群馬県に来春、北信越BCリーグ加盟の新プロ野球チームが発足予定。

本日6月19日付の上毛新聞1面トップ記事です。こちらも競技は違えど北信越リーグの話ですね。
http://www.raijin.com/news/a/19/news01.htm

●本県にプロ野球チーム
プロ野球独立リーグに加盟する本県初のプロ球団が来春、スタートする。民間で組織する「群馬県民球団設立準備委員会」(糸井丈之代表)が十八日までに発足し、株式会社制の新球団を今秋までに設立する方向で準備を始めた。球団名は公募で決める計画で、新潟、長野、富山、石川県の四球団で今春発足した「北信越BC(ベースボール・チャレンジ)リーグ=改称予定」に加盟、年間約七十試合を行う。野球による地域の活性化を目標に掲げ、広く県民の後援会員や企業などの協力を募っていく。

普段はサッカーのニュースばかり追いかけている物好きなので、寝耳に水のニュースでした。野球界に独立プロリーグ設立の動きがあり、既に四国とこの北信越リーグが活動を開始しているのは知っていましたが、群馬から参加ですか。うまく進んでくれれば群馬県に新たなプロスポーツチームが発足することになりますね。

新球団は会社設立後、選手選考会のトライアウトでプロ契約選手二十五人を決めるほか、著名なプロ野球経験者を監督、コーチに招く方針。高崎市日高町に球団事務所を置き、県内全体に根を張った「オール群馬」態勢で運営する。
(中略)
本県と同時に、福井県でも新球団の設立が検討され、来春は六球団で試合を行う見通し。全国各地で独立リーグ結成の動きがあり、将来的には各県一チームの地域対抗などで人気を盛り上げる構想だ。
新球団設立をめぐっては本県と新潟、長野三県の各青年会議所による「上信越トライネット」連携事業の交流を下地に、今年二月に打診があった。県内の若手経営者らがリーグの将来性をはじめ、県内企業や一般県民の理解を得る可能性などを検討した上で、設立準備委員会を設置した。
北信越BCリーグの運営会社、ジャパン・ベースボール・マーケティング新潟市)の村山哲二社長は「群馬の球団設立は大歓迎だ。地域社会への貢献と野球のレベルアップに高いレベルで取り組むパートナーとして期待している」として、「北信越」のリーグ名も本県の加盟を受け改称する考えを示している。

群馬からも加盟したら、上信越リーグですかね。ある意味、サッカーJリーグ所属のザスパ草津とは商売敵の面もありますが、現在のザスパ草津ラグビートップリーグに所属する三洋電機ワイルドナイツと提携し、県下のスポーツ全体を盛り上げていこうと協力姿勢をとり始めています。詳しくはJ's GOALの2006年10月16日付より。
http://www.jsgoal.jp/club/kusatsu/00039339.html

三洋電機ワイルドナイツとコラボレート!群馬のスポーツを盛り上げていこう!! [ 草津 ]
ザスパ草津三洋電機ワイルドナイツラグビートップリーグ)がコラボレート!!
共に手を取り合い、競技単位ではなく「スポーツ」というカテゴリーの中で『次代を担う子供たちに夢を持つことの素晴らしさ』や、『群馬県内を盛り上げる』ことの意見が合致し今回の提携となりました。
最終目標といたしましては群馬トップスポーツの会、略して「GUTS(ガッツ)*仮称」を発足し色々なスポーツで活躍している企業・団体・個人がひとつになり共同・協力しあえる集合体を目指します。
今後の活動として両競技のコラボレートスクールや、合同イベントなどを予定しております。
ザスパ草津三洋電機ワイルドナイツコメント】
「これを足掛りに、各競技単位ではなく「スポーツ」というカテゴリーで共有し合い、次代を担う子供たちにスポーツのすばらしさ、楽しさを伝えてゆき、そして群馬という地を盛り上げて発信してゆきたい」

以前の上毛新聞の記事では、敷島公園全体のスポーツ施設で同時に各競技のレッスン教室などを開催したいとの意向もありました。ここにBCリーグの新球団も参加してくれると活動に幅が出来そうですね。競技の枠を超えて協力できるところはしていったほうが互いにプラスではないかと思います。
まだ準備委員会設立の段階なので、あれこれ予想しかできませんが、年間70試合のうちの仮に半分を、敷島公園や県内施設で開催するときには、自動的に交通アクセスの問題が発生するはずです。この辺りも草津と協力できればいいですね。まさかサッカーじゃなくて野球だから河川敷駐車場は無料開放だ、とかだったらイヤだなあ。

●参考リンク ウィキペディア北信越ベースボールチャレンジリーグ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E4%BF%A1%E8%B6%8A%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0

J2第22節アビスパ福岡戦。メンバーが足りません。

SH772007-06-18

攻守ともに自滅負け。やりづらい相手ですねえ。詳しくは後述しますが、今季のザスパ草津アビスパ福岡の攻撃コンセプトは、ほぼ同じだと思います。そうなると個々の能力では福岡に分があるだけに、劣勢に立たされてしまっています。それでも為す術なかった第1クールでの対戦とは違い、ある程度は戦えたと思います。ただ福岡の第2クールは苦戦つづきで、この試合の内容も決して良くなかったと思いますが、そんな相手の不調につけ込めないところに、草津の力不足が見えるとも思いますね。とりあえずJ's GOALより結果とこの日のメンバーから。
http://www.jsgoal.jp/result/20070200030220070617_detail.html

●2007 J2第22節(6月17日/博多球/7,711人)
アビスパ福岡 2−0 ザスパ草津
得点 18分:アレックス(福岡) 84分:久藤清一(福岡) 
警告 26分:久藤清一(福岡) 75分:釘崎康臣(福岡)
交代 56分:山崎渡松浦宏治草津) 69分:リンコン→釘崎康臣(福岡) 78分:桑原剛尾本敬草津)/久永辰徳山形恭平 85分:氏原良二後藤涼草津) 88分:久藤清一本田真吾(福岡)
●2007 J2第22節vsアビスパ福岡 ザスパ草津スターティングメンバー 
GK:1本田征治
DF:23藤井大輔 5チカ(C) 6鳥居塚伸人 24吉岡聡  
MF:18櫻田和樹 17秋葉忠宏 15桑原剛 8山崎渡
FW:9高田保則 11氏原良二 
●サブメンバー
GK:21常澤聡 DF:3尾本敬
MF:30松下裕樹  FW:19後藤涼 20松浦宏治
●キックオフフォーメーション(4−4−2・ドイスボランチ
−−高田−−氏原−−:後藤・松浦
桑原−−−−−−山崎:
−−櫻田−−秋葉−−:松下
吉岡−−−−−鳥居塚:尾本
−−チカ−−藤井−−:
−−−−本田−−−−:常澤

通常どおり4−4−2のドイスボランチにて布陣、ここ3戦連続で使用している鳥居塚と吉岡をSBに起用した攻撃的4バックで臨みました。氏原の出場停止が明けて先発に復帰し、代わりに松浦がベンチスタートに。
先に触れた草津と福岡の攻撃コンセプトはほぼ同じ」ですが、両チームともに「ドイスボランチが攻撃を組み立て、両サイドが高い位置で起点を作り、ゴール前にボランチも詰める厚い攻撃でフィニッシュ」を意図していると思います。そうなると試合の趨勢は、サイドの攻防で優位に立つことと、ゲームメイカーのボランチに仕事をさせないことの2点で決します。そして草津は鳥居塚・吉岡の攻撃的な両SBを先発させて、サイドの主導権を守備より攻撃でとることを選択しました。守ってどうなる相手ではありませんからね。*1さらに上毛新聞の記事によると、草津は全体をコンパクトに保ち、全体でプレスをかけて久藤と布部の両ボランチを封じる策であったことが判ります。福岡も全体的にはやや間延びしながらも秋葉と櫻田、両SHの桑原と山崎への寄せは早いものでした。同じ攻め方だったら守り方も同じようなものになりますね。
ただ個人能力でこちらが劣勢ですから、草津は数的優位に活路を求めました。そしてそれがサイド攻撃の組み立ての違いとなりました。攻撃で数的優位を作れば守備はリスクを負って手薄になりがちですが、挑戦者はリスクを犯さねば勝ちは見えてこないものです。まあ、結局は負けてしまったのですが、4CBの守備固めで応じるよりは課題も見えたと思いますね。
そんな試合の流れはJ's GOALのレポートから。福岡担当はベテランの中倉さん。そのレポートは草津との試合でなくとも大いに参考になっています。実質タダで読めるのですから必読のサッカーレポートだと思います。
http://www.jsgoal.jp/news/00050000/00050138.html

【J2:第22節 福岡 vs 草津 レポート】光ったベテラントリオの活躍。福岡が我慢の末に草津を下す。
(前略)
試合は予想通り、中盤でつぶし合う展開で幕を開けた。福岡の狙いは奪ったボールを両サイドのスペースへと送りこんで縦への突破を仕掛けること。そして草津は、奪ったボールをシンプルにラインの裏へ送り、そこへ2トップ、あるいは2列目の選手が斜めに走り込む。試合をリードするのは福岡。7分には久永辰徳の突破から得たチャンスにアレックスが、14分には再び久永の突破から布部が、それぞれ決定的なシュートを放つ。

立ち上がりは草津の攻勢でした。コンパクトな布陣から素早いプレスで主導権をとり、開始早々にFKとCKに繋げますが、どちらも不発。前述のとおり攻撃コンセプトが共にサイド攻撃を基軸としますが、草津がSBを起点としてSHがセカンドストライカーになる形に対し、福岡はSHが主に単独でサイド突破の任を負い、SBは守備を優先しています。中盤のプレスが機能しているうちは草津が数的優位に立てますが、シュートで終われなかったり、カウンターをくらったりすると、SBのスペースが空いてしまう草津のほうが途端にピンチになります。
攻撃しながらもパスミスなどでフィニッシュできない草津に対し、福岡はレポートどおりSHの突破からチャンスを作っていきます。SBが守備に残る福岡のほうがリスクコントロールでも優位なので、攻め切れなければ逆襲を受けることは植木さんも承知していたと思います。ただ植木さんとしては、SHも攻撃に加わった数的優位の攻撃で先制し、それからは必要ならばSBが自陣に引いてサイド攻撃のスペースを消し、焦る福岡に対して途中投入する松浦と後藤のカウンター攻撃でトドメを刺す、というような流れにもっていきたかったと思われます。ですのでサイド攻撃からどちらが先に点をとるか、が最初のターニングポイントとなりますね。まあ草津がとられちゃったんですけど。

そしてゴールネットを最初に揺らしたのも福岡。時間は18分のことだった。立ち上がりから再三好機を演出していた久永がドリブルでペナルティエリアへ。対峙していた山崎渡の足が久永の前方をふさぐ。倒れ込む久永。その瞬間、ホイッスルが鳴り響いた。微妙な位置だったが主審が指す指の先はペナルティスポット。そして、これをアレックスが確実に決めて先制点を奪うことに成功した。3試合ぶりのゴールに博多の森に安堵感が漂う。

スロー映像では、足をかけて転倒させたのはペナルティエリアのギリギリ外で誤審だと判りましたが、そこまで精緻な判断を、遠くから一瞬で判定しなければならない主審に求めるのも酷な話。むしろ、そんな微妙な位置で足をかけるプレーを選択するほうがマズイといえるでしょう。アレックスとのPK対決は、GK本田の跳ぶ方向はあっていましたが、スピードで勝るシュートを止めることは出来ませんでした。これで1−0。
開始から20分も経たないうちに、予想された相手の攻撃に対して、無用なPKを与えてビハインドの状況にしてしまう。この試合のためにチームが準備してきたものを早々に壊してしまった残念なプレーと云えるでしょう。この場面では山崎でしたが、ラフプレーや無用なファールを繰り返して勝手にピンチに陥り自滅するのが今年の草津の特徴です。もちろん強い相手との対戦が続いて大変なのですが、それでもどこかでノーファールで止める取組みを始めない限り、草津は安定した強さを持つチームになれないと思えます。逃げ切れなかった山形戦も、本田が神になった徳島戦も自陣でのファールを繰り返した結果でしたし。

