「岡山から目指せJ」ファジアーノ岡山がJリーグ準加盟申請。審議は8月21日のJ理事会にて。

SH772007-07-04

本日、7月4日付でファジアーノ岡山公式にて発表されました。公式トップは草津よりカッコイイなあ。Jリーグ加盟の実現には、まだ成績面など越えなければならない多くのハードルがありますが、関係者各位の努力が生んだ大きな一歩だと思います。
http://www.fagiano-okayama.com/
http://www.fagiano-okayama.com/2007/07/74j.php

●本日7月4日、Jリーグに準加盟申請
本日7月4日14:00、おかげをもちまして弊クラブはJリーグに準加盟を申請。
これもひとえに皆様のご支援、ご協力の賜物と心より感謝申し上げます。
今後も引き続きご声援のほど宜しくお願い致します。

ファジアーノ岡山が近日中にJ準加盟申請を行うこと自体は既報でして、その中詳しい経緯や状況がまとまっていたのはさすが地元紙の山陽新聞、その6月30日付より。
http://www.sanyo.oni.co.jp/sanyonews/2007/06/30/2007063009174447012.html

ファジアーノ岡山 Jリーグ準加盟申請へ 承認なら地域リーグ
中国サッカーリーグファジアーノ岡山岡山市)が7月4日にも、Jリーグへ準加盟を申請する。申請はJリーグ2部(J2)参入に欠かせない要件。承認されれば、「J4」に当たる地域リーグに所属するチームとしては全国初のケースとなる。
申請に必要な岡山県サッカー協会の承諾書、運営会社・ファジアーノ岡山スポーツクラブの資金繰り表、スポンサー(130社)の名簿などは既にそろい、ホームスタジアムは桃太郎スタジアム岡山市)を想定している。岡山、倉敷市岡山県の地元自治体には、練習場やスタジアム確保など協力姿勢を示す文書の提出を要請しており、それらの書類がそろい次第、木村正明社長らがJリーグへ申請する。

6月30日の時点でほぼ申請書類は出揃い、残る地元自治体からの支持・支援文書が到着したので7月4日に申請できた、というわけですね。

その後はJリーグが書類審査や現地調査を行い、最終的に8月21日のJリーグ理事会で審議され、決定する。
ファジアーノ準加盟クラブに認められれば、Jリーグ入りが現実味を帯びる。今年、日本フットボールリーグ(JFL)に昇格し、来年4位以内の成績を収め、最終関門のJ2入会審査で承認されるとJリーグ昇格がかなう。(後略)

中国リーグを戦うチームも、開幕から12連勝で堂々の首位。まだリーグ戦は残っていますが全国地域リーグ決勝大会への中国リーグからの出場枠は2つあります。*1よほどのことがない限り大会に臨めるでしょう。一昨年は1次ラウンド敗退、昨年は決勝ラウンドで敗退してしまいましたが、毎年確実かつ急速に力をつけてきているようです。今季は、ザスパ草津で一昨年に指揮をとられた手塚さんが監督を務められており、また地域リーグ時代の草津の中心選手で昨季まではファージアノの選手だったFW梁圭史が今季からコーチに就任。選手にも元ザスパ草津チャレンジャーズチームのMF山口直大が所属しているなど、ザスパ草津ともなにげに関係の深いチームです。毎年過酷な全国地域リーグ決勝大会ですが、なんとかJFLへの昇格を果たして欲しいですね。
話を元に戻しまして。ファジアーノ岡山がJ準加盟を果たせば、地域リーグクラブとしては初の事例となりますが、*2実際のところどのくらい環境が整っているのか。準加盟の条件は大小様々ありますが、おおざっぱに分けると「運営組織・ホームタウンの協力・J規格スタジアム」となります。*3それぞれについて新聞過去記事からまとめてみます。地元紙山陽新聞は、ファジアーノ岡山の過去記事を設立の動きがあった2003年のものから全て特設応援ページに並べておいてくれるので、ありがたいですねえ。上毛新聞は今週の試合結果も読めないのに。
●運営組織(運営組織の法人格・常勤取締役と職員・財務状況など)
山陽新聞2006年7月13日付より。
http://www.sanyo.oni.co.jp/kikaku/soccer/fagi/news/2006/20060713.html

