J2第17節、ヴァンフォーレ甲府戦。先制するもロスタイムに逆転負け。

SH772005-06-18

http://www.jsgoal.jp/result/20050200030120050618_detail.html

●J2第17節 6月18日(14:00/群馬サ)
ザスパ草津 1−2 ヴァンフォーレ甲府
得点 52分:吉本淳草津)68分:藤田健甲府)89分:須藤大輔

本日はJ's GOALでの速報組でしたが、前節とは真逆の残念な結果となってしまいました。悔し過ぎる敗戦ですね。第1クールで惨敗した甲府相手に接戦まで持ち込めたとも、前節は勝ち点1のところで勝ち点が3になり今節は勝ち点1のところが0になってしまったとも考えられますが、さぞかし現地組の皆さんとチームは悔しいと想像できます。イレブンにはこの悔しさを次節にぶつけて欲しいですよ。試合詳細は群馬テレビの録画放送を観てアップします。・・・画面に映る芝がようやく全面緑色になりましたねえ。まずはザスパ草津のこの日のメンバーは。

ザスパ草津スターティグメンバー(J2第17節 vsヴァンフォーレ甲府
GK:22小島伸幸
DF:2籾谷真弘・17小川雅己・32齋藤竜
MF:5氏家英行・8小久保純・9山口貴之・18寺田武史・24酒井良
FW:20吉本淳・30樹森大介
●サブメンバー
GK:29岩丸史也 DF:3小田島隆幸
MF:10高須洋平・15山崎渡 FW:14佐藤正美
ザスパ草津 キックオフ(3−5−2)
−−吉本−−樹森−−:佐藤
寺田−−山口−−酒井:高須・山崎
−-小久保−-氏家−−:
−籾谷−齋藤−小川−:小田島
−−−−小島−−−−:岩丸

鳥居塚キャプテンが出場停止のため、DMFは今季初めて小久保と氏家で組むことに。小久保が攻めて、氏家が守りを分担する形。この二人の攻守の組み立てが一つのキーポイントになるでしょう。DF陣は前節に引き続き中央に齋藤竜が入る元セレッソ大阪トリオの3バックで。キャプテンマークは山口貴之が巻きました。GK小島さんは以前「オレがキャプテンマークを巻くと、なぜか勝てないんだよね」と植木前総監督に話したら、それ以来ゲームキャプテンやらせてもらえなくなったとか。まあ、マークを巻いていようがいまいが精神的柱なので、問題ないのですが。
続いてヴァンフォーレ甲府側を。

ヴァンフォーレ甲府スターティングメンバー(J2第17節  vsザスパ草津
GK:21鶴田達也
DF:3津田琢磨・19池端陽介・22井上雄幾・32杉山新
MF:8倉貫一毅・10藤田健・14石原克哉・20水越潤
FW:16バレー・18長谷川太郎
●サブメンバー
GK:1松下大輔 DF:2秋本倫孝
MF:4山本英臣・13横山博敏
FW:9須藤大輔
ヴァンフォーレ甲府 キックオフ(4−4−2)
−−バレー−長谷川−:須藤
石原−−−−−−水越:横山
−−倉貫−−藤田−−:山本
井上−−−−−−杉山:
−−津田−−池端−−:秋本
−−−−鶴田−−−−:松下

(´・ω・`)強力ツートップがまたキタ・・・。あちこちのJクラブで実績あるバレーに加えて、小倉に代わって先発FWの一角を占めた長谷川太郎のツートップ。第1クールではそれぞれに2点づつ献上してしまいましたね。テレビ画面だと細かい部分まで判らないのですが、10番の藤田健はもっと前に位置していたかも。控えに入っている山本、横山もサイド攻撃が持ち味のようです。個人技あるFWとサイド攻撃の組み合わせを考えると、甲府の攻め方それ自体で、草津にとってあまり相性の良くない相手なのかもしれませんね。
さて試合は、小久保純と酒井良の2人のJ2通算100試合出場を記念して花束が贈呈されるセレモニーを終えてキックオフ。両チームともに中盤をとばしてロングボールを放り込む立ち上がりとなりました。まず得点チャンスを得たのは甲府。前半5分にFKを得ると、MF藤田が直接ゴールを狙います。これは微妙に変化しながらゴールに落ちていくような軌道を描いていきますが、なんとかGK小島がクリア。続くCKのピンチもクリア、とさらに8分にFW長谷川のシュートを打たれますがこれはワクの外に。最初の攻勢を凌ぎます。
対する草津もFW樹森大介ポストプレーから山口がボールを受けてサイドを駆け上がり、クロスを上げますが中央で待つ吉本淳の頭には合いませんでした。しかしゴール前に詰めた樹森がボールを拾い、吉本がもう一度サイドの山口に戻して攻撃を組み立てなおせる、厚みある攻撃の形を見せました。
前半はそのまま一進一退、やや甲府が押し気味で草津がカウンターで応じる展開が続きます。18分にCKをファーサイドに送られ、折り返しでピンチを招いたり、21分にはバレーの低いクロスを長谷川にゴール前で合わせられたりと、さすが甲府のツートップという攻撃力を見せられますが、おおむね草津の守備は前回対戦で4失点とは思えないほど安定していました。甲府のツートップに対して、基本的に籾谷と小川がそれぞれマンマーク、齋藤が1枚あまる形で対応します。両SHも下がり気味の位置どり、DMFもバイタルエリアのスペースを空けないように注意していました。前線もセンターサークル付近でチェックを始めることが決まっているようで、齋藤竜のDFラインの押し上げも奏効して、コンパクトに収まったチーム全体での守備が出来てきているようです。
やや引き気味の草津の対して、甲府が猛攻を続けてもよさそうですが、この対応が甲府のプランを少し狂わせていたようで。J's GOALより。
http://www.jsgoal.jp/club/2005-06/00020541.html
http://www.jsgoal.jp/club/2005-06/00020544.html
http://www.jsgoal.jp/club/2005-06/00020546.html

