琉球新報がJリーグ全クラブに沖縄キャンプのアンケートを実施。

SH772007-05-17

琉球新報5月16日付より。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23801-storytopic-2.html

●11クラブ県外に変更 Jリーグ沖縄キャンプで調査
琉球新報社はサッカーJリーグのJ1・J2合わせて全31クラブに「沖縄キャンプの可能性」に関するアンケート調査を行い、全クラブが回答した。Jリーグが開幕した1993年以来、県内でキャンプを実施した14クラブのうち11クラブが今春のキャンプを他府県や外国で実施していたことが分かった。また、クラブがキャンプを実施する上で必要だと考える条件は(1)練習試合の相手(25クラブ)(2)良好な芝のピッチ(20クラブ)(3)キャンプに対応できる宿舎(16クラブ、以上自由回答、複数回答可)―の順だった。

なかなか興味深いアンケートなので取り上げてみました。Jクラブがオフシーズンのキャンプに求めているものが窺えます。

(中略)
これまでに14クラブが県内でキャンプを実施したことがあるものの、ほとんどが1、2年で他地域に移っている。その理由としては「練習試合の相手不足」(7クラブ)、「コストがかかる」(4クラブ)、「芝の状態が悪い」(3クラブ)などが挙がった。今春県内で実施したのは東京、札幌、湘南。

Jクラブキャンプ地スケジュールを「さっかりん」で調べてみると、今季沖縄でキャンプを行ったのは上記のとおりFC東京と札幌、そして湘南。そして3クラブともに10日前後で沖縄キャンプを切りあげ、FC東京はその後に宮崎へ、札幌は熊本へ移動。湘南はキャンプ自体を終えてしまっています。今季のキャンプ日程からは沖縄は確かに活用されていないですね。ちなみに今季の最多キャンプ地はザスパ草津を含む14クラブが集まった宮崎、次いで8クラブの鹿児島でした。
上記アンケートで沖縄以外をキャンプ地に選んだ理由として、「練習相手」が多く挙げられていますが、現在はJFLFC琉球、九州リーグでは沖縄かりゆしと海邦銀行が活動しており、大学や高校も沖縄がレベルが低いわけではありません。最多キャンプ地ながら宮崎はJFL所属チームがないので、やはり他Jクラブとの練習試合の組みやすさ(移動距離と費用も考慮して)があるのではないでしょうか。気軽に隣県にバス移動、とはいかない場所ですからね。2番目に挙げられた「コスト面」もこれに関わってくると思われます。3番目の「芝の状態」については沖縄県サッカー協会の幹部の方からのコメントが。

この結果に関し、県サッカー協会の上地義徳専務理事は「施設管理の問題に尽きる。きれいな芝があれば、多くのクラブが来るはず。サッカーに限らず、子供たちが芝生の上で走り回れる環境づくりが、われわれの長年の課題であり、夢でもある」と話している。

スタジアムガイドの最高峰、「わかの観戦日記」さんの「スタジアムガイド・九州沖縄のスタジアム」を参考にすると、施設数自体は決して他県に劣りませんが、芝の状態・管理が難しいみたいですね。また、既にリンク切れになってしまっているので記憶している限りなのですが、琉球新報加藤久ヴィクサーレ沖縄監督が連載されていたコラム(サカダイのコラムだったかな?)で、「沖縄は土地柄、スコールでグラウンドが水浸しになることが多いため、それに影響されない人工芝の練習場が必要。民間では一箇所あるものの公共施設がないため、あれこれ活動したが、乗り気だった行政の担当者にも『県内の他市町村に前例がないと予算が承認されにくい。』と返答され、その横並びに困っている」との主旨で書かれていました。沖縄・人工芝でググってみても、コラムを書かれた2〜3年前と状況は変わっていないようです。気候はキャンプ地として必要充分、サッカーのレベルも着実に上がってきている沖縄ですから、Jクラブのキャンプ開催を抜きにしてもインフラ整備が進んで欲しいですね。

●参考リンク さっかりん:Jリーグキャンプ情報(1月・2月)
http://soccer.phew.homeip.net/camp/?team=&m=1
http://soccer.phew.homeip.net/camp/?team=&m=2
●参考リンク 「わかの観戦日記」:九州沖縄のスタジアム
http://waka77.fc2web.com/studium/studium-8.htm