ファジアーノ岡山 株式会社設立へ J入りへ財政面強化
中国サッカーリーグファジアーノ岡山の新しい運営母体となる株式会社「ファジアーノ岡山スポーツクラブ」の登記が13日行われる見通しとなった。社長に就任予定の元ゴールドマン・サックス証券執行役員、木村正明氏(37)らが12日、岡山市内で明らかにした。
これまでファジアーノNPO法人・岡山ヒューマンスポーツクラブが運営してきたが、将来のJリーグ入りに向け、選手強化や財政基盤を充実させることが株式会社設立の狙い。
資本金は当初約1000万円で、来年1月末までに県内企業や県民から幅広く出資を募る。ファジアーノは今年、中国リーグ上部に位置するアマチュア最高峰の日本フットボールリーグ(JFL)への昇格、来年はJFL上位、再来年のJリーグ2部(J2)入りを目標に掲げる。

昨年7月にNPO法人から株式会社に。常勤取締役も決定し、体制的には準加盟の要求を満たしました。ファジアーノ岡山として出発してから3年目、JFL入り前での運営体制の強化は迅速かつ拙速のようにも思えますが、NPO活動での限界を見据えて、組織・財政状況の強化を図ることがJ加盟とクラブ存続のために必要と判断されたようですね。各地域の強豪が集い、「目指せJ」クラブも増加する全国地域リーグ決勝大会。そういう相手を向こうに回して戦っていくには少なくない資金が必要ですからね。05年の大会初挑戦が1次リーグ敗退で終わったいえ、この時の経験がチームにもクラブにも活かされているといえるのではないでしょうか。同記事で、その辺りが解説されています。

●解説 「チーム力」向上狙う 支援の輪広げ安定運営
正式に設立することが12日、明らかになったサッカーのファジアーノ岡山の新運営母体となる株式会社「ファジアーノ岡山スポーツクラブ」。これまで運営を担ったNPO法人・岡山ヒューマンスポーツクラブでは資金難が切実となり、夢のJリーグ入りに向け株式会社化による財政基盤強化は当然の成り行きだった。
ヒューマンクは昨年度、チーム運営に必要な約1200万円の資金繰りに苦労した。会費や広告料だけでは足りず、有志の寄付金や借入金で急場をしのいだ。
現在所属している中国リーグから上部リーグに進めば、運営資金は大幅に増える。日本フットボールリーグ(JFL)は1・5億円、さらにJリーグ2部(J2)では3億円が必要とされる。日本協会は2010年、J2チームを現在の13から18に増やす構想を掲げており、新経営陣は早期昇格には株式会社設立で、集金システムの構築が急務と判断したようだ。
Jリーグを目指すライバルチームは全国に約30と言われる。9地域リーグの上位チームを倒し、入れ替え戦を勝った先にJFL昇格があり、さらに強豪18チームがひしめくJFLを勝ち抜かないとJ2の扉は開かない。1勝ずつの積み重ねはJへの階段を上がることになる一方、支援の輪が広がり経営の安定化にもつながるはずだ。(後略)

取締役社長の木村正明氏のインタビューも同紙の2006年9月6日付より。注目部分を抜粋します。
http://www.sanyo.oni.co.jp/kikaku/soccer/fagi/news/2006/20060906.html