しかし、ここから試合の主導権を握ったのは草津だった。櫻田和樹を中心に高い位置からボールを追って中盤を制圧すると、秋葉忠宏がダイアゴナル(対角線の)パスを両サイドに配る。起点を作るのは左SBの吉岡聡。高い位置でボールを受けて福岡ゴールへと迫った。後手を踏んだ福岡はボールを後追いするばかりで草津にプレッシャーを与えられない。草津がフィニッシュの部分に課題を抱えていることもあって、福岡は何とか最終ラインで跳ね返してはいたが、試合の流れは間違いなく草津にあった。

得意の攻撃が決まったにもかかわらず、福岡は失点を警戒してDF陣が深めに位置を取り、全体的に間延びしたまま守勢に入ってしまいます。最近の不調ゆえに失点したくない守りの姿勢が出たのだと思いますが、こういう流れにつけこめないのが今の草津
レポートどおりSB吉岡を起点として効果的な攻撃を見せ、26分にはコーナーを抉って突破した吉岡からのクロスがドンピシャで氏原に合いますが、そのヘディングはわずかにクロスバーの上に。ここで得点できればまた違った展開になったかもしれないので残念でした。またこの日は秋葉を後ろに残して前がかりにプレーする櫻田が、36分に中央を突破して高田のミドルシュートにつなげる場面も作り、ゴール前に詰める人数を増やそうと試合を通じてかなり頑張ってくれました。チームとして全体的にクロスと中央の詰めのタイミングがあわない攻撃が多かったので、そこをどう工夫していくかが今後の課題です。そこにどう櫻田が絡んでくるか。草津のサイド攻撃のフィニッシュは櫻田と両SHが握っていると思います。
ただ、この日最大の懸念材料として、高田と鳥居塚が不在の両SHが高い位置でのゲームメイクとしてもセカンドストライカーとしても相手の脅威にならず、特に山崎が福岡のプレスの的になって持ちすぎで奪われたり、パスミスを繰り返して相手の反撃の端緒となってしまっていました。前節のヴェルディ戦では目立ちませんでしたが、あの日のヴェルディは特にプレスが甘かったからだと思えます。攻守ともに散々な日となってしまった山崎ですが、持ち前のバランスのよいポジションとりと運動量だけでなく、レギュラー確保のためには高い位置でのボールキープとセカンドストライカーとしての力を発揮することが求められていくことでしょう。簡単ではありませんが、アマチュア時代を知る数少ない選手だけに頑張って取り組んでもらいたいと思います。
失点してからは福岡の引き気味な試合運びにも助けられ攻勢を続けましたが1−0のまま前半は終了します。不調の福岡相手とはいえダイレクトなパス回しが通用する場面もあり、前半終了まで草津押し気味で推移できただけに、ハーフタイムに立て直してくる前にせめて同点としておきたかったですね。

後半も草津ペースは変わらない。「2点目が重要」(リトバルスキー監督・福岡)と指示された福岡だったが、勝てない試合が続いているせいか低い位置にとどまってしまい、セカンドボールを拾えない苦しい展開に追い込まれた。しかし、それでも福岡は、ゴール前に人数を集めて跳ね返すという泥臭いスタイルで辛抱強く耐えた。そんな福岡が奪った終了間際のゴール。それは我慢し続けた福岡へのサッカーの神様からのプレゼントだったかもしれない。

レポートでは後半も草津のペースと書かれていますが、前半はなかなか前に進めなかった田中の突破と、動きの重たかったリンコンに変えて釘崎など運動量のある選手が投入されると試合は一進一退に。田中の強みはロングボールを前のスペースに送ってもらい、スピードにのった状態でボールを拾ってサイドを突破していくところですから、そのケアとして尾本を左SBに入れて吉岡を一列上げ、田中のスピードを落とさせるスペースつぶしで対処しました。同時にチカを前線にあげてポストプレーを試みさせますが、逆に攻撃が淡白になってしまい攻撃自体が停滞してしまいました。そして後半終了間際で追加点を許し万事休す。点差ほど内容の離れた試合ではないと思いますが、攻守ともにわずかなプレーの甘さが勝敗を分けたと思います。
ヴェルディ戦でもそうでしたが、DFライン裏を突破するのが得意なスピードタイプのFWを並べているにも関わらず、敵も味方もポジションをとって待ち構えるところに、ようやくクロスを放り込むサイド攻撃に終始するような組み立てにも難があると考えます。氏原はともかく、高田・松浦・後藤はそういう競り合いに長けた選手ではありませんからね。ヴェルディ戦ではそういったスピード系のFW陣が90分通じて急造4バックの裏を再三効果的にとっていましたが、後方からのスルーパスはなく不発に終わりました。スピードスター松浦と高さと強さのある氏原の加入で、なんだかんだといいながら今季は前線の武器は増えたと思います。そういう選手の長所を活かした攻撃の組み立てをしていけるかも今後の課題でしょう。

中盤でボールを追いこんで、奪ったボールを両サイドへ展開した草津は、ゲームの組み立てという点では狙いどおりだった。悔やまれるのはそこから先の段階を詰め切れなかったこと。植木繁晴監督(草津)は、「もう少しきちっと奪ったボールをひとつ、ふたつつなげると、自分たちのポゼッションが生きてくると思うが、あまりにもミスが多すぎた。まだうちのチームには足りないものがたくさんあるということを見せてもらったゲーム」と試合を振り返った。(後略)

先に述べましたが、草津の攻撃は両SHがボールキープしセカンドストライカーとして機能しないと、なかなか有効なフィニッシュまでもっていけません。本来、右SHのポジションは山崎ではなく鳥居塚が務めていましたが、佐田の負傷で今はSBに。主力の選手がポジションを移動してケアすると、今度はその空いたポジションが埋まらない。こういう状況を繰り返している訳ですね。左SHの桑原もこの日はイマイチで、高田ならばと思いますが、彼には本来のFWの仕事もあります。つまりSHを強化するには、理想とすれば鳥居塚と高田がもう1人づつ必要であり、現実には人材が足らないという結論になってしまいます。*2
佐田は7月の復帰を目処にリハビリ中なのでそれを待つとしても、草津が福岡のような上位かつ同じコンセプトの相手と戦っていくには、もう1、2人の主力級選手が必要だということも判った試合でした。パーマンからコピーロボットを貸してもらうわけにもいかないので、中心的なレギュラー選手を増やすためには山崎や桑原には一層の奮起と成長が求められますし、サブメンバーの台頭も欲しいところです。吉岡もサテライトリーグ戦からチャンスをつかんだそうですし、中井・里見・山本にもチャンスはあるはず。というか名前を挙げた選手全員が救世主になってくれても構わない状況ですよ。
過密日程での連戦でしたが、ようやく1週間の時間が空いて次節はホーム戦。相手は調子を取り戻してきているセレッソ大阪と、これまた強豪ですが、なんとか得点をあげて勝利に結び付けてもらいたいと思います。福岡戦でもまったくノーチャンスというわけではなかったですからね。
草津に限らずポゼッションを高めようとするチームは、まずボール回しの精度、次いで攻撃の緩急のつけどころにフィニッシュへの共通イメージと、順番にクリアしなければならない壁に当たります。パス回しとフィニッシュはもう少し。これにスピード系のFWたちを活かした早い攻撃も織り交ぜられれば、草津の攻撃サッカーはさらに面白くなっていきそうです。最近なかなか勝てませんが、それでも引き分けに持ち込めるのは、前線からチェイシングするFWとボランチ2人のカバー、CB2人の高さと強さに拠るものだと思います。シーズン前には陣容の薄さが懸念されましたが、布陣の中心線(FW−DMF−CB)は、幸いにも信用できる選手たちが固めてくれています。後はサイドハーフサイドバックとバ●主審に当たらない運。チームも選手層も強くなるまで、あと一歩だと思えるんですけどねえ。

*1:前節対戦した東京ヴェルディのラモス監督は『ヴェルディの3バック対策を草津がしてきているから4バック』と語っていましたが、どちらかと云えば対福岡、サイド攻撃の得意なチーム全般への対応だと思えます。4CBの4バックがまるでビルドアップできない自チームの事情も大きかったですし。現在1チームしか採用していない3バック相手に、草津が時間を割いて対応を腐心していると考えるのは、自意識過剰が過ぎるんじゃ・・・

*2:逆に云えば、鳥居塚と高田が本来のポジションに専念する日が草津が強くなる日?

J2第20節徳島ヴォルティス戦。本田は神。

オイ! 見たかコラァ!!

GK本田神のアディショナルタイム気迫のPKセーブと「見たか、コラ! オイ!! 見たか、コラァ!!」の叫びが、超ド級インパクトを残した試合でしたね。動画をYOU TUBEにアップして下さった方がいらっしゃいましたので、さっそくリンクさせて頂きます。

故郷の皆様になんという暴言を。試合内容も、J初出場を果たした吉岡聡の活躍など語ることもあれこれありますが、まずは結果をJ's GOALから。
http://www.jsgoal.jp/result/20070200030420070610_detail.html

●2007 J2第20節(6月10日/鳴門大塚/3,145人)
徳島ヴォルティス 0−0 ザスパ草津
得点 氏原と山崎×2と松浦と挽地と小林とアンドレと羽地がノミネート。該当者なし。
警告 65分:櫻田和樹草津) 85分:チカ(草津) 89分:氏原良二草津)→退場 終了:河野淳吾(徳島)
交代 65分:挽地祐哉アンドレ(徳島) 68分:山崎渡桑原剛草津) 79分:松浦宏治後藤涼草津) 86分:金尚佑→麦田和志(徳島)/吉岡聡尾本敬草津

GK本田征治の神セーブのお陰でスコアレスドローJFL時代から続く鳴門での全敗記録を5で止めて、アウェイ徳島戦で初の勝ち点を獲得しました。結果はスコアレスドローでしたが、過去2戦(水戸戦の勝利、山形での勝利寸前までいった後の引き分け)に比べると、内容は上向いてきたように見えました。山形戦後に選手間の積極的な話し合いがあったそうですが、*1先発メンバーに手が加わったことも大きかったと思います。その試合に臨んだメンバーは。

●2007 J2第20節vs徳島ヴォルティス ザスパ草津スターティングメンバー 
GK:1本田征治
DF:23藤井大輔 5チカ(C)   
MF:6鳥居塚伸人 24吉岡聡 17秋葉忠宏 18櫻田和樹 8山崎渡
FW:9高田保則 11氏原良二 20松浦宏治
●サブメンバー
GK:21常澤聡 DF:3尾本敬
MF:30松下裕樹 15桑原剛 FW:19後藤涼
●キックオフフォーメーション(4−4−2・ドイスボランチ
−−松浦−−氏原−−:後藤
高田−−−−−−山崎:桑原
−−櫻田−−秋葉−−:松下
吉岡−−−−−鳥居塚:尾本
−−チカ−−藤井−−:
−−−−本田−−−−:常澤

登録では2−5−3ですが、並びはいつもどおりの4−4−2・ドイスボランチで布陣しました。特筆すべきは両サイドバックに攻撃的な2人を配置したところですね。鳥居塚は水戸戦以来の2試合ぶりの右サイドバック、左には吉岡聡が入りました。今季キャンプ前に負傷し出遅れていましたが、ついにチャンスをつかんで先発入り。Jリーグ公式戦初出場を果たしました。おめでとう吉岡。
彼のプレーを初めて見たのは、2年前の高校選手権群馬県予選の準決勝、前橋育英×高経大附属の試合でした。当時の前橋育英の10番は現J1新潟の田中亜土夢。その田中を向こうにまわして遜色ないプレーぶりと運動量を見せた高経大附属の10番が吉岡でした。またクロスバー直撃のFKを蹴るなど、かなりの活躍だったことを覚えています。高校卒業後、草津に加入する話もありましたが横浜FCへ入団。今季はレンタル移籍で草津でプレーすることになりました。高校時代の輝きを見ていると、将来の「ザスパ草津の若き司令塔」候補に充分だと思えますので、個人的には、出来れば長く草津にいて欲しい選手です。
それはさておき、この両SB起用に関して植木監督の試合後のコメントがあります。J's GOALから。
http://www.jsgoal.jp/news/00049000/00049798.html

