インターハイ群馬県予選決勝。桐生第一が前橋育英を3−2で破り、初の群馬県代表に。

上毛新聞6月27日付より。

●インターハイ県予選 サッカー桐一が王座
全国高校総体(インターハイ)県予選は26日、サッカーは桐生第一前橋育英を3−2で下して初優勝。全国切符を手にした。
評:桐生第一が少ないチャンスを確実にものにし、得点を挙げた。前半13分、右CKをDF島田が頭で合わせて先制。後半、逆転を許したが、終盤にFW加納、MF松沢が立て続けにゴールを割り試合をひっくり返した。前橋育英は試合の流れを支配し15本のシュートを放ったが、チャンスを生かし切れなかった。

ザスパ草津湘南ベルマーレを倒した翌日の敷島サッカー・ラグビー場で新たな伝説が。前日に前橋商業PK戦の末に倒した桐生第一が、決勝でも前橋育英を破って文句ナシの群馬県代表の座に。長崎県では国見高校がまさかの県予選準決勝での敗退となっていますが、これまたオドロキのニュースでした。なにはともあれ、桐生第一高校のみなさん、おめでとうございます。

●先制点で勝利確信
県内高校サッカー界に、新たな雄が生まれた瞬間だった。試合終了間際に逆転ゴールを決めた桐生第一が、名門タイガー軍団、前橋育英を下し初の王座に就いた。新しい時代の幕開けを予感させる結末にピッチをはじめベンチ、スタンドは驚きと歓喜に包まれた。
「野球だけでなく、サッカーも桐一の時代と言いたい」―。選手、監督らは、はじけるような笑顔とともに「サッカーの桐一」を宣言した。

桐生第一といえば、現北海道ニッポンハムファイターズの正田投手をエースとして、群馬県に初めて甲子園の優勝旗を持ち帰った高校として有名です。サッカー部もレベルアップしていたのですね。

先制したのは桐一。互角の展開となった立ち上がりに、キャプテンの島田寛之がヘディングでくさびを打ち込んだ。この1発で「勝てると確信した」と島田。逆転されても「チャンスは絶対ある」と最後まであきらめない原動力にもなった。DF
陣がゴール前で絡み付くような粘りの守りをみせ、MF松沢健祐は脅威的なスピードで左サイドを切り裂いていく。前日の前橋商戦で「体はぼろぼろだった」と話すイレブン。「負けたくない」気持ちだけが支えとなった。
体力が尽きかけて迎えた決勝戦。「人が動かずにボールを動かす」作戦が的中した。田野豪一監督の「サイドから揺さぶれ」との指示も奏効した。
頂点を目指して6年前に就任した田野監督。「個々の能力は高くないが、自主的なサッカーができるチーム」と選手たちの意識の高さをたたえる。選手らは「炭酸飲料、アイスは口にしない」など、自律のルールを自らつくり守ってきた。耐え抜く力は着実に育った。
全国レベルの育英、前商を倒し、初めて全国の舞台を踏む。イレブンは「あの2校に勝てたんだから、優勝を狙う」ときっぱり。快進撃はどこまで続くのか。

前橋育英は、ザスパ草津お預かりの反町一輝くん、アルビレックス新潟で特別強化指定を受けている田中亜土夢くんがスタメン出場しながらの敗戦。この悔しさを目下首位のプリンスリーグ冬の高校サッカー選手権にぶつけて欲しいですよ。