ファジアーノ岡山スポーツクラブ 木村社長インタビュー
―資本金1500万円で会社を設立し1カ月余り。資金集めは順調に進んでいるか。
「現在、事業計画書を手に県内企業に理念を説明して歩いている。地域活性化につながる、と評価されているが、具体的な出資はこれからになる。Jリーグ準加盟段階で1億5000万円の資金が必要で、フロント、チーム関係者は相当の覚悟で事に当たらなければならない」
―今年、中国リーグで優勝すれば、アマチュア最高峰の日本フットボールリーグ(JFL)昇格を懸けた全国地域リーグ決勝大会が待ち受ける。
「同じ地域リーグではFC岐阜(東海リーグ)、V・ファーレン長崎(九州リーグ)が強敵。今年か来年にはJFL昇格を果たし、Jリーグを狙えるチーム力と財政基盤を整えたい。全国にはJリーグを目指すチームは30以上ある。前例を見ればJFLの壁にことごとくはね返され、Jリーグ昇格後も財政面で苦労するケースは多く、今は確かな経営基盤を築くことが急務」
―サッカー関係者にとどまらず、県民の関心は高い。今後の抱負を。
「県民に愛されるチームになるよう、経営に知恵を絞る。運営資金は特定企業頼りではなく、たくさんの企業や個人に支えられる地域密着型クラブを目指す。収益性の高いJリーグチームを柱に、将来は他のいろいろなスポーツが楽しめるようにし、岡山の子供たちに夢を与えられるチーム、クラブを目指す」

Jリーグに加盟するためにも運営・財政基盤強化が必要で、準加盟時には1億5千万円が必要とのこと。また頼れる大スポンサーがなく、小スポンサーを増やしていかねばらならない見通しが語られています。ヴァンフォーレ甲府方式と云えるでしょうが、実際にスポンサー獲得に東奔西走する現場は大変ですよね。その活動については同紙の本年1月11日付の木村社長インタビューで触れられています。
http://www.sanyo.oni.co.jp/kikaku/soccer/fagi/news/2007/20070111.html

●JFL昇格へ正念場 ファジアーノ岡山 木村正明社長に聞く
(前略)
―プロ契約選手を増やすなどチーム強化には多額の資金が必要だが。
「資本金を含め昨年は運営費2500万円でやり繰りしたが、今年は遠征や選手強化など最低でも2倍の5000万円が必要。この目標に向け、フロントは資金集めのために毎日汗をかく。資金援助だけでなく、例えば薬局にテーピングを原価で譲っていただくとか、理髪店なら選手の無料散髪券など、できる範囲で支援をしてもらえればありがたい」
(中略)
―JR岡山駅前に整備していた5人制ミニサッカー・フットサルのコートが13日オープン。スクールではファジアーノ選手が幼児や小学生を直接指導する。
「自主財源の確保、さらには子どもたちの夢づくりにつながる。一人一人の個性や発育を考慮して指導し、サッカーの楽しさを伝えるとともに、自ら活動できる人間性を養いたい」
(後略)

株式会社への移行から約1年。準加盟申請までこぎつけるまでには多くの活動の積み重ねがあったことが窺えますね。ただ昨季よりチームを強化した分、今季の運営資金もやりくりが大変なようです。それに関しても同紙4月12日付と30日付より。
http://www.sanyo.oni.co.jp/kikaku/soccer/fagi/news/2007/20070412.html
http://www.sanyo.oni.co.jp/kikaku/soccer/fagi/news/2007/20070430.html

ファジアーノ 29日からホーム6試合で樽募金
Jリーグ入りを目指すファジアーノ岡山は、県民から幅広い支援を受けるため「樽(たる)募金」を始める。夢実現へ機運盛り上げを図るとともに、チーム強化費に充てるのが狙い。29日、岡山市桃太郎スタジアムで行われる中国リーグ、JFE西日本戦でスタートさせる。
同スタジアム正面付近に設置する酒樽は直径、高さともに1メートル。倉敷木材(倉敷市)が無償提供する。15日のリーグ開幕戦を除く、ホーム6試合の会場に置く予定。(後略)
ファジアーノ 樽募金開始 夢の「J」へ後押し
岡山からJリーグへ―。中国サッカーリーグファジアーノ岡山は29日、試合会場の桃太郎スタジアム岡山市いずみ町)に酒樽(さかだる)を設置し、約5600人の観客に募金を呼びかけた。
プロ野球・広島カープの球団草創期などに行われたことにあやかっての発案。倉敷市内の木材メーカーが製作した樽は直径、高さとも1メートルもあるジャンボサイズ。スタジアムの2階通路に置かれ、気前よく1000円札数枚を投じるサポーターや、背伸びして中をのぞきながら100円玉を入れる子どもなどが続いた。岡山・牧石小6年大長智勝君(11)は「ぼくたちが応援するから」と心強い。
ファジアーノは今季9000万円の運営資金のうち5000万円しかめどがたっておらず、スポンサー集めに苦労している。応援機運の盛り上げも狙った「樽募金」は今後、同スタジアムでの公式戦3試合でも行う予定だ。(後略)