植木繁晴監督(草津):
「ここ2試合、内容的に悪かったので、選手にはもう一度自分達のサッカーを思い出してほしいと思っていました。(後略)
Q:両サイドバックをこれまでと変更したが?
「これまでの悪い原因がサイドのビルドアップだったので、中盤の選手をそこに入れて攻撃面で優位に立ちたかったのです。反面、守備面での多少のリスクは覚悟していました。(後略)

植木さんのコメントどおり、水戸・山形戦では、あまり効果的な攻撃が組み立てられませんでした。「キャンプからやってきたことが出来なくなっている」という選手コメントもありましたね。対戦相手が草津を研究・対策しているのも大きいですが、草津のチーム事情としてSB佐田聡太郎の負傷離脱、負傷明けの藤井大輔のCB固定起用、サイド守備の強化を意図した田中淳尾本敬をSBに配置する4CBでの4バック布陣の影響が、チーム全体の攻撃にズレを起こしていると考えます。
本職がCBの田中と尾本に、佐田と同等の攻撃力を期待するのも酷なのですが、草津の攻撃は、やはりSBが高い位置で絡まないと縦パスに終始するような淡白なものになってしまいますからね。また植木さんコメントのとおりビルドアップのパスや、フィードの精度にも難があり、また特に田中はまだSBとしての守備対応に苦労して、左右どちらに入ってもクロスを上げられ、また突破されるシーンが目立つところもあります。少なくとも4CBの4バックはオプションであり常時固定されるものではない、というところだと考えます。
鳥居塚・吉岡をSBに入れて中盤の絡みと攻撃力を強化すれば、一方で課題であるサイドの守備にリスクを負う形になりますが、これもコメントどおり折込済み。左右のSHには、自陣深くまで駆け戻る労を惜しまない高田と、全体のバランスを考えてポジションを直せる山崎を入れ、さらに献身的な守備を行える桑原も控えさせているところにサイド守備への植木さんのフォローが感じられます。*2
また顔ぶれを二人とも変えた攻撃的な両SB作戦(佐田・寺田組から鳥居塚・吉岡組)は、今後の対戦日程*3の顔ぶれから考えれば、順位的な比較で下位同士の対戦になる、ここで試しておきたかった起用ではないかと思われます。さすがにヴェルディ相手にぶっつけ本番で試したくはないですよね。
前置きが長くなりましたが(本当に長いな)、ここから試合の流れを追って。J's GOALの徳島担当、松下英樹さんのレポートから。惜しい、一文字違い。ナニが?
http://www.jsgoal.jp/news/00049000/00049808.html

【J2:第20節 徳島 vs 草津 レポート】前半を徳島が、後半を草津が握った一戦。徳島は最後に掴んだビッグチャンスを活かせず痛いドローに。
(前略)
この一戦、内容的には前半が徳島のゲーム、後半が草津のゲームであった。
まず前半は徳島が持ち前の守備力を発揮した試合運びで流れを引き寄せる。全体が連動した高い位置からの激しいプレスでボールを奪うと、それを早いタイミングで前線へ送ってチャンスを作ろうと試みた。またこの一戦では2トップの羽地と小林がこれまでとは少し違ったボールの受け方を披露。普段のプレーエリアの中央ではなく、草津DFラインの両サイド裏へ積極的に流れてそこで起点を生み出そうとした。

レポートどおり立ち上がりから徳島のペースで試合が進みました。前線から激しいチェイスとプレスで草津のフィードとビルドアップを慌てさせ、主に(草津から見て)右サイドに人数を集めて攻めあがってきます。4分と7分にはペナルティエリア近くの良い位置からFKを得るチャンスを得ますが、シュートにはならず。また草津の前線にボールを収めさせない4バックと2ボランチの堅守を敷き、中盤のパスカットから積極的にミドルシュートも狙ってきました。
徳島のFKチャンスは、裏返せば草津のファール。自陣でもファールを繰り返すのも課題ですね。前節の山形戦でも、最終盤にファールを繰り返して相手にセットプレーを与え続け、勝ちきれなかった一因を作ってしまったと思います。またご存知のとおり、この試合最終盤の大ピンチも、自陣での安易なファールの連続から招いたものでした。
なかなかチャンスが作れない草津でしたが、14分に山崎とポジションチェンジして右サイドに入った高田が、高い位置でボールを受けファールをもらってFKのチャンスを得ます。キッカーは吉岡。左足でゴール中央に精度あるキックを送り、草津も2選手が詰めますがGK島津がパンチングで逃れて、こちらも得点ならず。高校時代からの好キッカーぶりを見せてくれました。
このプレー後の15分すぎになると、草津も徳島の攻撃に対応しはじめます。徳島の2トップに入るロングボールの競り合いにチカも藤井も決定的に負けることがなく、どちらかといえばセカンドボールをキチンと拾えればピンチにならないことが判り始め、ボランチの秋葉と櫻田が適切な距離をとってセカンドボールを拾い、逆サイドを駆け上がる吉岡に大きくサイドチェンジして攻撃を組み立てていくことが出来ました。このあたりの徳島の攻撃の問題はレポートに記されています。

ただ、そうして主導権を握りながら徳島は決定的チャンスにまで至らない。「アタッキングサードでの工夫については我々が持ち続けている課題です」と今井監督も振り返った通り、羽地と小林のポストプレーからボールを受けた小山、金、挽地らにバイタルエリアへ侵入していく工夫が欠け、シュートを放ってもそのほとんどがミドルレンジからのもの。さらにはそれらの精度にも問題があったため、再三押し込みながらゴールは遠く、結果的に徳島は自分たちの時間であった前半に得点を挙げることが出来なかった。

実際、FWにロングボールが収まって2列目以降がゴール前に詰めていくシーンは大きなチャンスが作れていました。まあ草津的にはピンチなので度々あっては困るのですが。
具体的には22分に高い位置をとった草津DFラインの裏を、FW小林にうまく抜け出されて、ロングボールを右サイドで拾われ、折り返しをゴール前に詰めた小山がスルー、さらに飛び込んだ挽地にシュートを打たれる、草津前半最大のピンチになっています。
展開としては、主に右サイド際で攻防が行われ、草津陣内で徳島ボール→下げながらもボールを回す→逆サイドやボランチが前線へ上がる→DFが前線にフィード→小林がDF裏をとってサイドへ流れる→ゴール前に2人詰めて草津DFを引き付ける→駆け上がってきたMFがノーマークでシュート、でした。ただ、この試合の徳島はロングボールをFWに合わせ、DFは自陣に引いてボランチもやや下がり目と間延び止む無しの配置ですから、バイタルエリアに人数を掛けるには上記のとおりMF陣に多大な運動量を必要としますし、守備基調のDMFがゴール前まで攻めあがるには流れを読む判断力とリスクを冒す決断力も求められます。
http://www.jsgoal.jp/news/00049000/00049797.html
http://www.jsgoal.jp/news/00049000/00049799.html

今井雅隆監督(徳島):
(前略)特に前半はよかったのではないでしょうか。アタッキングサードでの工夫については、我々が持ち続けている課題です。今後も引き続き解消に努めなければなりません。
Q:前半、効果的にボールを動かしていたが、点が入らない理由は?
「サッカーで見ている人がワクワクするのはシュートシーンです。その近くまでは行くのですが、数秒の、もしかしたらコンマ数秒のタメが作れていないので、セカセカしたフィニッシュになってしまう。それはどのゲームでも課題です。プレッシャーなのかなぁ」
●金 尚佑選手(徳島):
(前略)もっと攻撃のときにボールに絡まないといけないと思います。サイドでタメを作って攻撃に変化を持たすのも役割だと思うので、その反省を次回に活かしたいです。連敗していたので声を掛け合ってプレーすることを意識しました。FKも蹴らせてもらったが、まだまだ工夫しないといけません。(後略)

草津の「第3の動き」もこういうのを狙っているところもあるんですけど、サイドへの展開やタメと作る部分、守備の人数を割いて攻めあがるリスクなどを考えると、やっぱり難しいですね。
この後試合は中盤での一進一退に推移し、27分に秋葉からペナルティエリア正面近くでボールを受けた氏原が、プレスを受けて体勢を崩しながらも反転気味に強いグラウンダーシュートを放ちます。ボールはGKの届かない位置でしたが、ポストのわずか外に流れてしまいゴールならず。草津前半唯一のシュートでした。
試合は繋ごうとする草津と、それを奪ってカウンターを仕掛ける徳島の図式で進み、徳島は34分にCKからDF西河が高さで競り勝ち、ヘディングシュートを放ちますが、わずかに外に流れて草津は命拾い。この試合を通じてセットプレーは徳島優位だったと思います。今季はチカはもちろん藤井・田中・尾本などDF陣を中心とした奮起で空中戦はそう簡単に負けない草津ですが、かなりやられていましたね。あと2回対戦がありますので、対徳島での課題となりそうです。
試合はその図式のまま進み、前半終了間際の44分に秋葉のロングフィードを左サイドの高い位置に走っていた山崎が、中に切れこんでDFラインのギャップをついてボールを収めます。バウンドするボールを利用してDFと、飛び出してきたGKも交わし、体に当てて押し込むだけの大チャンスをつくりますが、体勢がやや崩れてしまいシュートできず、DF塩川にクリアされてしまいました。そのまま前半は0−0で終了します。流れとしてはやや徳島優勢でしたが、得点チャンスはほぼ一緒でした。両サイドの上がったスペースをカウンター気味に狙われ、攻め込まれる展開でしたが藤井とチカの奮起が大きかったと思います。

(前略)後半は立ち上がりから形勢が逆転。ボランチの秋葉、櫻田を中心としてボールの動きがよくなった草津が流れを奪い返して攻勢に出る。中盤でワイドに展開し、トップの氏原、松浦へ鋭いくさびを入れてたびたび徳島ゴールを脅かした。