石原克哉選手(甲府
「相手のウィングバックを引っ張って、サイドバックが上がっていくプランだったが、前半はうまく攻撃が組み立てられなかった」
大木武監督(甲府
「前半は、ボール回しや切り替えなどやろうとしていたことのスピードが遅く、いらだちを感じていた」
Q:相手の3バックに苦労したようだが?
「相手に抑えられたというよりも、うちの攻撃が遅すぎた。ただ、セットプレーが何回もあったということは相手も苦しんでいたということ」
手塚聡監督(草津
「J屈指の2トップと、サイドの選手に対し、前半はうまく対応できていたと思う」

甲府草津の両SHを高い位置に誘いこんで、SBが後ろに空いたスペースを使うサイド攻撃、人数をかけた攻撃を画策していたようですが、草津が全体的に退いていたために、攻撃の組み立てに苦労したようです。
このあたりは、第2クールの京都戦にも通じますね。強力な攻撃陣を持つチームにはまず守りから。相手の攻め手を減らしていきながらチャンスをうかがう、チームとして少し戦い方に幅が出来てきたように思います。京都戦も甲府戦も最後に追加点を入れられてしまいましたが。
そして攻撃に目を転じると、有効な攻撃回数はさすがに少なかったですが、前半終了間際のCKで齋藤竜、そして吉本淳にチャンスがありました。またファーサイドに位置して高さで勝てるDF籾谷のヘディングの折り返しで得点を狙う形もなかなか有効そうです。サイドからの攻撃もただゴール前に放り込むだけではなく、少しづつですが組み立ての意図と形も見えてきました。ある程度守りが整ってきたことが、逆に攻撃参加での人数を増やせる結果になるのですから、サッカーは奥が深いですね。
さて後半。攻撃の組み立てに苦労した甲府が中盤での支配権を握るべく、強気に草津陣内に人数を送り込んできて攻撃を繰り返します。50分にはFKからゴール前の水越にヘディング、直後に藤田にフリーでミドルシュートを打たれますが、共にワクに飛ばずに助かりました。草津も反撃に出て、サイドに流れた樹森からペナルティエリア前の山口に落として攻撃を組み立てる形がここでも活きCKに繋げます。これは最後に樹森のオーバーヘッドシュートとなりますが、GK正面。両チームのカウンター合戦の様相となりますが先ほどと同じ形、樹森がサイドに流れて山口に落とし、もう一度樹森に帰して中央に。甲府のマークが早いパス回しでやや崩れたところに吉本が詰めて、ゴールに流し込むだけで良いような素晴らしいフィニッシュとなりました。52分でザスパ草津が先制します。

吉本淳選手(草津
Q.先制点を挙げましたが?
「久しぶりの得点だったので、興奮してしまった。今日のプレーを忘れないようにして、これからもDFの間にどんどん入っていきたい」
山口貴之選手(草津
「今日は負けたけど、内容は確実によくなっている。これからは勝ち点につなげていくことが大切。FWがサイドに流れて起点をつくるという攻撃パターンが明確になってきている。こういう試合を続けていかなければならない」