2005年には1200万円の運営資金のやりくりに窮し、2006年は2500万円で運営したクラブが、2007年には5000万円も集めたのは素晴らしい頑張りですね。毎年2倍に増えています。しかし今季の運営資金は9000万円を予定し、まだ4000万円が不足している状態。ここは準加盟審査に影響があると思われます。FC岐阜も運営資金に問題が発生し「財政の改善と追加報告」を条件に、準加盟が認められましたからね。ただ目算あって準加盟審査に臨んでいるのでしょうから、残り4000万円の調達は完全にお手上げ、ということはないでしょう。一日も早く新しいスポンサーが増えてくれるといいですね。

●ホームタウンの協力(ホームタウンとなる市町村と都道府県からの練習場の支援・スタジアム優先使用の許可)
冒頭の記事で、岡山県岡山市倉敷市から「ホームタウン支援承認」の書類が届いたと書かれていますから、当然クリア。そて練習場支援に関してですが、ここから先は、草津サポだと「いいなあ、いいなあ」の連発になりそうな記事が並びます。2006年12月12日付と本年2月17日付より。
http://www.sanyo.oni.co.jp/kikaku/soccer/fagi/news/2006/20061211.html
http://www.sanyo.oni.co.jp/kikaku/soccer/fagi/news/2007/20070217.html

ファジアーノ・J入り支援 岡山市サッカー場を優先貸し出し
岡山市高谷茂男市長は11日、同市に拠点を置き、将来のJリーグ入りを目指すファジアーノ岡山中国サッカーリーグ)について、市有のサッカー場を練習グラウンドとして優先的に貸し出すなど、支援に乗り出す考えを明らかにした。
11月定例市議会の個人質問に答えた。「市民と一緒になって応援できるプロスポーツを持つことは、政令指定都市の大きなシンボルの一つになる」とプロを目指すチームへの協力に意欲を見せ、「来年度にも練習場の確保などの面で、支援ができるように取り組んでいきたい」との考えを示した。
練習場の候補に挙がっているのは天然芝が整備された神崎山公園競技場(岡山市神崎町)、財田スポーツ広場サッカー場(同市長岡)、灘崎町総合公園多目的広場(同市灘崎町片岡)の三施設。ファジアーノは現在、夜間に岡山、倉敷市などの学校や企業の土のグラウンドで練習しており、運営母体のファジアーノ岡山スポーツクラブ(木村正明社長)は10月下旬、芝生が整備されたグラウンドの確保を同市に口頭で要望していた。(後略)
ファジアーノ支援 岡山市が6月から練習場を優先貸し出し
岡山市高谷茂男市長は16日、Jリーグを目指すファジアーノ岡山中国サッカーリーグ)を支援するため、6月から市有サッカー場を練習場として優先的に貸し出すことを表明した。
対象となるのは、天然芝が整備された操車場跡地公園スポーツ広場(岡山市北長瀬表町)、灘崎総合公園多目的広場(同市灘崎町片岡)、神崎山公園競技場(同市神崎町)、財田スポーツ広場(同市長岡)の4施設。利用は午前中2時間の週3回。芝を休ませるため、1週間単位で順番に4施設を貸し出す予定にしている。
(中略)
ファジアーノは常設練習場がないため、岡山、倉敷市内の企業や学校の土のグラウンドを借りて夜間練習。硬い土は選手の足腰への負担が大きく、木村社長らが昨秋から芝生グラウンドの確保を岡山市に要望し、昨年12月、市議会で高谷市長は支援に乗り出す考えを示していた。
昨年からDFとして活躍する伊藤琢矢選手(32)は「練習環境が改善し、うれしい。公式戦と同じ芝生グラウンドで常に練習できれば、技術向上やけが予防などメリットが大きい」と話した。