後半立ち上がりからは、双方積極的な攻勢で試合の主導権をつかみにかかります。大きなチャンスは草津から。47分に氏原のポストからCKを得て、これをチカのヘディングで枠に飛ばしますがGKのファインセーブに阻まれました。キッカーは吉岡。これも精度の高いキックでした。一方の徳島は50分にDF裏に抜け出した小林が藤井を倒し、GK本田と交錯しながらもシュートをゴールに流し込みますが、藤井を倒したところでファールになっており、先制点になりませんでした。助かった。
中盤での一進一退は前半と同じ展開ですが、草津優勢に以降したのは、徳島は後半には全体が押しあがったのでDFライン裏のスペースが広くなったこと、8メン2ラインの守備隊形が維持されたままので、サイドバックが攻撃に参加する草津のほうが局面での数的優位を確保でき、サイドを突破しやすくなったことが大きかったと思います。また守勢にたたされるとDFラインはどうしても引きますので、中盤ラインとの距離が空き、このスペースを草津が活用できました。
56分にはチカのオーバーラップも絡んでサイドを突破、ゴール正面で山崎のシュートに繋げます。これまたGKのファインセーブで止められますが、局面で数的優位を作り早いパス回しでシュートまで持っていけたのは、最近にない形だったので良かったのではないでしょうか。
荒れる試合には必ず遠因がありますが、氏原退場の伏線はこの時間帯にあったと思います。57分に右サイドを突破した松浦のクロスを受けようと、氏原がゴール前に詰めるところを河野が後ろから押し倒すもノーファール。まあこれは止まれなかったのだと思いますが、その1分後にはセンターサークル付近でボールを収めようとした高田に、同じく河野が後ろからチャージしてファール。60分には、これまたボールを収めようとした氏原に、河野が両足裏をみせたスライディングで右足を削って倒します。相当に危険なプレーですが、カードどころかノーファール。カードの有無はともかく、短時間に同一選手が相手を倒す接触プレーを繰り返しているわけですから注意くらいしてもらわないと(テレビ映像では確認できず。実際はしていた可能性もあります)。だからと云って報復行為、ラフプレーの応酬に及んでいいわけではないんですけどね。
ここまでは普通の試合でしたが、徐々にファールとカードが増えていきましたから、両足裏をみせて相手を削ったスライディングを、ノーファール・ノーカードと判定した「今日の線引き」は失敗だったと云えるでしょう。ファールにもならないのは甘すぎでした。
草津のやや攻勢で試合は続き、63分には氏原が競り勝ってヘディングでポストプレー、DFライン裏に流れたボールを快速の松浦が拾い、ゴールに迫ります。角度のない位置からニアサイドを狙って打ちますがGKに読まれてしまいゴールになりませんでした。
65分には徳島の反転攻勢、サイドを駆け上がる小山を櫻田がスライディングで転倒させてしまい、この試合初のイエロー。カード相当のプレーなのですが、5分前の判定との整合性がありません。基準があやふやで試合のコントロールを失うところが、ルーキー審判なんでしょうね。70分には交代出場のアンドレをまたもや櫻田が競り合いで倒しますが、これはファールのみ。確かにイエロー2枚は退場につながる重い処置ですが、カードも止む無しのプレーだったと思います。せめて厳重な口頭注意は必要だったと考えます。これまた基準がブレてしまいました。
試合が荒れてくると、自ら作った甘い基準を忘れてカードでコントロールを試みて、さらに荒らしてしまう。まあファールを繰り返してカードをもらう草津の選手も充分にいけないんですけど。この日の井上主審はまだJで5試合目だそうです。まあ経験を積んでもらうしかないのですが、出来れば草津と徳島から遠いところで。せっかく試合が面白く動いてきたところだったのですが残念でした。
個人的には、徳島戦が同時昇格チームの歩み、チームの流れが見えるようで一番楽しみなカードです。負傷欠場していますがMF片岡やFW大島ら大塚製薬JFL連覇メンバーは、JFL時代から草津にとって恐るべき敵ですからね。草津でもアマチュア時代を知る選手が少なくなっていますが、その選手たちと同様に、徳島の選手たちにもいつまでも頑張ってもらいたいと思っています。ぶっちゃけ、大塚製薬サッカー部とその面々がやっていたサッカーが好きだったんですよね。草津サポのくせに。サッカーファンとして良いサッカーチームと好選手を好きになってしまうあたりは、草津サポとしてはダメなところなんでしょうねえ。
話が逸れました。試合に戻って。レポートだと試合は草津の猛攻で徳島は防戦一方とありますが、草津はボールは回せるけれどもなかなかシュートまでいけず、徳島はセットプレーで得点を狙うも、パス回しやサイドの展開でミスがあってリズムに乗りきれないまま終盤になったと思います。草津は山崎に代えて桑原、松浦に代えて後藤を投入しますが流れをかえるアクセントにはなりませんでした。80分すぎからはやや徳島優勢に傾き、草津は自陣でファールを繰り返して流れを失ってしまいます。そして最後にはPK献上に行き着くわけですから、後半優位に試合を進めながらも得点できずに最後はファールの連続から自滅パターンに入っていった、というところは湘南戦と同じ。本田に救われましたが、こういうところは改善していかないと、なかなか勝ち切れない不安材料ですね。

植木繁晴監督(草津):
(前略)今日は内容も良く、数回突破もできていました。ただ、取るべきところで取らないと、こういう最後になってしまいます。残り時間が少なくなったら、相手はホームだしパワープレーをかけてくるし、そこでファールをせずに粘って守り切らねばなりません。今後の戦いにおいて、終盤の過ごし方が課題となると思います」
(中略)
吉岡はリーグ初出場でどれくらいできるか見守っていましたが、80点以上の出来ではなかったでしょうか。クロスの正確さがもう少し必要ですが、十分合格点だと思います」

植木監督は、終盤に疲れの見える吉岡に代えて尾本を投入し、パワープレイとやられ続けたセットプレーの高さ対策を講じます。この日の吉岡は草津にとって大きな収穫でした。後ろに尾本を置いた左SHでも面白そうですね。キッカーとしても期待できます。

しかし、勝負の神様は気まぐれなもの。後半防戦一方となっていた徳島に思わぬ形で最後のビックチャンスを与える。試合も残すところアディショナルタイムだけとなったところで徳島がPKを獲得したのだ。そしてここでチームの命運を託されたのはエース羽地。他の選手はもちろん見守るサポーターの誰もが勝利を信じて疑わなかっただろう。が…。

PKは氏原と河野がつかみ合いになって倒れこみ、氏原はバタ足で蹴る報復行為のもの。一発レッドは仕方ないですね。ポジション的に競り合い削られる立場で、氏原にも云いたいことがあるのは充分に分かりますが、暴力行為におよんだほうが悪く、かつ退場したほうが負けです。厳しい云い方になってしまいますが、チームの勝敗より自身の怒りの発露を優先させるのは草津を負けに追い込んでいるだけです。本田がPKを止めてくれから良かったようなものの敗北必至、絶体絶命の状況でした。これを教訓として出場停止明けにはまた活躍してくれることを期待します。いまや氏原はサポの信頼厚い、必要不可欠なストライカーですからね。ダンスも出来ないと寂しいし。
PKの結果はご存知のとおり、羽地のシュートを本田が右手ではじき出して、アディショナルタイムでの先制を阻止しました。ありがとう本田。草津はつくづく守護神に恵まれています。

本田征治選手(草津):
「今日は同級生も来てくれてうれしかったです(※本田選手は徳島県出身)。PKはこれまでも自信があったので、今回もなんとかしてやろうと思っていました。ビルドアップまではうまくいったので、あとは最後のところでちょっとの無理をして、相手の嫌がる攻撃を仕掛けられたら勝ちにつながると思います」
秋葉忠宏選手(草津):
「相手は蹴ってくるのでDFはしっかり準備をして跳ね返し、セカンドを丁寧につないでいこうと思っていました。最後を個の力で抜き切っていれば、もっと違う展開になったと思います。自分達の目指すサッカーが少しずつできているので、これからもどんどん上位目指していきますし、可能だと思います」

氏原は、本田神に夕食をおごるとかしたほうがいいじゃないかな。またPK阻止には、元徳島の秋葉の助言もあったそうですね。徳島新聞6月11日付より。
http://www.topics.or.jp/index.html?m1=3&m2=22&bid=11641884257658&cid=118152722823&vm=1

徳島ヴォルティス、勝ち点3逃す 草津と引き分け
(前略)
【評】徳島はロスタイムで得たPKを生かせず、0−0の手痛い引き分けに終わった。PKは羽地がゴール左を狙ってけったが、草津のGK本田に右手ではじかれた。
試合は押され気味だったものの、最終ラインが安定し、相手シュートを4本に抑えた。GK島津の好セーブも光った。
しかし、攻撃は決定力を欠き、相手を上回る11本のシュートを放つも点につながらなかった。人数を掛けた終了間際の分厚い攻撃も実らなかった。
(中略)
秋葉が存在感示す
○…昨季途中まで徳島でプレーしていた秋葉が草津ボランチとしてフル出場。攻守の要として存在感をアピールした。
ロスタイムのPKの際は、GK本田に「羽地はインサイドでけってくる」と助言。PKを防いだ本田は「秋葉さんのアドバイスで自然に体が反応した」と感謝した。
(後略)

荒れた雰囲気の中でも冷静なアドバイス。プレーぶりも草津のフィットした今季はさすがですが、こういったメンタル的な支え、アメリカンスポーツでは「ロッカルーム・リーダー」と云わますが、様々な人間が集まる集団をチームとしてまとめる大変貴重な存在ですね。また本田と秋葉のコメントにあるとおり、ボール回しなどは過去2戦よりも引いた相手であっても、うまくいきましたしシュートは4本と少ないながらも、いづれも大きな決定機でした。攻撃的なSBを両サイドに配置するのは難しいかもしれませんが、なんとか良いキッカケにしてもらいたいですね。レポートに戻って。

最後にひとつだけ触れておきたいことがある。この一戦では試合終了直後、ピッチ上で選手たちの小競り合いが起きてしまった。勝負に賭ける気持ちが引き起こしたものであるのは十分理解できるが、しかしその気持ちは90分の戦いの中だけでぶつけ合って欲しい。未来のJリーガーを夢見る子供たちが見つめる前で今後そのようなことはどちらのチームの選手たちにもして欲しくない。

試合の最後に小競り合いがあり、河野がイエローをもらいましたが、おそらくはプレーではなく口論だったように見えました。レポートどおり、戦いは90分のサッカーでお願いしたいですね。相手にも審判にも、なにより自分に勝たねばならない。連勝のためにも「男の修行」がさらに必要なようです。ともあれアウェーの連戦で負けなしで3連敗のあとは1勝2分。これからも上位対決が続きますが、順位を上げるには勝ち点をとっていく以外の手段はありませんので、中2日で東京ヴェルディ戦には一層の奮起で立ち向かってもらいたいですね。

●参考リンク:サイボーグネームジェネレーター
http://cyborg.namedecoder.com/
本日のトップ画像。名前を入力してキャラクターを選ぶだけで出来上がりです。

*1:NHK-FM出演の高田コメントより。ショックの大きかった山形戦だが、直後のクールダウンから、試合を反省する話し合いがあちこちで始まった。キャプテンのチカが「みんなで話そう」と呼びかけ、前橋に帰ってから植木監督の編集したビデオを見ながら鳥居塚・秋葉を中心にみんなで意見交換を行った。「勝ちたい」という雰囲気が昨季までよりチーム全体にあることを強く感じた。との主旨で語ってくれました。

*2:逆に攻撃に魅力があっても守備に不安のある選手のSH起用が、現状では難しいとも云えますね。中井義樹里見仁義山本拓弥がなかなか起用されないのには、そういう面がありそうです。また同じ理由で松浦や後藤のSH起用も不安のほうが大きいと考えます。

*3:東京V−福岡−C大阪−札幌。順位を上げるには、最低でも勝ち点5ないし6はとりたいところですが。

J2第18節水戸ホーリーホック戦。北関東ダービー第2戦は炎天下での苦闘。

SH772007-05-29

前節の京都戦は惜敗。この水戸戦は辛勝で連敗ストップ。ホーム3連戦でなんとか1勝を挙げることが出来ました。とりあえず結果が出てよかったよかった。内容のほうは正直ほとんど収穫はなかったですが、水戸のような粘り強く守るチーム相手ではこの日の日差しのようなジリジリした試合展開も致し方ない部分もあります。まずは結果をJ's GOALから。
http://www.jsgoal.jp/result/20070200030120070526_detail.html

●2007 J2第18節(5月26日/熊谷陸/3,401人)
ザスパ草津 1−0 水戸ホーリーホック
得点 81分:高田保則草津)
警告 31分:藤井大輔草津) 56分:桑原剛草津) 84分:加藤広樹(水戸)
交代 30分:大和田真史金澤大将(水戸) 44分:西野晃平遠藤敬佑(水戸) 48分:後藤涼松浦宏治草津) 53分:椎原拓也小椋祥平(水戸) 68分:秋葉忠宏松下裕樹草津

とにかく暑かったですねえ。公式発表は摂氏27度でしたがコンクリートの照りかえしのスタンドとピッチレベルでは30度を越えていたと思います。強い風がアウェイ側からホーム側に吹いていたのがまだ救いでした。試合のほうは1対0で決着。水戸はここまで1勝と苦難のシーズンですが、内容はそこまで悪くはなく、両者に大きな力の差は最後に高田(決めるヒト)がいるかいないかの違いでしかありませんでした。それでも内容ある惜敗よりは辛勝のほうが遥かにマシなので、草津にとって連敗ストップと勝ち点3の獲得は大きいのですが。この日のメンバーと布陣は以下のとおりです。

