでくる。開幕から4連敗、しかも11失点という結果はチームの自信を失いかねない成績だったが、前節の徳島戦で氏家をボランチに起用すると中盤の守備が安定。それに連動して、鳥居塚が一つ前のポジションでプレーできるようになったことで攻撃にリズムが生まれた。それが徳島戦での2−0の勝利という結果につながった。

徳島戦の直前の横浜FC戦でも、鳥居塚キャプテンが守備、小久保が攻撃参加の役割分担2ボランチで試合に臨んでいました。山口と小久保で中盤はなかなか頑張ったけれど、効果的な崩しにまでいけませんでした。ボランチが攻撃参加する時、鳥居塚キャプテンはサイドに流れる傾向があり、小久保は中央での崩しとシュートチャンスを狙うのが持ち味。徳島戦ではサイド攻撃を展開できたことで、自動的に相手のサイド攻撃を半減させることができたのが大きかったのだと思われます。単に「ボランチの役割が分担化」ということだけが勝利につながったわけではないですね。

フォーメーションは4−1−4−1。1トップの宮川をターゲートにしてボールを前線に送り込み、その動きに酒井、吉本が両サイドから絡む。トップ下でゲームを作るのは経験豊富な山口。その周りを鳥居塚が動き回ってフォローする。中盤の底では氏家が相手のチャンスの芽を確実に摘み取り、そしてチャンスと見るや両サイドバックが積極的にオーバーラップを仕掛ける。これでもかと言わんばかりに前に出てくる戦い方はアグレッシブそのもの。不安定さが残る守備を、前から仕掛けることでカバーしている。

これが、今一番草津が見せられる有効な攻撃だと思われます。ただ先に書いたとおり、徳島戦と同じ事をしても福岡相手に有効かどうか。試合の中で有効な攻撃の組み立てが見つかると良いのですが。なんせまだ2失点しかしてない福岡の守備のどこが弱いのか、堅守の福岡相手にどう戦うか、を注目したいですね。それに福岡が草津相手には、より攻性を強めてゲームの主導権を握りにくるかも。初対戦は分からないことが多いですね。
付け加える情報としては、アビスパ福岡ザスパ草津は人材往来がなぜか盛んで、有名なところでは、GK小島伸幸草津に加入する直前まで在籍していたのは福岡ですし、全国地域リーグ決勝大会に貴重な働きをしてくれたDF立石飛鳥は、今もDF2番として在籍。昨季は岩本、加藤がレンタル移籍でザスパ草津のJ加盟に大きく貢献してくれました。またFCホリコシの前(既に前々なのか)池田司信監督が、現在はアビスパ福岡のコーチに就任しています。ホリコシの監督時代には、散々にザスパを苦しめてくれた池田コーチの情報が反映されるだろう、福岡の対応なども注目してます。それにしても面倒なヒトが今年も敵になってしまったことだなあ。