JFL栃木SCの高橋高監督が辞任。後任は元京都、山形監督の柱谷幸一氏が内定。

SH772007-06-20

下野新聞6月20日付より。地元テレビでは昨日に発表された大きなニュースです。
http://www.shimotsuke.co.jp/hensyu/news/php/s_news.php?f=k&d=20070620&n=8

栃木SC監督に柱谷氏内定
2008年のJリーグ参入を目指す栃木SCの次期監督に、昨シーズンまでJ1京都(現J2京都)で監督を務めていた柱谷幸一氏(46)の就任が、19日までに内定した。柱谷氏はJFL後期初戦となる7月1日のFC琉球戦から指揮を執る。
高橋高監督(43)は成績不振を理由に、十九日付で辞表を提出。受理され、退団する。このため、京都市で二十三日行われる前期最終戦佐川印刷戦は浅野博孝ヘッドコーチが高橋監督に代わって監督代行を務める。
前期第16節終了時で栃木SCは6勝6分け4敗。J2昇格条件は4位以内だが、現在は7位と低迷している。

Jリーグ準加盟クラブと承認され、多くのプロ選手を加えて今季に臨んだ栃木SCですが、現在4位と勝ち点差4の7位とやや出遅れています。単純に「低迷」と酷評されるのは厳しいと思いますけどね。
開幕から7試合は主に昨季下位陣との対戦で、これを5勝2分と順調に進みましたが、ホームFC岐阜戦で今季初黒星(0−1)を喫すると、その後の昨季上位陣との連戦で1勝4分3敗。敗戦もホームでのロッソ熊本戦の0−2以外は全て1点差の惜敗ばかりでしたが、J加盟条件「4位以内」の達成のために、早めに大きな転換を図ることになったようです。
昨季の天皇杯では、まずJ2東京ヴェルディに勝利し、その後にJ1清水エスパルスに敗れたものの、その真っ向勝負の撃ちあいは大変面白く県内のJを目指す機運を大いに盛り上げたと思います。JFLでの戦績とこの大会の戦いぶりからも早々に退場する監督ではないと思えるだけに残念ですね。草津JFL時代に足利で散々な目にあってますし。
しかし今季はJ加盟を目指して多くのプロ契約選手がチームに加入し、単純にタレントは向上したと思いますが、その新戦力と旧来のメンバーとを融合させた新チームを構築しつつ成績も残していかねばならない難しい作業に直面していたようです。また高橋監督は現場の指揮と教職を兼任されており、そこでのご苦労もあったようです。詳しくは下野新聞の3月25日付と6月13日付より。
http://www.shimotsuke.co.jp/media/sports/t_sc/news/2007/0325.html
http://www.shimotsuke.co.jp/media/sports/t_sc/news/2007/0613-1.html

●目指せJ 栃木SC/高橋監督、県体協派遣に
県教委は24日、小中学校の教職員定期異動に伴い、栃木SC監督を務める高橋高・宇都宮市鬼怒中教諭(43)を4月1日付で県体育協会派遣(県教委スポーツ振興課指導主事)とする人事を発表した。高橋監督はこれまで教員としての仕事の傍ら、栃木SC監督を務めてきた。アウエーゲームでは、翌日の勤務のために、チームとは別行動で深夜、単身で帰県するなど、きついスケジュールを強いられていた。
同協会派遣に伴い「当然、協会の仕事はしてもらうが、今までよりは自由に動けるようになるだろう」(県教委)としている。(後略)
●Jへの挑戦/栃木SC/不振脱却へ昼間練習開始
J2入りを目指す栃木SCの昼間練習が12日、鹿沼市鹿沼自然の森人工芝サッカー場で始まった。
仕事を持つアマチュア選手が大半を占めるため、これまでの練習は夜間に行われていた。しかし、ここ6試合リーグ戦で勝ち星がないなど不振が続き、フロントの方針でよりコンディションのいい昼間練習を取り入れた。全選手が参加できないため、当面は昼間と夜間の2部制で行うという。
(中略)
10日の三菱水島FC戦でJFL初参戦したFWの上野優作は「夜間だと時間が来ると照明が消えてしまい、居残り練習もできなかった。今日はおのおのがシュートやFKの練習をするなど、今までできなかったこともできた。これがいい方向に向かえば」。
また主将の北出勉は「全員でできればいいのだが、チームの事情で仕方がない。練習に出たくても出られない選手もいる。そうした選手の分まで気持ちを込めてこれからも臨みたい」と話した。

チーム環境も個人的な環境も徐々に改善に向かっていたようですが、内部でしか判らないご苦労も多かったと思います。元々S級資格を保有されていない高橋監督は、栃木SCのJ加盟が達成されれば、指揮を自動的に後任に託されることも判っていただけに、長らく監督を務められた高橋監督の手でJ加盟まで進めていただきたいと周囲も思われていたでしょうし、なによりご自身が一番無念の決断であったろうと思われます。ともあれ長らくの多忙な指揮監督、お疲れ様でした。

(中略)
柱谷氏は二〇〇一年、J2山形の監督に就任。その年、チームを3位まで引き上げ、選手育成や大胆な戦術が評価された。〇四年からは京都の指揮を執り、〇五年にはJ2で優勝、チームのJ1復帰に貢献した。
栃木SCとの契約は七月一日からだが、今月二十四日に就任会見を行う方向で、現在フロントと調整を進めている。

まだまだ悲観するような順位ではありませんし、今季補強された戦力も他にひけをとりません。柱谷氏はチーム再建の手腕も実証されている方です。この時期の監督交代は荒療治だと思いますが、今季でのJ加盟への強い姿勢を見せて覚悟ままに良い方向に進んで欲しいですね。