●2007 J2第18節vs水戸ホーリーホック ザスパ草津スターティングメンバー 
GK:1本田征治
DF:6鳥居塚伸人 23藤井大輔 4田中淳 3尾本敬 
MF:17秋葉忠宏 18櫻田和樹(C)19後藤涼 15桑原剛
FW:9高田保則 11氏原良二
●サブメンバー
GK:21常澤聡 DF:2寺田武史 
MF:8山崎渡 30松下裕樹  FW:20松浦宏治
●キックオフフォーメーション(4−4−2・ドイスボランチ
−−後藤−−氏原−−:松浦
高田−−−−−−桑原:山崎
−−櫻田−−秋葉−−:松下
尾本−−−−−鳥居塚:寺田
−−田中−−藤井−−:
−−−−本田−−−−:常澤

草津の基本フォーメーションの4−4−2ドイスボランチで布陣しました。チカと佐田が抜けたDFラインですがCBは藤井と田中が組み、右SBには鳥居塚。左SBは尾本と並びました。サイドの守備を重視した組み合わせで、かつサイド攻撃を絡めるために鳥居塚が配置されてと考えます。現状で一番の適材ですが、鳥さんは何でもやりますねえ。またその期待に応えてしまうから鉄人なんでしょうね。MFはボランチが秋葉・櫻田ペア。DFが守り重視なので攻めの配球仕様、相手のプレスをかわす意図もあったと思います。
またこの日、お休みのチカに代わってキャプテンマークを巻いた櫻田はかなりの覚悟だったようです。伊藤さんのゲームレビューから。
http://www.jsgoal.jp/news/00049000/00049066.html

【J2:第18節 草津 vs 水戸 プレビュー】第2クール、勝ち星のない両クラブの対戦は死闘の予感。連敗を止めるのは草津か水戸か?
(前略)京都戦で負けた後、一人、涙を流していた櫻田は「試合に負けて、初めて泣いた。勝てる試合を落としたことが本当に悔しかった。次は絶対に勝ちます」と強く誓った。運にも見放され、3連敗となった草津。この嫌なムードを払拭するためには、今節・水戸戦で勝利を挙げるしかない。

サクちゃん・・・(涙)。サクちゃんは頭に蝶ネクタイを巻く宴会部長だとばかり思っていたから(他も思え)、その明るい表情の内側にこんな熱いモノがあるとは。でも試合ではその決意とは裏腹に、秋葉ともども水戸のFWも参加したサンドイッチ猛プレスに苦労しちゃったんですけど。(´・ω・`)次もガンバレ
話を元に戻しまして。両SHは登録リストと異なり右に桑原、左に高田。二人に共通することはドリブルでサイドを抉れること、質の高いクロスを上げられることです。鳥居塚の右SB配置も併せて、この辺りにサイド攻撃からゴール前でのシュートチャンスを増やそうとする植木さんの苦労が見えると思います。FWはポストの氏原とスピードの後藤のペア。スピードスター松浦がサブに回りました。実際の試合の流れは、J's GOALに伊藤さんのレポートから。
http://www.jsgoal.jp/news/00049000/00049182.html

【J2:第18節 草津 vs 水戸 レポート】内容なき勝点3。草津は、エース高田のゴールで連敗を3でストップ
81分、草津・高田が叩き込んだゴールによって勝敗は決した。連敗を3で止めた草津と、3連敗となった水戸。1つのゴールが導いた結果は正反対のものになった。しかし、ゲームの内容はどちらも決して褒められるものではなかった。稚拙な攻撃、重なるミス…。両チームともこの日の内容は、重く受け止めなければならないだろう。

勝ち試合なのにかなり苦言を呈されていますが、伊藤さんのレポートは、ただ批判ありきの叩き記事でもなく、また提灯記事もない、厳しさと暖かさのあるJ's GOALレポートで有数の読み応えです。レビューでの独自の密着情報と併せて、こういうヒトが草津を担当してくれていることは何気にかなりの幸運だと思っています。
確かに酷暑の中での試合、負傷者と出場停止が多い上に水戸はさらに連戦と、コンディションも万全とはいきませんでしたが、試合はJ2下位同士の潰し合いの様相でした。昨季から今までの北関東ダービーはこういう展開でロースコアの接戦か、草津が嵌まって3−1で勝つかの繰り返しでもあるんですよね。

(前略)両チームともに序盤はDFラインを高く設定。センター付近に選手が密集し狭いエリアでの攻防となる。しかし、その状態は長くなかった。守備ラインを下げるため、両者がロングボールを使い始めると雲行きが怪しくなってくる。(後略)

レポートどおり立ち上がりこそ中盤での混戦でペースの取り合いが行われましたが、両チームともにサイドの高い位置で起点を作るべくロングボールの蹴り合いに推移していきました。この応酬は風上の水戸有利でしたが、最初に得点機を作ったのは草津でした。
15分に水戸陣内左サイドでFKを得て、キッカーは桑原。桑原の精度の高いキックはファーサイドで待つ尾本にドンピシャ。尾本はヘディングシュートを放ちますが、これはキーパー正面に。試合を振り返って見ると、このチャンスで先制したかった場面となりました。この後は風上に位置する水戸が徐々に形を作って攻撃に転じ、試合のペースをつかんでいきます。28分にMF椎原との早いパスワークからFW西野がDFラインの裏を突いてペナルティエリアに進入、DFを引っ張ってゴール正面の椎原に絶好のパスを送り返しますが、椎原がシュートをゴール上に打ってしまい草津は命拾い。さらに31分には藤井のファールから眞行寺が(草津の)左サイドからFK、ループ気味のシュートは風にのって伸び、GK本田がかろうじて触るもポスト直撃のピンチがあるなど、20〜40分くらいの時間帯は水戸のペースでした
この悪い時間帯の草津の攻撃は、ボランチの秋葉と櫻田が水戸の前線からのプレスに思うようにボールが繋げませんでした。サイドがパス回しに参加しないので、どうしても高田のポストプレーやライン裏を突く後藤へのロングボールといった単調な攻撃の繰り返しになってしまっていました。

互いに攻撃が単調になり、決定機が作り出せない展開。30分過ぎから水戸が自陣に引き始めると、草津は突破口すら見つけることができずに前半を終えてしまう。

伊藤さんはこう記されていますが、そう悲観したものでもなくて。草津はピンチを凌ぐとサイドに流れた後藤や氏原、右SB鳥居塚がサイドから中に入ってパス回しに加わってきて攻撃にリズムを持たせます。38分にはパス回しでポゼッションが組み立てられると左SB尾本が攻撃に絡めるようになりオーバーラップ、ゴール前に走りこむ高田にクロスを合わせます。GKはパンチングで逃れるもボールはファーサイドに流れて、これを後藤が拾ってDFをかわしてふたたびゴール前に折り返します。DFがクリアするも草津の選手に当たりゴール前へ。詰めた氏原がこれを押し込めずに攻撃は終わってしまいましたが、うまくいかないパス回しを前半のうちに修正出来たこと、そこから攻撃を組み立てて人数をかけた猛攻に繋げられたところは、少なからず収穫でしたね。京都戦では攻撃が詰まった状態からなかなか抜けられませんでしたから。前半は0−0で終了しました。
加えて前半について特筆すべきことは、24分に氏原からボールを奪おうと競り合ったCB大和田選手が氏原ともつれて転倒した際に、ヒザを捻ってしまい負傷交代、前述の前半終了間際の草津の猛攻を終わらせたクリアボールがカウンターにならないようを田中がラインを割らせたのですが、そこにFW西野選手がスピードにのったまま詰めて、二人が激突し西野選手が転倒してわき腹を痛めてこちらも負傷交代に。前半のうちに交代枠2つを負傷交代で使用しなければならなかった水戸の前田監督も大変でしたが、大和田選手は全治7ヶ月の重傷、西野選手も当分欠場となってしまいました。お二人が早く、1日も早く復帰されることを願います。どこのチームでプレーする選手も負傷のニュースはつらいばかりですね。

後半開始早々、水戸・眞行寺、草津・後藤がそれぞれビッグチャンスを迎え、ゲームが動き出すかに見えたが、その後は再びこう着状態。草津は水戸の守備網を打ち破ることができずに、中盤でボールを失ってはカウンターを受けるという悪循環に陥る。

草津は前半最後の攻撃のイメージのまま攻勢を仕掛けますが、チーム全体が攻めあがっている中で尾本もオーバーラップ、簡単な横パスをカットされて一転カウンターの大ピンチに。寄せた秋葉と櫻田もかわされ、ゴール前にクロスを上げられます。そしてゴール前で一人つぶれてファーサイドで待ち受ける、どフリーの眞行寺にボールが渡ります。この試合最大のピンチでしたが、GK本田が飛び出したのが幸いしたのかシュートはサイドネットに刺さりました。先制されなくて済みましたが、尾本の課題であるパス精度から招いたピンチだっただけに状況に応じたパスまわし、リスクを考えた攻め上がりをしてもらいたいと思います。CBからの転向で苦労はあると思うのですが、SBとしての守備はかなり良くなってきているので、あとはパスの精度が上がれば文句なしのスタメンでOKなんですけどねえ。
ピンチの後にはチャンスありの言葉どおり、この後は草津の好機がやってきました。48分には櫻田から後藤へ浮き気味のパスで左サイドを突破、GKと1対1でシュートを打ちますが、GKファインセーブで得点ならず。51分には水戸DFのパス回しに櫻田が駆け上がってプレス、ボールを奪うと氏原とのワンツーでサイドを突破し、ループでゴールを狙います。これはファーサイドに流れてギリギリでバーに当たらなかったのですが、これが跳ね返っていれば、高田が詰めていただけに得点になったかもしれない惜しい場面でした。後半立ち上がりのチャンスを作ったのは櫻田でした。プレスの的を絞らせないために、左右や前後に持ち前の運動量を駆使して走りまわったのが奏効しはじめていたのですが後藤と松浦の交代で元の位置に戻ることになってしまいました。カウンターが得意な相手でDMFがポジションを空けるリスクも大きかったのですが、引いた相手を打開すべく縦横に走る櫻田をもう少し見たくもありましたね。またこの交代で草津は流れを失ってしまいました。

草津は水戸の守備網を打ち破ることができずに、中盤でボールを失ってはカウンターを受けるという悪循環に陥る。「草津の長所を消すことができていた」(前田監督)。水戸は、草津の櫻田、秋葉に対して、FWとボランチが挟み込むように対応。「ボランチからトップに当ててくるのは分かっていた」と初田。ボランチからの展開は草津の生命線。起点を潰された草津は、システムを変えるしか方法がなかった。
草津は後半途中から高田、氏原、松浦の3トップに変更。中盤にスペースを与えるというリスクを犯して勝負に出る。それに対して水戸は、空いたスペースを金澤、鈴木、眞行寺が使い、サイド攻撃を展開。草津を追い詰めていく。だが、「相手のミスに助けられた」と尾本が振り返ったように決定力を欠いたことが水戸の首を絞めることになる。

3トップにしたことで全体が間延びしてしまって中盤の数的優位をなくした草津は、3トップにあてる単調な攻撃を繰り返してはカウンターを受ける自滅の流れになってしまいました。
水戸の前田監督はこの機会にMF椎原に代えて五輪代表候補の小椋を投入、勝負に出ます。大和田の負傷交代で右SBに入っていた金澤大将はスピードある攻め上がりが特徴ですが、前半はほとんど守備に専念してました。しかし小椋の投入で守備の負担が軽減し、また小椋から良いパスが配球されるので、この時間帯は積極的に前に仕掛けてくるようになり、水戸全体の攻勢を強化していました。負傷交代でなければ後半の切り札的な使われ方が計画されていたのだと思いますが、負傷交代の逆境の中でも我慢強く冷静に勝ち筋をキープしておいた前田監督の手腕が見えた采配だと思いました。
しかし流れもチームバランスも悪くなった草津ですが、この時間帯で失点せずに辛抱強く守れたからこそ、勝ち点3を得ることが出来たのだと思います。チームが強くなっていくためには、こういう時に失点しないことが大事だと判りますね。
草津は後半も終盤になってくるとようやく3トップの利点、前方に人数を掛けている周的優位を活かせる場面を作れるようになってきました。全体的に左サイドに寄り、突破を図ります。