山口さんのコメントどおり、敵ゴールに近い位置で山口貴之やFWが前を向いてパスを受けられる、展開できるパターンが作れているのが素晴らしいですよね。そして草津が流れの中でサイド攻撃から攻撃を組み立ててパスをまわして得点できたのは、J加盟後初ではないでしょうか。繰り返しこの形が見られたことからも練習の成果が出ましたね。3−5−2システムで戦う草津がキチンとした組み立てが出来たことも収穫です。
草津の先制点により、甲府が猛攻を仕掛けて草津がカウンターで応じる展開がいよいよ強まります。そして66分に草津の手塚監督は小久保に代えて高須洋平を投入、DMFを氏家と山口が組んで高須はツートップの下に。よりカウンター指向が強まった形と云えると思います。しかし、この交代は裏目に出てしまいました。直後の68分に、35mはあるFKを甲府が得て、キッカーの藤田はやや低いクロスをゴール前に送りますが、選手が密集している場所に落ちながら誰も触らず、地面に当たってボールはゴールファーサイドに方向を変えてゴールイン。あっけなく同点とされてしまいました。
同点にされたことで、草津甲府相手に撃ち合うサッカーに移行していき、互いにゴール前に攻め寄せる展開が続きます。72分に右サイドから酒井が良いクロスを上げますが、これはGKがキャッチ。直後に酒井は山崎渡と交代します。そして76分に負傷で氏家からFW佐藤正美が投入。草津のフォーメーションは以下のようになりました。

ザスパ草津 後半76分(変形3−2−1−2−2)
−−吉本−−佐藤−−
−高須−−−−山崎−
−−−−山口−−−−
寺田−−−−−−樹森
−齋藤−小川−籾谷−
−−−−小島−−−−

やはり氏家の負傷交代が痛く、まったくバランスも厚みある攻撃も出来ない布陣となってしまいました。それでも投入された山崎や高須が走り回り、前線の佐藤にボールを配球、70分過ぎからは運動量も落ちてきた吉本も最後の力をふり絞ってチャンスメイクに努めていました。なんとか一進一退で進んだロスタイム、FKでボールウォッチャーとなってしまい、ゴール正面でどフリーとなった須藤大輔に逆転を許してしまいました。その後、山崎渡が2度シュートを打つシーンがありましたが、ワクに飛ばす試合終了。ある程度は思惑どおりにゲームを進めることが出来ましたが、後半に動いた交代直後の同点ゴール、氏家の負傷交代からのアンバランスな布陣、最後の最後で集中力を欠いた失点で勝ち点1も無くしてしまいました。返す返すも残念な試合となってしまいました。

手塚聡監督(草津
先制してからは、それからの15分を抑えたかったが、CKがそのまま入ってしまった。その後は3トップ気味にしてきた相手に、4枚のDFで対応しようとした。足がつる選手がでるなど、予想外の選手交代もあったが、できれば1−1で終わりたかった。ただ、選手は一生懸命やったと思う。今回は結果が出なかったが、次につなげていきたい」
Q:守備は安定してきたか?
「セットプレーで2本やられてしまったが、以前のような前半の立ち上がりの失点もなくなり、守備は改善されてきている」
Q:主将の鳥居塚選手の出場停止は影響があったか?
「フルタイム、フル出場の選手なので多少の影響はあったと思う。守備よりも攻撃の面で気になっていた」
Q:選手交代のあとのフォーメーションで選手たちに混乱があったように見えたが?
「投入するときに選手には伝えていたが、逆サイドの選手にうまく伝わっていかなかった。相手が3トップにしてきて、こちらが5バックになってしまっていたので、4バックで対応しようとした。中盤がうすくなってしまったが、DFは最後までよく我慢したと思う」
氏家英行選手(草津
「竜(齋藤)が入ったことで、バランスが取れてやりやすくなっている。セットプレーから2失点したが、守備が完全に崩されたわけではない。試合前の控え室の雰囲気も以前とは変わってきて、チームはよくなっていると思う」
籾谷真弘選手(草津
「選手交代してから、ポジションが混乱してバラバラになってしまった面があった。FKからの失点は防げる点だったので、残念です」
齋藤竜選手(草津
Q.FKから失点しましたが、守備は良くなってきているのでは?
「2点も決められてしまっているので、良いとは全く思わない。FKの場面では、マークが離れたたらどうなるかという認識が足りなかった」
樹森大介選手(草津
「内容的には互角だったが、一瞬の隙をつかれた。最低でも引き分けにしなければいけないゲームだった」

やっぱり悔しいですね。しかし選手が一番悔しいと思うので、逃してしまった勝ち点1よりも、多くの教訓を得てもらいたいですね。この悔しさと反省を次の90分、次の次の90分につなげてまいりましょう。攻撃や守備での進歩も多く見られ、粘り強く守って先制して90分間戦えるサッカーも出来るようになってきました。選手も手応えを感じているようですし、戦いながら経験を積んでいる草津のチームの成長にも期待したいです。・・・しかし、やっぱり悔しいな。(あと5万回繰り返す)