100戦して100勝というわけにもいくまい。

監督ネタその1。サポティスタより。
http://www.nikkansports.com/osaka/wak/wak-23-sc02.html

●G大阪西野監督、意識は海外「1000勝への通過点」
J1初の大台到達にも西野監督は「1000勝までの通過点」と強調する。その言葉は照れ隠しでも何でもない。今では日本人選手が海外でプレーすることは珍しくないが、同監督は早くから指導者として海外進出を意識してきた。

「選手に海外に行くという高いステージを目指せといっている指導者がドメスティックな目標設定でやってちゃダメなんだ」。Jクラブで頂点を極め、日本代表監督、そして海外へ。「希望は持っている。具体的にもどこでやりたいというものもある」。

まあ、まずは次の1勝とJオリジナルメンバー(リーグ創設から参加しているクラブ)では数少ない無冠のガンバ大阪に、J王者の称号を。戦力も才能もチームに集結、フロントにもキャプテンにも覚えめでたく、ファン投票もウエスト1位。あとサポの受けの悪さだけだ(それが最大の問題なんだろうけど)。

岡田監督が見据える、真の内なる敵?

監督ネタ、その2。
http://www.nikkansports.com/ns/soccer/p-sc-tp0-040524-0010.html

15日に磐田との直接対決を制し、気温30度以上のインドネシアへ移動。19日のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)ペルシクケディリ戦も勝ちながら、得失点差で決勝トーナメント進出を逃した。今季開幕前に掲げたアジア制覇の夢がついえた。

ショックから立ち直れないまま帰国した直後、Jリーグ幹部から「精神的に弱い」と指摘された。岡田監督は「サポート体制が整わない中、最後まであきらめず必死に戦った。(発言は)あまりにも情けない。選手に伝えられないよ」と怒りに声を震わせた。選手も同監督の雰囲気で感じ取っていた。苦い経験を無駄にしないためには、リーグ戦で勝ち続けるしなかった。

横浜FM、磐田ともにACLは残念ながら終了。Jリーグ幹部は「両クラブは精神的に弱い」と苦言。指摘には一理あるだろうが、しかし過密日程の責は両クラブではなく、この発言者にあるのだ。それを精神論云々に置き換えられてもねえ。

25人の登録枠は、拘束選手の数を制限し移籍を促進する(戦力の余剰保有阻止)と変則的なサラリーキャップ(資金力あるクラブの戦力集中阻止)制度であり、各クラブの戦力均等化の一要素として機能している。ただJリーグがアジア進出とアジア市場を睨んでいるとかACLに本腰を入れていくのなら、登録枠の増加なりJリーグ全体での日程の調整なりが必要だろう。

今回は残念な結果ながら、戦力が充実している磐田と横浜FMだからまだ格好がついたのだ、とも云える。今回の過密日程には対応しきれなそうなクラブだってJの優勝を目指している。「優勝したら来季は地獄」なんてのは無い方向にしてください。

Jのサポート体制のなさを指摘、そんな現状に不満があるだろう岡田監督。札幌でも横浜FMでも「こんなことは本当はGMの仕事だよ」なんて云いながら幅広く監督・指揮をこなしてきている。もしかしたら日本サッカー指導者層の充実、それは岡田監督が監督をしなくても良いほど能力ある人材がJで指揮を執り始め、岡田監督が安心してGMに専念できる日なのかも。

グルージャ盛岡、自衛隊に圧勝。

http://www.grulla.jp/news/index.shtml
グルージャ盛岡 9−2 八戸自衛隊
開幕戦を後半ロスタイムだけで3点とってひっくり返すという劇的な勝利を収めたグルージャは、昨日は自衛隊相手に大勝利。「八戸自衛隊」って名前だけ見ると、プレステの「俺の屍を越えてゆけ」にいそうな名前だ。とにかく祝、開幕2連勝。スポンサーの数やら地元の支持を見ると東北1部昇格に合わせて「飛び級申請」を狙ってきそうな予感。