そして迎えた81分、左サイドに流れた桑原がゴール前にセンタリング。ファーサイドで松下が折り返したボールに駆け込んだのはエース高田だった。「最初は左サイドのサポートに行こうとしたが、ボールが上がりそうだったので中に入っていった」と高田。高田の右足から放たれたシュートが豪快にゴールネットを揺らす。この1点が草津に4試合ぶりの勝利をもたらすことになった。

左サイドに人数を集めた草津に、後方から支援が加わります。ボールを奪取した藤井がオーバーラップし水戸の守備を崩しつつ松浦へ。そして松浦のポストから上記の桑原のクロスに繋がりました。この状況を全員で生み出しましたが、それは藤井の判断のよさから生まれたものでしたし、鳥居塚のオーバーラップのスペースフォローと、再三カウンターにさらされながらもチカ不在を田中とともに良く守ってくれました。

かろうじて勝利をつかんだ草津だが、このゲームで突きつけられた課題は多い。この戦いを続けている限り、草津がこの先、順位を上げていくことは難しいと言わざるを得ない。「これで満足しては絶対にいけない。大事なのは次の山形戦(6/2@NDスタ)だ」と佐野コーチ。この日の草津が得たものは、勝点3という結果のみだ。

引いた相手に思うようにいかないのは相変わらずでしたが、仙台戦や京都戦よりはゲームの中でも修正や取り組みが見られ、それが流れの中の得点に結びついたことは成長だと思えます。また久々に先発した桑原が前線や櫻田をよくフォローしてパスをまわし、高田にあわせて左右のポジションを代えながら好機を窺いつつ守備も粘っこくこなしていましたが、その運動量と攻守の意識は今季最高の出来ではなかったかと思います。
加えて桑原がSH左右いずれでも遜色なく動けること、鳥居塚がSBも充分にこなせることが判ったため、鳥居塚がほぼ固定されていたSHのポジションに桑原や山崎に加えて、山本拓弥中井義樹里見仁義など、今季なかなか出場機会を得られない戦力にもチャンスが回ってきやすくなったと思われます。
佐田の長期離脱は痛いのですが、鳥居塚や桑原の見せてくれたパフォーマンスで左右SHのポジションに新戦力の台頭の機会が増えたことも判りました。こう見ると、勝ち点3だけしか得るものの無かった試合でもありませんでしたね。
また、この勝利で連敗が止まっただけではなく、ザスパ草津は「敷島(陸上・サカラグ)以外のホーム戦初勝利」を記録しました。今までは熊谷、松本、足利と敷島から離れたホーム戦は全敗でしたからねえ。水戸相手に2年連続勝ち越しにも近づきましたし、これからまだまだ長いシーズンですから、あれこれの記録の塗り替えと、MFサブメンバーの登場と活躍にも期待したいですね。というか山本・中井・里見が見たいんです、そろそろ。みんなガンバレ。

沖縄県のスタジアム問題その3。FC琉球の本拠地に立候補する糸満市。

関連エントリーはこちら。http://d.hatena.ne.jp/SH77/20070517#1179375637http://d.hatena.ne.jp/SH77/20070525#1180060065に。
このエントリーの話題は「その1」に組み込もうと思ったのですが、かなりの分量になってしまうため割愛していました。続報のニュースを「その2」としたので、引き続いてエントリーとしました。
FC琉球の使用するJ規格のスタジアムは現在のところ県内にありません。現在戦っているJFLでは沖縄本島の真ん中よりやや南の位置する沖縄市と、隣接する北谷町のスタジアムで試合を行っており観客を約3000〜4000人集めていることは過去のエントリーのとおりです。
この状態のFC琉球に、沖縄市でも北谷町でもない市から行政レベルで協力の動きが起きました。沖縄タイムス06年9月22日付より。
http://www.okinawatimes.co.jp/fcryukyu/news/2006/09/16_01.html

FC琉球拠点 糸満市が誘致 今月中要請
糸満市の西平賀雄市長は15日、市役所内で会見を行い、日本フットボールリーグ(JFL)に参戦しているFC琉球の活動拠点を市内に誘致すると発表した。自治体が活動拠点として同チームを誘致するのは初めて。市は雨天練習場の建設を計画中で、今後受け入れ態勢を整えていく。また10月以降に市内でのJFL公式戦の開催誘致も表明した。
市は現在、10月中旬をめどに西崎陸上競技場でJFLの公式戦が開催できるよう芝や温水シャワーの整備などを進めている。競技場の収容人員はメーンスタンドが3000人で、芝スタンドが6000人。
西崎運動公園内の野球場隣接地に計画する雨天練習場の建設は2007年度の事業採択を目指している。

糸満市沖縄本島のもっとも南に位置する市です。そこの市長さんが建設予定の雨天練習場と、J規格ではないもののJFL試合が開催可能な競技場の改修整備を打ち出し、FC琉球の拠点としてもらいたい、との表明を行いました。

西平市長は「FC琉球が掲げる理念に共感した。チームを誘致することによって地域の子どもたちの夢が膨らんでいくだろう」と語った。FC琉球の野口必勝代表は「市町村単位で誘致の話があったことはチームとして大変、光栄なこと」と話した。
市は今月中にFC琉球へ正式な要請を行う予定だ。

FC琉球沖縄県内で巡回サッカー教室を行っており、もちろん糸満市でも開催され、別の会場でも糸満市のサッカー少年たちが招待され指導を受けています。こういう活動が実を結んだ形でもあると思えますね。同紙06年8月3日付と10月22日付、そして11月16日付より。
http://www.okinawatimes.co.jp/fcryukyu/news/2006/08/03_01.html
http://www.okinawatimes.co.jp/fcryukyu/news/2006/10/22_02.html
http://www.okinawatimes.co.jp/fcryukyu/news/2006/11/16_01.html

●キック力すごい糸満の子ら感激 サッカースクール
FC琉球の選手・スタッフが県内各地で子どもたちにサッカーの楽しさを教える第九回「沖縄タイムスプレゼンツ 2006 ワラビーサッカースクール」が七月二十六日、糸満市の西崎親水公園グラウンドで開かれた。
光洋FC、三和FC、FC西崎の三チームから小学生約百人が参加。野田恭平(GK)、當間正人(MF)、栗田泰次郎(DF)、ブルノ(MF)の四選手らが指導に当たった。
競り合ってシュートする練習やリフティングの基本などを学び、選手を交えたミニゲームなどで楽しんだ。
野田選手は「短い時間だけど楽しかった。試合のときにはぜひ見に来てほしい。ありがとう」と子どもたちに話した。(後略)
●シュート「曲がった」 サッカースクール・糸満
FC琉球の選手・スタッフがサッカーの楽しさを教える第十七回「沖縄タイムスプレゼンツ 2006 ワラビーサッカースクール」が八日、市西崎陸上競技場で開かれた。
糸満豊見城南城市から少年サッカー十二チーム、約二百人が参加。松原忠明(DF)、クリスティアーノ(同)、黒田福太郎(FW)、古賀隆一(MF)、和田翔太(GK)の五選手らが指導した。
頭を使ったリフティングや正確なキックの仕方などを学び、カーブをかける練習では、悪戦苦闘しながらも選手の指導で成功させていった。(後略)
ミニゲームも楽しむ 豊見城糸満から200人参加
FC琉球の選手・スタッフがサッカーの楽しさを教える第二十回「沖縄タイムスプレゼンツ 2006 ワラビーサッカースクール」が十月十八日、豊見城総合公園陸上競技場で開かれた。
豊見城糸満両市から約二百人の小中学生が訪れ、小学生はリフティングやキックなどの練習、中学生は選手とのミニゲームを楽しんだ。(後略)

J規格のスタジアムを持たないとはいえ、クラブの理念と活動に積極的な支援を表明してくれた自治体。ザスパサポなら説明するまでもなく、草津町がほぼこれにあたりますよね。そして競技場の改修が実行され、糸満市JFLのゲームが開催されることになりました。これは同紙10月7日付より。また初の開催となったアルテ高崎戦の模様は10月24日付より。
http://www.okinawatimes.co.jp/fcryukyu/news/2006/10/07_01.html
http://www.okinawatimes.co.jp/fcryukyu/news/2006/10/24_01.html

FC琉球糸満で試合 ホーム2戦 会場変更
(前略)JFLのFC琉球は6日、24日に北谷公園陸上競技場で予定していた後期第10節のアルテ高崎戦を、21日に糸満市西崎陸上競技場で行うとの変更を発表した。キックオフは午後4時になる。同第14節(11月19日)のYKK AP戦の会場も県総合運動公園陸上競技場から西崎に変更した。キックオフ時間は正午で変わらない。
糸満市琉球の活動拠点誘致を表明しており、JFLのホームゲーム開催も誘致している。

FC琉球 糸満市民歓迎 21日のゲーム 誘致実現へ盛り上げ
糸満市から活動拠点としての誘致表明を受けたFC琉球は二十一日、初めて同市でホームゲームを開催した。対戦相手のアルテ高崎に終了間際に追いつかれ、引き分けに終わったものの、会場は市民の歓迎ムードに包み込まれた。
試合開始前、始球式に臨んだ糸満市の西平賀雄市長。胸に「糸満市長」と書かれたFC琉球のユニホームをまとい「ここまでたどりつけ、感無量。子どもたちに大きな夢を与える第一歩にするとともに、FC琉球を通して、市民と協働の町づくりに結び付けたい」と満面の笑顔を見せた。
(中略)
試合前とハーフタイムには、「アンマー」で知られる地元出身ロックバンド「かりゆし58」が盛り上げた。
糸満市南波平出身の新屋行裕さん(25)=ギター=と、旧東風平町宜次出身の前川真悟さん(25)=ボーカル=は中学までサッカー部。
新屋さんは「地元で試合を見られるのは夢のよう」と話せば、前川さんも「Jリーグ入りを目指すFC琉球に元気をもらいながら、自分たちも頑張りたい」と意気込む。(後略)

この試合には約2100人が集まったそうです。そして11月のYKK AP戦では後半ロスタイムに同点に追いつく2−2のドロー。この2試合で勝利こそみせられなかったものの、サッカーの興奮を糸満市民の方々に味わってもらえたのではないでしょうか。後半ロスタイムに先制された時の凹み具合が尋常じゃないのは最近味わいましたが。
またアルテ高崎戦の少し前に、糸満市からFC琉球に正式に協力申し出がされました。これも同紙10月11日付より。
http://www.okinawatimes.co.jp/fcryukyu/news/2006/10/11_01.html

●「糸満へどうぞ」FC琉球へ要請 西平市長が正式誘致
糸満FC琉球の活動拠点に」。糸満市の西平賀雄市長は10日、FC琉球を運営する那覇市天久の琉球スポーツキングダム社の野口必勝代表を訪ね、糸満市をチームの活動拠点にしてもらうよう正式に要請した。自治体による同チームの誘致は初めて。
西平市長は「FC琉球には子供たちに夢と希望を与えるという魅力がある。チームが大きく羽ばたくためにもお手伝いしたい。誘致することで街の活性化にもつなげたい」とラブコールを送った。
拠点となる西崎陸上競技場は、都市部や空港からの交通アクセスもよく、1500台収容可能な駐車場や宿泊施設も隣接していることなども、同市にとっては「売り」の一つ。

1500台収容可能な駐車場・・・うらやましい。話の肝はそこではなく「市単位の行政から正式な協力申し出」というFC琉球にとって社会的信用を大きく高める実績が出来たこともあると思います。こういう信用・信頼はスポンサー獲得にもプラスになりますからね。

Jリーグ昇格の必要条件となるスタジアム建設についても西平市長は「いきなりは難しいが、県にも協力してもらい環境整備を一緒にやっていきたい」と話した。
野口代表は「市長自ら来てもらい光栄。気持ちで接してくれたところには気持ちで応えたい」と感謝。
(後略)

J規格スタジアムの建設にも、市単体ではともかく県と連携して協力したいとの意向。もちろんFC琉球を利用した地域振興であることも確かですが、積極的な協力姿勢はありがたいことも確かです。
で、ここまでは2006年の話なのですが。今年に入って具体的な動きのニュースもなく、また今季JFLFC琉球のホームゲームは全て沖縄市北谷町で行われることになっており、糸満市での開催が1度もない状態に逆戻りとなってしまいました。糸満市での活動の拠点となると思われる雨天練習場の整備などが進めば、また状況が動き出すのかもしれません。そして上のエントリーでもあった「J規格スタジアム」の建設候補に、糸満市が今後名乗りを上げる可能性もここまでの流れからすれば充分にあると考えられます。アクセス抜群の那覇市内か、積極的な支援を申し出てくれる糸満市か、現在試合を行っている沖縄市北谷町か。全県規模で活動するといっても、J規格のホームスタジアムが定まれば活動はそこを軸に行うことになってしまいます。J規格のスタジアム建築が正式に決まった時、その立地がFC琉球と沖縄サッカー界の将来に大きな影響を与えることは確かだと思われます。関わる全員が100%満足するベストの選択肢は存在しないので、出来るだけ多くの人々が満足できるベターな選択と、FC琉球と沖縄サッカーの発展に資する決定になって欲しいですね。

●参考リンク 「わかの観戦日記」:九州沖縄のスタジアム
http://waka77.fc2web.com/studium/studium-8.htm
●参考リンク マピオン沖縄県の地図
http://www.mapion.co.jp/html/map/web/admi47.html
●参考書籍 Jリーグクラブをつくろう:FC琉球ほか多数のJリーグを目指すクラブが取材・紹介されています。

Jリーグクラブをつくろう!