チーム始動からこちら、土のグラウンドの練習場を点々とした状況が、4箇所ローテーションとはいえ市内の芝生の練習場を、1週間連続&優先権つきで確保ですよ。そもそも要望の段階では3施設だったところを4施設に増やしてくれていますし。それぞれの施設が全て同じように充実しているのではないでしょうが、芝の状態を確保しつつ、年間通して練習場の心配が無くなったのは、大きな支援ですし、チーム強化の面でも大きいですね。どう思う、同志草津サポ諸君。準加盟審査において、ホームタウン支援の面では問題ないようです。
ただこの環境も、天からの恵みではなく、クラブ関係者の努力の賜物だと考えられます。2006年3月発行の季刊誌「サッカーJ+」第3号に、宇都宮徹壱さんの長期連載『股旅フットボールファジアーノ岡山編』が掲載されました。そこに昨季でも練習場やクラブを巡る環境が決して恵まれていたわけではなかったことが記されています。余談ですが、この連載記事のためにこの雑誌を購読しているようなものですよ。月刊化が決定しましたが、不定期連載にならざるを得ないのかなあ、と心配しています。

宇都宮徹壱の股旅フットボール 第3回「夢見る時代からの脱却」
(前略)早速、ファジアーノの練習場を訪れよう・・・・・・と思ったら、何と目的地は岡山市ではなく倉敷市にあることが判明。それも、水島港に程近い工業地帯にある、JFEスチール(旧・川崎製鉄)の福利厚生施設を利用しているらしい。岡山からは車でおよそ1時間。
(中略・宇都宮さんは、当時の山下監督の車に同乗させてもらえることに)
すでに日は暮れて、車窓の向こう側に、闇に沈んだ工業団地が見える。ファジアーノの練習場は、距離的に、というよりも心理的に、とおく感じられる。これでは、岡山市民にクラブの存在が浸透しないのも詮無き話である。生活の場の近くに練習に励む選手の姿があって、初めて人々はクラブに愛着を覚えるのだ。
(中略・翌日は桃太郎スタジアムを見学に)
桃スタは、さすがに岡山国体のメイン会場だけあって、実に立派な造りである。完成には2年の月日と、91億円が費やされた。(中略)これほど立派なスタジアムがありながら(いや、むしろ立派であるがゆえに)、ファジアーノは昨シーズンの中国リーグで、一度もこのスタジアムを使用できなかった。「国体に遠慮していたから」「たかが4部のクラブだから」「サッカーだけを優遇するわけにはいかないから」――理由については諸説あるが、お陰でファジアーノ岡山市以外の5会場で「ホームゲーム」を行うことになり(広島県福山市も「ホーム」扱いとされた)、サポーターはまさに流浪の民となった。
(中略)岡山は伝統的に陸上競技団体の発言力が強い、という話も耳にした。「桃スタは陸上競技施設なのに、そこでサッカーをするのはいかがなものか」という意見も根強くあるらしい。(中略)競技間に横たわる悪しきセクショナリズムが是正される気配はない。

とんとん拍子に練習場を優先確保できたわけではなく、外部の悪しきセクショナリズムと戦い、折り合いをつけて活動から3年半を経て、ようやく勝ち取った芝生の練習場なんですね。草津サポとしてはまず知事選からかなあ・・・