息子さんも語録がいるかもね。

監督ネタ、その3。
http://www.nikkansports.com/ns/soccer/p-sc-tp0-040524-0007.html

●市原オシム監督の息子、初采配飾った
市原サテライトのアマル・オシム・ヘッドコーチ(36)が、父親譲りの「オシムマジック」で初陣初勝利を挙げた。デビュー戦となったサテライトBリーグ浦和戦(埼玉スタジアム第2)は就労ビザの関係でベンチ入りこそ果たせなかったが、練習で努力を続けるMF椎原、市原の両新人を試合直前に先発へ抜てき。チームは奮起し、1−1で迎えた後半40分にFW羽地が決勝ゴールを挙げ、今季4戦目で初勝利(1勝2分け1敗)を挙げた。

親父よりも更にデカイ、アマル・オシム・ヘッドコーチが初采配&初勝利。ジェフの育成とデプスがさらに充実しそう。サテライトのコーチとトップチームの監督の意志相通が統一、密になるのは良いことだし。

イビチャ・オシム監督(63)が見守る中での初采配に「別にオレが勝ったわけじゃない。ジェフが勝った」と選手の健闘をたたえた。

誰に似たのだ、この発言は。アマルさんにも「語録」が必要かな。

前期は10節まで終了。で、ザスパ草津に見えた課題。

ズバリ、左サイドからの攻撃の形と、鳥居塚の徹底マークへの打開策。
ザスパ草津は両サイドからの崩しを得意としている。右サイドの佐田は不動のレギュラーとして攻守に貢献しているけれど、左サイドはあれこれ人材をお試し中。みな一長一短なのかなかなか固定できない。左サイドでタメがつくれればもう少し楽になるのだが。

今まで試した選手では、横浜FMからやってきた後藤大輔が一番良い感じ。強豪ホンダFC戦での左サイドからの攻撃の組み立ては良かった。さらにレフティキッカーがセットプレーで選択肢で入るだけで相手守備の対応が変わる。いまは鳥居塚ひとりにオマカセの状態。調子が悪いときはどうする、とか問題もある。そんな後藤選手がFM群馬に携帯電話にて出演、オフィシャルファンサイトの掲示板には、そのやりとりがアップ。
http://www.thespa12.com/yybbs/bbs.html

今週末といえば、群馬サッカー史上初となります、JFL群馬ダービーが行われます!!
そこで、その大一番を迎えた今日のゲストは・・・背番号11、後藤大輔選手です!

【今日は今、どちらですか?】今、菅平にいます。あの〜練習試合です、大原学園と。
【自己紹介を!】今、22歳。出身は埼玉でポジションはMFやってます!自分の得意とするプレーは…左足のキックですかね。
【普段はどこでお仕事しているんですか?】普段は…ホテルヴィレッジというところでやってます。朝のバイキングのウェイターです。
【じゃあもう、その筋のことは任せろ!って感じですかね!?】そうですね〜。もうだいぶ慣れました。
【ウェイターで大変なことって何ですか?】やっぱお客様が増えると、下げる量が増えるじゃないですか!それでもう、どんどん下げないとお客様がどんどん来るから・・・本当、スピードで、それが忙しいですね。
【逆に、楽しい事、イイ事ってありますか?】お客様とコミュニケーションとるのが楽しいですね。色々、「おいしいね」とか言ってくれると、すごいうれしいです!

風の噂では、相当テキパキと仕事をされているそうで。プレーもテキパキしているから手を抜かない性格なのか。

【JFLというリーグ、どういう風にご覧になってますか?】どうですかね〜う〜む・・・結構、思ってたより…最初は、そんな簡単に勝てるとは思ってなかったんですね。でもやっぱり強いみたいで・・・思ってたよりは…正直、そんなレベルは高くはなかったですね。
【後藤選手、今季の出場回数は…?】ホンダ戦、先発で出て、あとは大塚戦、先発で出たくらいですね。
【その辺、首脳陣へのアピールしてますか?】練習試合とかでも、調子はいいんですけどね・・・あとは気持ちの問題ですね(笑) なんか弱いって言われるんで、よく…もっと強くなって…

植木監督は籾谷や岩本、後藤の気持ちの弱さ・甘さをインタビュー記事などで指摘している。良い資質を持ちながらその辺りがJで思い通りのプレーが出来なかった原因と捉えているようだ。たしかに3人ともウマイんだよね。まだまだこれからがんばる余地はあるし、鳥居塚や山口、小島などベテランの気迫を学んでもらいたいところ。それにしても横浜FM出身レフティは皆こうなのか(笑)。ただ、誰かと違って球ばなれは良いですぞ。