Jリーグクラブをつくろう!

沖縄県のスタジアム問題その2。沖縄県サッカー協会、県知事にサッカー専用スタジアム建設案を提出。

SH772007-05-25

関連エントリーはこちら。http://d.hatena.ne.jp/SH77/20070517#1179375637に。
先日まとめたエントリーから、事態に若干の進展が見られました。まず前回のエントリーの最後の部分から。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200705171300_08.html

●サッカー協会スタジアム建設要請へ/奥武山競技場跡
県サッカー協会サッカー施設等ワーキンググループ(座長・真栄城勉県協会理事)は16日までに、奥武山運動公園陸上競技場跡地の活用として、Jリーグなどプロチームの誘致を想定した「おうのやまの杜サッカースタジアム整備計画」(第1次案)をまとめた。同協会の伊江朝睦会長らは21日、県を訪れ仲井真弘多知事にスタジアム建設を要請する。同ワーキンググループは1月30日に設置。3月30日まで、計4回の話し合いを経て、整備計画案を作成した。今後は、他県のサッカースタジアム視察などを行い、建設具現化に向けて活動していく。
また、プレス席やVIP席、特別支援を要する障害者席を設けるなど、「Jリーグの定めた基準をクリアーしたスタジアムを整備しなければならない」としている。(後略)

那覇市内に位置する奥武山運動公園陸上競技場の跡地。そこを利用してJリーグ規格のスタジアム建設を、という沖縄県サッカー協会の提案がまとめられました。そして記事にあるとおり21日に仲井沖縄県知事と面会、建設案を提出したそうです。詳しくは琉球新報5月22日付より。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23965-storytopic-2.html

●専用スタジアム建設を サッカー協会、知事に要請
県サッカー協会の伊江朝睦会長ら協会役員が21日、県庁に仲井真弘多知事を訪ね、サッカー専用スタジアムの早期建設に向けた県の取り組みを求め、協会がまとめたスタジアム整備計画案を手渡した。
仲井真知事は「公約にしており、いろんな方に関心を寄せてもらっている。まだめどは立っていないが、建設後の維持管理を含めて検討を重ね、任期中に基本計画を固めて動きだすところまでは持っていきたい」と話し、任期中の計画策定に向けて検討を始めていく姿勢を示した。

元の記事では「サッカー専用」とは明記していなかったのですが、建設案はサッカー専用スタジアムだったんですね。また県知事さんの選挙公約にスタジアム建設が掲げられていたそうで、基本的に前向きの姿勢のようですね。

また、「立地について那覇から遠い所、近い所など、2、3の構想をつくった方がいいのではないか」とも話し、具体化に向けては複数のたたき台が必要との考えを示した。

これにはFC琉球の沖縄グクススタジアム構想も頭にあるのではないでしょうか。大きなお金が動く案件ですから、各案の予算を比較検討派当然だと思います。

同席した仲村守和県教育長は「今年度予算には調査費もついたので、年度内に委員会を立ち上げたい。皆さんにはぜひ情報提供をお願いしたい」と話し、庁内レベルの検討委員会の設置を検討していることを明らかにした。(後略)

そして沖縄県行政レベルで「スタジアム建設」の調査委員会の立ち上げが予定されていることが明らかになりました。協会が要望した奥武山運動公園陸上競技場の跡地に即J規格のサカ専スタジアム建設にGOサイン、とはいきませんでしたが、徐々に事態は良い方向に向かっているようですね。あとはFC琉球の成績向上が事態を後押しするハズなので、現状苦しい順位ですが、これからも頑張ってほしいですね。

●参考リンク FC琉球公式:城GUSUKU 〜 FC琉球ドリームスタジアム構想
http://www.fcryukyu.com/stadium/stadium.php

J2第16節京都サンガ戦。シュート不足はサイド攻撃不足から。

惜敗とはいえ、これで3連敗。特殊事態の仙台戦はともかく、湘南・京都戦は内容がズンドコだったわけでもないだけにどちらかだけでも勝ち点が欲しかったですねえ。京都には一昨年、手も足も出ずに全敗を喫して勝ち点12を献上していますが、ここまでの2戦で今季の彼我の戦力差はそこまで開いていないことも判りました。嗚呼、それだけにもったいない試合でしたね。まずは結果とこの日のメンバーをJ's GOALから。
http://www.jsgoal.jp/result/20070200030220070519_detail.html

●2007 J2第16節(5月19日/松本/3,096人)
ザスパ草津 0−1 京都サンガ
得点 89分:徳重隆明(京都) 
警告 27分:石井俊也(京都) 34分:パウリーニョ(京都) 52分:チカ(草津) 78分:チカ(草津)→退場
交代 59分:山崎渡松浦宏治草津) 68分:斉藤大介加藤大志(京都) 82分:氏原良二松下裕樹草津) 83分:倉貫一毅田原豊(京都) 89分:パウリーニョ中山博貴
●2007 J2第16節vs京都サンガ ザスパ草津スターティングメンバー 
GK:1本田征治
DF:4田中淳 23藤井大輔 5チカ(C) 3尾本敬 
MF:17秋葉忠宏 18櫻田和樹 6鳥居塚伸人 8山崎渡
FW:9高田保則 11氏原良二
●サブメンバー
GK:21常澤聡 
MF:30松下裕樹 15桑原剛 FW:14佐藤正美 20松浦宏治
●キックオフフォーメーション(4−4−2・ドイスボランチ
−−高田−−氏原−−:佐藤正・松浦
鳥居塚−−−−−山崎:桑原
−−櫻田−−秋葉−−:松下
尾本−−−−−−田中:
−−チカ−−藤井−−:
−−−−本田−−−−:常澤

フォーメーションは今季のベースになっている4−4−2のドイスボランチ。出場停止明けで3人のDFが戻ってきましたが、今度はレギュラー右SBの佐田聡太郎が欠場(後に負傷と判明)。田中淳が代わりに右SB、尾本敬が左SBに入ってCB4人で構成する4バックとなりました。また鳥居塚伸人が今季初めて左SHに入り、代わりに右には山崎渡が入ったところも変更点です。2トップには高田保則氏原良二が入りました。中盤のサブには松下裕樹桑原剛、FWの控えはキャプテン・マッスル佐藤正美とスピードスター松浦宏治が控えます。スタメンがやや守勢だけに控えは攻め中心で並んでいます。試合の流れは伊藤寿学さんのJ's Goalレポートから。
http://www.jsgoal.jp/news/00048000/00048804.html

【J2:第16節 草津 vs 京都 レポート】手にしかけながらも失った勝点。数的不利の草津、京都・徳重のロスタイム弾に沈む
(前略)草津としては決して悪いゲームではなかった。草津は4バックが序盤から安定。京都のロングボールを弾き返し、パウリーニョアンドレのパワーを押さえ込む。コンパクトに保ったDFラインが中盤のプレスを助け、前線では高田と氏原がゴールを狙う。「ボールが前に早く入ってきたので、プレーしやすかった」と高田。鳥居塚、山崎の2列目が前線に絡む機会も見られ、草津らしいサッカーを展開した。

立ち上がりから数分は、お互いに様子を窺うロングボールをサイドへ蹴り合う展開でしたが、先にチャンスを作ったのは草津。4分に今季初の左SHに入った鳥居塚が高田とのパスワークでサイドを突破、ゴール前の氏原にクロスを上げますが、氏原のヘディングにわずかに合わず。このプレーから草津が序盤の主導権をとり、攻撃の圧力を増していきます。8分には(草津から見て)左CKをとってキッカーは鳥居塚。ファーに送ったクロスに尾本がヘディングをドンピシャで当てますが、GKが右手のみのファインセーブで得点になりませんでした。また12分には京都のゴールキックを鳥居塚がタイミング良いジャンプで競り勝ち、この浮いたボールを山崎がこれまたヘディングで前線にスルーパス。反応した高田がシュートまで持ち込みますがコーナーキックと、前線がお互い良い距離を保って攻撃を仕掛ける場面も作れました。
攻撃の組み立ては秋葉と櫻田が左右にボールを散らすことを基軸として、左サイドでは鳥居塚と高田のコンビでサイド突破を図り、その後方は尾本がスペースケア。右サイドでは田中のオーバーラップ中心にバランスのとれる右SHの山崎がその攻守をフォローする形をとりました。DFラインもチカと藤井のレギュラーCBコンビの復活で特に制空権の不安がなくなり、ラインを高く保って攻撃をフォローできました。伊藤さんが欠かれて書かれているとおり「決して悪いゲームではなかった」立ち上がりでした。

一方の京都は、前節で見せた鋭いサイド攻撃が影を潜める。徳重は「攻撃が中央に偏り過ぎて、なかなかサイドに出てこなかった」と振り返る。京都はパウリーニョの突破以外に攻撃の糸口を見つけることができず、我慢の時間が続く。

対する京都ですが、第1クール鴨池での戦いと、京都の前節福岡戦の戦いぶりから考えると、京都は積極的な攻撃姿勢とサイド攻撃を絡めてくるかと予想しましたが、実際には前半を通じてロングボールをFWに送り続けるやや淡白な仕掛け。チカと藤井が復帰している以上、ロングボール一辺倒では攻略されないのは、もはや今年の草津のデフォルトです。ロングボールを前線に預けたい京都は思うように攻撃が組み立てられず、どちらかといえば競り合いのセカンドボールを尾本や秋葉がパスミス、もしくはチカが持ちすぎで奪われたような草津側のミスから生まれたカウンターのほうがチャンスになっていましたね。
前線の「前節ハットトリックアンドレと「一昨年はやられ放題でしたな」パウリーニョのコンビは脅威ですが、2人だけでなんとかなるほど今年の草津のレギュラーCBは脆くないことが判ります。ただ2列目の徳重や倉貫が積極的に絡んでこなかったので助かった部分もありました。まあ後半はこのヒトたちが出てきちゃったんですけど。
立ち上がりは草津ペース、10分すぎから京都がセットプレーなどで得点を窺い、20分すぎからはまた草津のペースとなりました。22分には左サイドを突破した鳥居塚がゴール前にクロス、オーバーラップした秋葉に合わせますがヘディングシュートはゴールならず。23分には元の位置に戻った秋葉からスルーパスが高田に出ましたがわずかにオフサイド。23分には右サイドの混戦から高田がポストプレーから相手2人を背負ってリフティング、そのまま2人の間を割って走り、さらに詰めたDFをリフティングを続けながら交わして中央に切れ込みモーションの少ないボレーシュート。ゴール左スミを狙ったこのシュートにGKは届きませんでしたが、ボールもわずかに外へ逸れてしまいました。こんなに美しいプレーからのシュートですから、たとえワクらなくても芸術点で0.5点くれてもいいんじゃないですかねえ。ただでさえヤスはカッコイイし。(←関係ない)
http://www.jsgoal.jp/news/00048000/00048770.html