●Jリーグ規格スタジアム(座席数・ピッチ・照明・各屋内施設など)
結論から云うと、ほぼ完璧です。施設の充実度に加えてスタジアムまでのアクセスも良好どころか優秀の部類に入るでしょう。そんなホームスタジアムは岡山市桃太郎スタジアム。その詳細は岡山県総合グラウンド公式より桃太郎スタジアム概要ページから。
http://www.okayama-momo.jp/annai/annai_1.html

陸上競技場(桃太郎スタジアム
【種別】 第1種公認陸上競技
【収容人員】 約20,000人(メインスタンド約8,200人収容/バックスタンド約7,400人収容)
【フィールド】 106m×72m(天然芝)
【夜間照明設備】 1,500Lxを確保
【大型映像装置】 1基
【主な部屋】
1階: エントランスホール、遺跡&スポーツミュージアム陸上競技場事務室、ウォーミングアップ室、情報処理室、医務室、ドーピング検査室、更衣室、シャワー室
2階: 総合グラウンド事務所、売店スペース 4階: 運営指令室、写真判定室、放送室
ユニバーサルデザイン
車椅子対応型エレベーター 2基 車椅子対応観客席 134席
聴覚障害者(難聴者)対応観客席(集団補聴設備) 240席
多目的トイレ(身体障害者等)12ブース 車椅子対応スロープ 4ヵ所 親子席(ベビーカースペース) 8席

えー、文句無くJ1規格です。また日本一のスタジアムガイド「わかの観戦日記・スタジアムガイド」さんから座席の説明が。
http://waka77.fc2web.com/index.htm
http://waka77.fc2web.com/studium/35okayama/06momotaro.htm

(前略)
メインスタンドは屋根付き。2万人収容で座席はバックスタンドも含めて全席が個席(ベンチシートではない)という充実した施設でJ1基準を軽くクリアしている。(後略)

かつメイン座席はシート付きだそうで。数年前の国体で作られただけあってバリアフリーの導入されています。あえて改善点を挙げれば両ゴール裏が平坦な芝生席であることくらいですが、ここを開放しなくても2万席もあるのですから問題はないでしょう。あと陸上競技場なのでサッカー専用じゃない、とか云いだすとキリがないので。
アクセスは岡山駅から徒歩で15分。岡山駅は新幹線、山陽本線、四国と繋がる瀬戸大橋線など多くの路線が乗り入れる地域のターミナルステーションで、そこから徒歩で着けるわけですから、草津サポ的なイメージでは高崎競馬場跡にあるようなものでしょうか。素晴らしいアクセスですね。J規格スタジアムの条件は問題ないどころか、現在のJ2クラブと比較しても、そこで五指には入るスタジアムではないでしょうか。そして都市圏人口と西日本での岡山県の位置、スタジアムアクセスを併せて考えると、J昇格となれば中国・関西・九州・四国の他サポにも遠征しやすいアウェイクラブという認識になりそうです。地元も他サポからも集客が見込めます。ファジアーノ岡山は、今はまだ地域リーグクラブですが、良質な鉱脈を持つ、成長が期待されるクラブだと思われます。
各条件を見ていくと、準加盟に関しては「クラブの財務状況」が懸案事項である以外は、ほぼ問題ないようです。確実に規模を拡大しているファジアーノですが、残り4000万円を集める必要があるようですし、JFL昇格、J加盟時にはさらに資金が必要になります。なんとか来月には準加盟を果たして、スポンサー数を拡大する起爆剤になって欲しいです。そして準加盟すれば自動的にJFL昇格ではありませんから、チームも強くなり全国地域リーグ決勝大会を勝ち抜いていってもらいたいですね。

*1:昨季も2つ。これは大会決勝ラウンドに進みJFL入りも果たした三菱水島の置き土産。そしてファジアーノ岡山も、昨季大会で決勝ラウンドに進んだため今季も出場2枠をキープした。

*2:現在のJ準加盟クラブは、ロッソ熊本栃木SCガイナーレ鳥取FC岐阜の4クラブで、いづれJFL所属。

*3:J2加盟には、さらにJFLで4位以上・平均観客動員3000人以上という条件が加わります。