【自分自身では弱いと思ってないでしょ?】・・・・・・そうですね。そんなには(笑)
【(笑)でもちょっと思い当たる節があるんだ!?】そッそ〜ですね、はい。
【結構、人に気使うタイプですか?】そうですね。
【でもここはもっとわがままに行った方が!?】そうですね。もっとがむしゃらに!!(笑)そんくらいやっていかないと、変わらないんで。
【今週末、群馬ダービー。何か意識するところは?】  やっぱり、絶対負けちゃいけないと思うんですよね。同じ群馬県、ライバルじゃないですか?!いつも以上に目の色変えてやるべきだと思うんで、負けないように。選手みんな、それは分かっていると思うんで。
【最後にサポーターに熱いメッセージを!】今、選手みんなJ2に上がれるように頑張ってるんで、今度前橋なのでグランドに足を運んでいただいて、応援していただければ選手の力になるんで、応援してください!

頼むぞ、後藤。君こそがザスパ草津の左サイドに必要なんだと思っているぞ。監督にアピール、アピール。

あ、鳥居塚へのマークの対処は今季から加入の山口貴之佐田聡太郎のおかげでかなり楽に。高須の負傷明けも好材料。あとはボランチコンビの小久保がそろそろ復帰なので、これで楽になれそうだ。

JFL前期第10節、群馬ダービー以外の戦い。

http://www.jfl-info.net/

●佐川急便東京SC 2−2 愛媛FC
23分:伊藤琢矢(佐川東京
29分:赤井秀一(愛媛)
36分:川井健太(愛媛)
75分:熊谷雅彦(佐川東京

●YKKAP 2−3 ホンダFC
12分:古橋達弥(ホンダ)
14分:星出悠(YKK)
28分:新田純也(ホンダ)
36分:古橋達弥(ホンダ)
81分:堤健吾(YKK)

栃木SC 0−4 大塚製薬
0分:大島康明(大塚)
70分:大島康明(大塚)
89分:林威宏(大塚)
89分:大場啓(大塚)

愛媛FCは難敵の佐川東京に追いつかれてドロー。大塚製薬は相変わらずの攻撃力で圧勝。大塚製薬のエースFW、元神戸の大島は一時期プレーに迷いがあったそうだけれど、どうやら復活の模様だ。先日のG大阪とのTGでも1得点だったし。
前期の2/3、全体の1/3が終了した時点での順位表。

●前期第10節終了での順位表
01:大塚製薬−−−−9勝0敗1分/勝ち点28/得失点差+21
02:ザスパ草津−−−7勝1敗2分/勝ち点23/得失点差+12
03:ホンダFC−−−6勝1敗3分/勝ち点21/得失点差+13
−前期終了時点で上位3チームに天皇杯2回戦シード出場権−
04:愛媛FC−−−−4勝2敗4分/勝ち点16/得失点差+3
05:YKKAP−−−4勝4敗2分/勝ち点14/得失点差+3
06:佐川大阪SC−−4勝4敗2分/勝ち点14/得失点差+1
07:佐川東京SC−−4勝4敗2分/勝ち点14/得失点差−2
08:アローズ北陸−−4勝4敗2分/勝ち点14/得失点差−5
09:佐川印刷SC−−4勝5敗1分/勝ち点13/得失点差−2
10:栃木SC−−−−3勝3敗4分/勝ち点13/得失点差−3
11:群馬FCホリコシ−3勝4敗3分/勝ち点12/得失点差−1
12:横河武蔵野FC−3勝5敗2分/勝ち点11/得失点差−3
13:ソニー仙台FC−2勝4敗4分/勝ち点10/得失点差−3
14:国士舘大学−−−2勝5敗3分/勝ち点09/得失点差−7
15:デンソー−−−−2勝6敗2分/勝ち点08/得失点差−13
16:SC鳥取−−−−0勝9敗1分/勝ち点01/得失点差−15