高田保則選手(草津
前半はボールが早く前線に入ってきていたし、プレーしやすかった。何度か得点のチャンスがあったので、決めなければいけなかった。いいリズムのときに先制できれば勝ちゲームに持っていけたはず。(後略)

やっぱりあの美しいシュートをゴールにしておきたかったですねえ。39分にはチカからフィールドを斜めに切り裂くスラントパスで、反応して走り込んだ山崎がDF裏を突くシーンがあったのですが、これはトラップが大きすぎてシュートまでいけず。前半に大きなチャンスを作りながらゴールできないことが後に響いてしまいました。
http://www.jsgoal.jp/news/00048000/00048769.html

植木繁晴監督(草津
「前半は狙い通りのサッカーが出来ていた。奪いどころも良かったし、突きどころも良かったと思う。ただ、決めるべきところを決められないと、こういう結果になってしまう。終盤に退場者が出て、最後にやられてしまったのは非常に残念だ。選手は集中してやってくれて、サッカー自体は悪くなかったし、悲観することはないが、3連敗してしまうと気持ち的に立て直すのが難しくなってくると思う」

http://www.jsgoal.jp/news/00048000/00048768.html

美濃部直彦監督(京都)
(前略)サイド攻撃がいつもより出来なかった印象は残るが、苦しいゲームを勝ちに結び付けられて良かった」
Q:サイド攻撃が少なかった理由は?
「ピッチがややスリッピーだったことと、MFとSBとのコンビネーションが少し足りなかった。また、相手のカウンターに注意していたので、SBが出る機会が少なかった」
Q:後半からはサイド攻撃が多くなりましたが?
「前半は長いボールをパウリーニョアンドレに入れて、ゲームが落ちついてからクロスを入れていこうと話していた。(後略)

前半の入り方と戦い方で草津は、京都の様子見姿勢のお陰もあって優位に試合を運べました。そして得点機会も組み立ての中から生み出せましたが、0得点。繰り返しですが優位の時間帯で得点できなかったことだけが残念で、かつ重要な分かれ目となってしまいましたね。
後半は双方交代なしでリスタート。前半とは真逆に京都が全体を押し上げ両サイドを絡めて猛攻撃を仕掛けます。草津はほとんど反撃できずに、約15分間が防戦一方の展開に。京都が攻撃の枚数を増やしてきたことが大きいのですが、長短のパスの組み立てからサイドの高い位置で起点を作られて、なかなかプレスがかかりません。またボールを奪い返しても秋葉と櫻田へのチェックが早く、思うようにパスを繋げずにまた京都の攻撃となってしまいました。

先に交代のカードを切ったのは草津だった。59分、植木監督は山崎を下げて松浦を投入。高田をトップ下に置く4−3−1−2のシステムに変えて勝負に出る。

防戦一方の59分に、植木監督は右SH山崎をFW松浦と交代させます。また布陣を4−4−2のドイスボランチから、仙台戦のような4−4−2トレスボランチに変更。トップ下にFW高田を下げて、ボランチを右から鳥居塚・秋葉・櫻田と並べます。
植木さんの意図としては、京都の人数をかけた攻勢の対応としてバイタルエリアのスペースケア、またサイドバックが引き篭もっている状況が秋葉・櫻田のパスコースを減らしているため、ボランチを増やしてサイドの守備をフォローすることで、サイドバックを前進させやすくする狙いもあったと思います。
加えて前掛かりな京都DF陣の裏を狙う、またそれを警戒するDF陣を下がらせて全体を間延びさせるためにスピードスター松浦の投入が意図されていたと考えます。このもくろみはまずまず成功し、セットプレーなどからピンチは続いたものの、なんとか無失点で凌ぎました。格上の攻勢を受け続けるガマンの時間帯にガマンできた。ここで脆くも崩れなかったことは良かったと思います。逆に攻めながらも得点できない京都の美濃部監督は、さらに攻勢を強めるべく手を打ちます。

(前略)美濃部監督は右サイドのスペシャリスト加藤をピッチへと送り込む。「サイド攻撃のメッセージを明確に伝えるために加藤を起用した」(美濃部監督)。同監督は前節、草津が3ボランチを敷いたことから、このシステムへの対策を練っていたようだ。加藤は指揮官の期待に応えるかのように空いたスペースでドリブルを仕掛け、草津にプレッシャーを与える。草津はトップ下・高田がサイドをカバーすることになり、策が後手に回る。

敵もさる者。加藤大志の投入で、京都の草津左サイドを突く攻撃が増えていきます。数回クロスを上げられますが、これが中であわなかったり草津のカバーが間に合ったりで得点させませんでした。また植木監督も加藤の投入でボランチが1人減ってスペースのあるバイタルエリアを突くため、布陣を4−4−2のドイスボランチに戻させています。ここでは鳥居塚がボランチから右SHに、高田が左SHですね。守りながらも反撃の足掛かりを作っていく植木監督と、スカウティングを基にした美濃部監督の采配と対応に、サッカーの醍醐味を味あわせてもらいました。結果はあれだったのが残念なんですけど。
ただ、草津は布陣を元に戻しましたがメンバーが元通りになったわけではないので、全体のバランスを意図する山崎がいなくなり、攻撃を組み立てなければならない上に流動的なポジションをとる鳥居塚が右SHにはいったため、右SB田中が前半のような思い切ったオーバーラップが出来ず、後半の攻撃に枚数が足らなくなってしまいました。ただでさえ後半はサイドを攻め続けられていたので、攻撃参加はとても難しかったのですが。
それでもひたすら攻撃が続くことはなく、攻め疲れの時間がやってきます。京都も後半開始から25分も続けていた攻勢が徐々に鈍くなってきていました。後半70分過ぎからは櫻田のクロスバー直撃のミドルシュートなど、草津にも反撃の端緒が見えてきていました。レポート担当の伊藤さんはまだまだ京都の時間帯と思われていたようですけど。

リズムが京都に傾きつつある中で「事件」は起こった。79分、アンドレをマークしていたチカが、不運にもこの日2枚目のイエローカードを受け、退場。草津は10人での戦いを余儀なくされる。草津の守備陣は体を張った粘り強い守備で京都の決定的なシュートをことごとくブロック。「1人少ないので守りながら一発を狙うしかなかった」(高田)。数的不利に追い込まれた草津は、勝点「1」さえ取れれば良かった。

チカはハイボールの競り合いでアンドレを後方から押し倒してしまってイエロー、この日2枚目で退場となりました。池田主審は過去の実績からは「ダ●審判」な主審だと思いますが、この試合では「ハイボールをDFがのしかかって競る」プレーには、ことごとくファールの笛を吹き、これは草津にも京都にも適用されていました。その点でジャッジにブレはなかったので、出来れば草津ベンチや選手もせめて後半くらいからは対応出来なかったかと残念に思いますが、ただチカの2枚目のイエローが「ラフプレーの繰り返し」とはいえ、退場となるほど悪質なプレーであったかといえば大きく疑問です。ともかくこれで草津は10人になり、攻め疲れの見えてきた京都へ反撃するよりもまずは失点しないことを考えねばならなくなりました。

しかし、徳重の決勝ゴールが草津から勝点「1」さえも奪うことになる。アンドレを封じていたチカが退場したことでCKの守備に隙ができてしまったことが悔やまれる。GK本田は「10人の戦いになったら一つのミスも許されない。最後は自分たちの小さいミスが重なってやられた。京都の方が勝ちたい気持ちが強かった」と話し、バスに乗り込んだ。草津は、この敗戦から何を学ぶかが重要だ。
うっすらと見えていた勝点「3」が「1」になり、そして「1」が「0」になった草津。このゲームで受けた選手、サポーターのショックは大きい。このショックを払拭するには、次節で勝利を挙げるしかない。失った「3」を取り戻すチャンスはまだまだ残されている。

10人でもなんとか凌いでいましたが、後半ロスイタムにCKから失点、3連敗となってしまいました。前半は長くこちらの時間帯もあり、また劣勢でも良く凌いで反撃にとりかかれそうなところでふたたび劣勢で失点。たらればですが、充分勝ち点がとれた試合内容だったと思います。もったいなかったですねえ。

課題としては、4CBの4バックに攻撃力の低下があると思います。サイドを突破されてもファーサイドまで3人のCBが構えているので簡単には失点しない守りができると云う利点もあるのですが、特に後半はサイドバックがラインに釘付けにされてしまうとボランチがパスコースを無くし、反撃する起点でパスミスを強いられてまた攻撃を受ける形になってしまいました。この試合のような佐田も寺田も不在のサイドバックでは、ボールを自ら運んで相手サイドを抉ってクロスをあげるような組み立ても期待できませんし、サイドからの崩しにサイドバックが絡めないとゴール前に詰める人数も増やせません。草津が今年のテーマとしている「第3の動き」も成立させにくくなります。
また、この試合だけに限りませんが、今季の大きな課題としてサイドから良質のクロスが上がらない、上げられる選手が限られている、という点が見えています。昨季は職人芸のピンポイントクロスを島田裕介が上げてくれましたが、今季はサイドから可能性のあるクロスを上げられるのは、鳥居塚・高田・桑原くらい。これがゴール前のシュート、フィニッシュの回数が少なすぎる大きな原因と考えます。チームとしてサイド攻撃での得点を意図しながらもそのサイドから効果的なクロスが前線に送れない。攻撃の締めくくりであるシュートが出来ない。本数も増えない。草津の攻撃の組み立てのジレンマですね。
ともあれ現状では、佐田不在のサイドバック陣の奮起が必要なので、左SB尾本がほぼ守備専のサイドバックとすると、逆サイドの右SB田中の攻撃参加が攻撃の成否を分けるくらい重要となるので、これからも頑張ってもらいたいですね。

田中淳選手(草津
チカが退場になったあとは、体を張って守っていたけど、ラインが下がってしまい、上げられなかった。最後のCKは、自分がサイドにクリアしていればスローインにできた。そういう小さい点も注意しなければ勝ち点を得ることはできないと思った。

最後のミスキックは確かに痛かったのですが、もう時間は戻せませんし、これからの糧にしてもらう他ありません。以前からフリーの状態なのに簡単にボールをゴールラインから割らせてしまうことが度々あったので、今後はこういうプレーは気をつけてくれると思います。もっと早く気付いてくれても良かったんですけど「痛くなければ覚えませぬ」*1ということなんでしょうね。選手を育てながら使う今季でもあります。バ●審判を育てる役はゴメンだけどな。
課題として付け加えるなら、この試合の櫻田のコメントですが、

櫻田和樹選手(草津
後半の途中まで失点もなく、いい形で来ていたが、その後にボランチのところでボールにさわれなくなってしまった。ボランチにボールが来ないと、前線へのパス一本になってしまうので難しくなった。ここ何試合かは、そういう展開になってしまうことが多い。

これは前述どおりサイドバックがパスワークに参加していない部分もあるのですが、前線へのパス1本が増える背景には、俊足の松浦宏治を用いてゴールを奪ってきた成功体験がチームに安易な選択をさせているのだと思われます。サポ投票で第1クールMVP選出、チームとしても今季の切り札ともいうべき存在で、チームとサポの信頼も得る活躍は頼もしいのですが、最近は対戦相手も警戒していますしこれからは簡単には得点出来そうにもありません。「松浦頼み」のロングパスの繰り返しは同時にチーム全体を間延びさせてしまう点もあるので、過度の使用は禁物ですね。
ポゼッションとうまく絡ませ、また氏原や高田のポストプレーを活かすような形も増やしてもらいたいと思います。3連敗という結果は残念ですが、為すすべない内容のない大敗を繰り返したわけではないので、迷わず今までのサッカーを継続強化してもらいたいですね。幸い次節は休みで水曜の試合と短期連戦を回避できましたし、間延びするほど時間が空くわけでもありません。ホームとはいえ熊谷での試合ですが、いい準備で勝ち点をとってもらいたいと思います。

*1:藤木源之助『シグルイ』より。