ザスパ草津ビジネスレポート、その1。1月期決算で赤字は大幅圧縮、今期は単年度黒字の見通し。

SH772006-05-25

仕事と私事都合でまとまった時間がとれず、更新が滞りまして申し訳ありません。それでもなんとか都合はつけてホームは徳島戦以外は生観戦、アウェイは国立競技場に応援にいくことが出来ました。今季はここまで4勝3分9敗の12位、もうちょっと勝ち点をとれたんじゃないかなあ、と惜しい試合も多かったですが、全体的には成長の手応えと今後の希望が感じられるシーズンになっていると思います。
今日このタイミングで更新すると、試合については先日の仙台戦から触れねばなりませんが、感想が「( ´・ω・`)審判氏ね」で埋まりそうなので(笑)、ここ2ヶ月くらいの試合以外のザスパ草津のクラブとしての動きを4月30日の株主総会で発表された1月期決算を中心に、まとめて書いておきます。
決算と内容について簡潔にまとめてある読売新聞群馬県版4月28日付5月1日付、朝日新聞群馬県版別刷「朝日ぐんま」より注目部分を抜粋します。

ザスパ赤字1億3200万円 1月期決算見通しより4300万円圧縮
(前略)ザスパ草津の運営会社「草津温泉フットボールクラブ」の1月期決算が約1億3200万円の赤字となったことが27日、分かった。ただ、赤字幅は見通しより約4300万円圧縮されており、昨秋からの経営改善が効果を表した格好。
(中略)
関係者によると、クラブ側が業務効率化と経費削減を進めたことに加え、11月の臨時株主総会で示された見通しより、関連グッズの売り上げやJリーグからの分配金が増加したことが赤字圧縮の要因という。
(以下5月1日付記事)
(前略)来年1月までの今期見通しは、効率的な試合運営などで19%の経費削減を行う予定で、スポンサー獲得などが好調なことから、4050万円の黒字になると見込んだ。
●昨季は1億3000万円の赤字
(前略)昨季は、約5億2000万円の収入に対して約6億5000万円の支出で、約1億3000万円の赤字。今期は5億6000万円の収入に対して、5億2000万円の支出を見込み、約4000万円の黒字となる見通しだ。

J挑戦1年目の05年シーズンの赤字幅は見込みより圧縮でき、今季06年シーズンは約4000万円の単年度黒字の見通しと、かなりの朗報です。新経営陣の努力が伝わります。サポとしては一安心、このまま順調に進めていっていただきたいです。ちなみに昨年11月の新体制発足時に発表された見通し(上毛11月21日付、朝日11月22日付)との比較は以下の通りになります。

●05年2月−06年1月の収入と支出について
05年11月の見通し 収入:約4億4500万円 支出:約6億1800万円 約−1億7300万円
06年4月での報告 収入:約5億2000万円 支出:約6億5000万円 約−1億3000万円 

●06年2月−07年1月の収入と支出について
06年4月の見通し 収入:約5億6000万円 支出:約5億2000万円 約+4000万円

11月の見通しより支出が増えていますが、それ以上に収入が増加しています。今期はさらに収入増を見込んでいますので、なんとか頑張っていただきたいです。また今回5000万円の増資が行われ、人事案についても報道されました。最初の読売新聞記事より。

(前略)また、上毛新聞社草津町などと並ぶ筆頭株主となり、同社役員室長が取締役に就任することも判明。(中略)今年に入り実施した第三者割り当て増資を23者が引き受けた結果、草津町上毛新聞社エフエム群馬、富士スバルが筆頭株主となった。このほか、30日の株主総会には、創業時からクラブを支えてきた猪股有古取締役が退任し、鳥谷部史監事が取締役に就任する人事案が提案される。

人事案は総会で承認され、加えて5月1日記事では猪股取締役の相談役就任が報じられています。筆頭株主草津町と地元有力企業が並び、ユニスポンサーも胸と背中がベイシアグループと、いよいよ地域に支えられているクラブになってきたと実感します。また5月1日の記事では、株主総会後の記者会見で大西社長兼GMから、前社長の告訴見送りも発表されました。

ザスパ前社長の告訴見送り 株主総会 不正受領を正式発表
(前略)また同クラブは賢持宏昭前社長が約800万円の不正受領をしていたことを発表した上で、刑事告訴しないことも正式に表明した。
大西忠生社長は総会後の会見で、前社長の不正受領の対応について「法曹関係者の意見も聞いたが、チーム強化に全力を尽くすことが最大の目的で、弁済がされていることからも刑事的な対応をしないことにした」と説明した。

今手元に資料がないのですが、前社長とクラブとの間での金銭の行き来で800万円あまり前社長が取りすぎで、これについては前社長保有のクラブの株式で弁済された、との記事を読んだ記憶があります。
ちなみに県や草津町に支払わなければならない未納金などは、既に全額返還されています。これは上毛新聞05年12月22日付より。

ザスパ未納金など全額返還 県、草津町に計2300万円「区切りつけ、来季を」
(前略)ザスパ草津は二十一日、県営陸上競技場使用料などの未納金残額三百七十万円と草津町から仮設スタンド購入の名目で受け取った補助金五百万円をそれぞれ返還したことを明らかにした。
同社によると、県には今月十六日、草津町には同二十一日までにそれぞれ振込みが完了したという。
(中略)県への九月末の未納額は同競技場使用料と、過少報告分を含めた看板・売店設置料の総額約千七百三十万円。当初は来年一月までに四回に分けて支払うことで合意。同社はこれまで千三百六十万円を支払ったが、県側は早期の支払いを求めていた。

とにかく前社長絡みの問題はこれで決着の模様。これ以上モメていてもプラスにならないとの判断だと、自分は考えました。借りていると云えばJリーグから借りている「公式試合安定開催基金」ですが、これも順調に返済が進んでいるようです。ただ少しお財布の中身が心配なようで、4月19日のニッカンにこんな記事が。

草津に5000万 Jが追加融資
Jリーグは18日(中略)理事会を開き、J2草津への公式試合安定基金から5000万円の融資を決定した。
(中略)前年度に合計1億6000万円を融資し、年度末までに1億2000万円が返済されていた。Jリーグ事務局では「資金繰りがギリギリなので(14日の経営諮問委員会で)融資することにした」と説明した。

返済は計画通りに進んで、すでに75%を返済していますが、緊急の出費が発生した時に不安があるので、さらに5000万円の融資を受けたということのようです。ザスパ草津にはスタジアムのバカ高い照明使用料や、練習施設など抱えている懸案事項もまだまだありますが、経営・運営的には改善に向かっているようです。後は、出来るだけイレブンに頑張ってもらい、試合の日に雨が降らないことを祈るばかりですよ。雨の平日ナイトゲームだった神戸戦はもったいないくらいの興奮のゲーム、島田の直接FKゴールも見られましたしね。神戸戦の家本主審も噂にたがわぬ主審ぶりでしたが、次の仙台戦の、あのやろ(以下略)