恋愛寫眞、マヨヌードルより強烈な味。

SH772004-05-24

感想を残しておこうと思った映画シリーズ、その8。

恋愛寫眞 Coollage of Life(2003/日本/111分)
http://www.c-o-o-l.jp/index2.html
監督:堤幸彦
脚本:緒川薫
撮影:唐沢悟
写真:斎藤清貴
美術:佐々木尚
音楽:見岳章/武内亨
出演:広末涼子松田龍平小池栄子山崎樹範西山繭子高橋一生
コピー:死んだはずの彼女から、手紙が届いた。消印はニューヨーク。

●あらすじ
舞台は現代の日本とニューヨーク。
駆け出しのフォトグラファー誠人(松田龍平)の元に届く一通の手紙。それは3年前、大学時代に別れた静流(広末涼子)がニューヨークから送ってきたものだった。フォトグラファーとして成功し、個展を開くことになったので見に来て欲しいと。かつて自分が写真を教え、静流の才能と成功を認められずに別れた誠人は、その手紙を捨ててしまう。しかし同窓会で静流が殺されたというニュースを聞き、そのままニューヨークへ旅立つが・・・。

ケイゾク」「トリック」「池袋ウエストゲートパーク/IWGP」で知られる堤幸彦監督の作品。この監督は、どんな定番料理でもなにかしら一風アレンジした創作料理にしなければ気が済まない料理人なんだと思う。

ところがこの作品では、誠人の大学生時代の恋人との想い出、そしてニューヨークでの経験から得た成長がストーリーの中心に据えられ、一貫して美しい写真が物語を彩り、ラストで満足を得られる良作となっている。独特のアングルとカットで表現される誠人の心象、時間の流れを表す工夫、ミカンで始まる同棲と、破局の時に無造作に置かれた空のミカン箱。堤流の表現が恋愛映画というジャンルの作品にも効果的に活かされることを証明していると云えるだろう。

しかし、毎度おなじみのプロット破綻と小ネタも散見するが、これも物語の雰囲気をギリギリ壊さない範囲で収まっており「このソバ、わざわざ創作料理にしなくてもと思うけれど、これはこれでとても美味しいよ」と云える出来。上質の恋愛映画を真っ向勝負で作れると証明しており、作品の雰囲気を壊しかねないとしても、どうしてもアレンジしなければならないのだろう、この料理人は。*1

ほぼ唯一かつ致命的なアレンジが後半に登場する小池栄子で、上質のソバにかけた特濃トンカツソースの最悪かつ強烈な味。物語終盤にはまた美味しいソバを口に出来るのだが、さっきのソースが口に残ってしまい、料理全体の評価を下げている。これはもうマヨヌードルの比ではない。彼女の名誉のために云えば、古今東西のどんな名優が演じてくれても「アイツは無用。むしろ邪魔。」と云われるに違いない設定とヒドイ役回りであり、貧乏くじを引かされたとも思えて、少し気の毒。棒読みの台詞と感情表現の未熟までフォローする気にはなれないが。*2

この部分の最悪な印象を差し引いても、プロ写真家の斎藤清貴が数万枚撮った中から選び抜かれた日本とNYの数々の美しい写真は、写真というジャンルの芸術を素直に良いものだと思わせてくれるし、その写真を鑑賞するだけでもこの映画を観る価値がある、というところにまで引き上げている。また、父親とは違った可能性を持つ俳優であると感じさせてくれる松田龍平の「静の演技」の魅力、広末涼子の被写体としての完成度と女優としての成長。ストーリー構成と作品全体の雰囲気、救済と成長のラストシーン。主人公二人の魅力と彼らの今後の可能性まで見せてくれた「上質の創作ソバ料理」ながら、トンカツソースが強烈すぎてそのソースの感想が真っ先に出てしまうのだ、どうしても。残念ながら。

小池栄子のパートだけ記憶を消すことが出来るならば「ここ5年間で観た中で最高傑作」と評価できるほど美しく好きな作品。神様なんとかなりませんか>忘れたい記憶。

*1:それでも日本人が好きだという牧師が誠人を連れて行ったバーに飾ってあった赤木圭一郎の等身大ポスターは許す。トニーだトニー。

*2:今、水10での演技を見ると彼女の上達が判る。頭が良い人と思うので、この映画での自分の浮き加減もわかっただろう。その後おそらく研鑚があったのだと考える。